これまで展示会やダイレクトメールなどのアナログ寄りであったBtoBマーケティング手法が、デジタル化の波により、検索エンジンやSNSなどのデジタル手法へと変化してきています。サービスや製品を導入する企