「インフルエンサーマーケティングって、BtoBでも有効なの?」
「BtoBで、インフルエンサーマーケティングを行うときの注意点を知りたい」
このようにお考えのBtoBマーケティング担当者もいるのではないでしょうか?
多くのファンや独自のコミュニティを持つ「インフルエンサー」を活用するインフルエンサーマーケティングは、BtoBにおいても効果があります。しかし、BtoBでインフルエンサーマーケティングを行うときには、注意点を押さえておかないと大きなトラブルに発展するかもしれません。
そこで本記事では、BtoBで、インフルエンサーマーケティング行うメリットや活用できるSNSを紹介した上で、実施する際に知っておきたい注意点を解説します。オウンドメディアにおけるインフルエンサーの活用の仕方も紹介しますので、参考にしてください。
目次
インフルエンサーマーケティングとは
インフルエンサーマーケティングとは、インフルエンサーに依頼し、インフルエンサーが抱えるファンやコミュニティに対して、自社製品やサービスに関する情報を発信してもらうマーケティング手法です。
インフルエンサーとは、影響や勢力といった意味を持つ「Influence」から派生した言葉で、その名のとおり、自身が抱えるファンやコミュニティに対して強い影響力を持つ人を指します。タレントやモデル、スポーツ選手、政治家などがインフルエンサーの代表格ですが、一般人でも特定の層から熱烈な支持を受け、インフルエンサーとなることがあります。インフルエンサーは、多くのファンやコミュニティを抱えていることから、一度の発信で多くの人に強い影響を与えます。
インフルエンサーのなかでも、BtoBにおけるインフルエンサーは、「ビジネスインフルエンサー」と呼ばれます。ビジネスインフルエンサーは、ビジネスにおける、自らの専門分野についての最新情報やコアな情報を、ファンやコミュニティに向けて積極的に発信していることが特長です。
BtoBのインフルエンサーマーケティングに用いられる主要SNS
インフルエンサーマーケティングは、主にSNS上でおこなわれますが、BtoBにおいては、次のSNSを活用するのが一般的です。
- X(旧Twitter)
- YouTube
それぞれの特長を紹介します。
Facebookは、30〜40代のビジネスパーソンの利用者が多いことが特長です。そのため、BtoB領域でのマーケティングの利用に向いているとされています。Facebookは、実名での登録が基本であるため匿名性が低く、ほかのSNSと比較して、オフィシャル感が強いことから、仕事相手とのコミュニケーションに利用する人も少なくありません。その延長で、Facebookページから情報収集している人も多いため、企業がインフルエンサーマーケティングを行うプラットフォームとしても効果が期待できます。
X(旧Twitter)
匿名性が高い印象があるX(旧Twitter)においても、最近はBtoB企業の担当者などが、業界の動向や最新情報、自社イベントの発表などを目的に、個人名でアカウントを運用するケースが増えてきています。フォロワーが1万人を超えるような、企業名と実名を公にして活躍するビジネスインフルエンサーもおり、BtoB業界においても、Xで情報収集する人が多いことがうかがえます。また、自社製品やサービスの熱狂的なファンである従業員に、個人のアカウント内で、自社製品やサービスについて情報を発信してもらい、ブランドや製品への認知を高めたり、自社のファンとなる人を増やす活動、いわゆる「従業員アドボカシー」を実施することも、インフルエンサーマーケティングの一種として、X上では、よく行われています。
YouTube
YouTubeでもX同様に、自社チャンネルを開設し、最新情報や今後の予測、動画ならではの、わかりやすい具体的なノウハウ公開などを目的に、アカウントを運用するビジネスインフルエンサーが増えています。チャンネル登録者数も5,000人を超える人も多く、BtoB業界でも、動画で最新情報やノウハウをウォッチしたいというニーズがあるといえます。
BtoB企業がインフルエンサーマーケティングを行う効果・メリット
BtoB企業がインフルエンサーマーケティングを行うことで得られる効果やメリットは次の3点です。
- ニーズ顕在度を高められる
- 自社が保有していないリード層へアプローチできる
- 製品・サービスに対してフィードバックが得られる
それぞれを解説します。
ニーズ顕在度を高められる
BtoB企業がインフルエンサーマーケティングおこなうと、既存の見込み客のニーズ顕在度を高められることがメリットです。BtoBの購買担当は、企業のお金を使って商品を購入するため、入念にリサーチを行う特長があります。購買の意思決定も慎重になる傾向がありますが、ビジネスの分野に造詣の深いビジネスインフルエンサーが高く評価した商品であれば、信頼を高め、購入の意思決定につながる可能性が高まります。
さらに、インフルエンサーマーケティングにより、問い合わせてきた新規見込み客は、インフルエンサーに感化され、購買意欲が高まっている状態であることが多いため、営業リソースをあまり使わなくてもクロージングできることがあるのもメリットです。
自社が保有していないリード層へアプローチできる
オウンドメディアや広告など、自社で取った戦略では確保できなかったリード層に対して、インフルエンサーであれば、「ファン」や「コミュニティ」という形でつながりを持っている可能性が多分にあります。
インフルエンサーが活用しているプラットフォームで、自社の情報を発信してもらうことにより、自社が保有していないリード層へのアプローチが期待できます。
製品・サービスに対してフィードバックが得られる
インフルエンサーに紹介してもらうにあたっては、まずは、自社の製品・サービスを知ってもらうことから始めます。BtoBにおいては、情報や意見が客観的で公平なものでなければ、信頼を得られません。そのため、インフルエンサーも、自身のファンやコミュニティに紹介する製品やサービスに対しては、厳しい目でチェックします。
その際に、ポジティブなこともネガティブなことも、専門家の目線でフィードバックしてもらえることは、インフルエンサーマーケティングのメリットです。忖度なく意見してもらえれば、サービス改善や自社のポジショニングの把握につなげることが可能です。
BtoB企業のインフルエンサーマーケティングの運用における注意点
BtoB企業がインフルエンサーマーケティングを行う際の注意点は、次の3つです。
- インフルエンサー選びは、慎重に行う
- 投稿内容は、インフルエンサーに一任する
- ステマをしない
順番に解説していきます。
インフルエンサー選びは、慎重に行う
インフルエンサーマーケティングに起用するインフルエンサーについては、「フォロワーが多い」「知名度が高い」といった理由だけで選ぶのはリスクがあります。ネガティブなコメントが多くついている場合、自社に関する投稿に対しても否定的なコメントが寄せられる可能性があり、かえってマイナスとなる可能性が考えられます。また、フォロワーがいくら多くても、反応が薄いようではインフルエンサーマーケティングの効果は得られません。
インフルエンサーを選ぶときには、過去の投稿を一通り見て、自社に関する情報が投稿された場合に違和感がないか、ポジティブなマーケティング効果を得られるか、を慎重に見極めましょう。
投稿内容は、インフルエンサーに一任する
インフルエンサーは、影響力があるだけに、自社や自社の製品について、ネガティブなことを言われたくないと考えることから、依頼する企業は「この機能に触れてほしい」「ネガティブな表現は禁止」など、要件を細かく指定したくなります。
しかし、インフルエンサーは、これまでの経験上、反応が得られやすい投稿の型を熟知しているものです。それを無視して、企業が指示を出してしまうと、かえってファンからの反響を得られなくなることがあります。
また、投稿内容を広告主側がコントロールしすぎると、次項で挙げるステマに該当することも考えられます。インフルエンサーマーケティングで失敗したくないのであれば、投稿内容にはできる限り口を挟まず、インフルエンサーに一任するのがいいでしょう。
ステマをしない
インフルエンサーマーケティングでは、ステマをしないように注意することが重要です。ステマとは、ステルスマーケティングの略であり、インフルエンサーが企業から金銭などの対価を受け取っている事実を隠した上で、投稿することを指します。
現在、日本では、ステマ自体を取り締まる法律はなく、違法とはされません。しかし、広告であるのに、あたかも第三者の意見であるかのような宣伝方法は、消費者をだます行為として、商品やサービスを広告する際のルールを定めた「景品表示法」に触れる恐れがあります。
発覚した場合には、インフルエンサーはもちろん、依頼する企業も、社会的信用を一気に失うことになりかねません。投稿には、「金銭などの提供があったこと」「依頼企業とインフルエンサーの関係性(広告・PR目的の依頼など)」を明示することを厳守し、商品やサービスについても、実際よりも良く見せようとして、事実とは異なる情報を発信しないよう注意しましょう。
インフルエンサーの出現により、オウンドメディアが再注目
インフルエンサーの出現により、オウンドメディアが再注目されているといわれています。その理由やオウンドメディアでのインフルエンサーの活用方法などを紹介します。
オウンドメディアの運用で、インフルエンサーを活用する理由
近年、オウンドメディアに関心を寄せる人も増えてきたのは、インフルエンサーをインバウンドマーケティングに活用するオウンドメディアが増えてきたのが、理由の1つとされています。
もともと「オウンドメディア」は、「自社が保有する全メディア」を意味する言葉です。しかし、最近では、見込顧客や既存顧客に対して継続的に情報を配信する「自社コンテンツのまとめサイト」を指すのが一般的になりました。そんなオウンドメディアの大きな特長が、インバウンド型のマーケティング手法をとることです。
インバウンド型マーケティングとは、顧客から興味を持ってもらい、顧客自身に企業へアプローチしてもらう手法のことです。オウンドメディアでは、有益な情報を発信することで、顧客に見つけてもらうことを目指しますが、そう簡単なことではありません。
そこで、この問題を解決する手段の1つとして、独自のファンやコミュニティを持つインフルエンサーの活用が注目されているのです。
オウンドメディアでの、インフルエンサーの活用方法と注意点
オウンドメディアでインフルエンサーを活用する場合、インフルエンサーに製品利用の感想をインタビューする、インフルエンサーが抱く企業へのイメージを掲載するといった方法が考えられます。自社のオウンドメディアにインフルエンサーを登用することで、インフルエンサーの持つファンやコミュニティに、オウンドメディアの存在を知ってもらうことを狙うのです。
ただし、インフルエンサーマーケティングをオウンドメディアで行う際には、インフルエンサーとのコミュニケーションや、インフルエンサーが関与するコンテンツ制作ばかりに、時間やコストをかけすぎないように注意することが必要です。それ以外の一般コンテンツに対するクオリティが、対照的に低くなってしまうようであれば、インバウンドマーケティング全体としての成功につながりません。
インフルエンサーとの相乗効果を得るためにも、一般コンテンツ制作にも十分力を入れていきましょう。
まとめ
近年、SNSの普及により、インフルエンサーの影響力が急速に高まっています。BtoBにおいても、インフルエンサーを活用したマーケティングは有効であるため、BtoB企業でも自社マーケティングに、インフルエンサーの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
また、本記事で触れたように、インフルエンサーをインバウンドマーケティングに活用することで、オウンドメディアにも改めて注目が集まっています。ただし、インフルエンサーの活用に注力するあまり、インフルエンサーが関わっていない一般コンテンツの制作が疎かにならないように注意することが必要です。
メディックスでは、オウンドメディアに必要なコンテンツ制作のサービスも提供しています。オウンドメディアにインフルエンサーマーケティングを導入する上で、一般コンテンツの制作にお困りが生じましたら、お気軽にお声がけください。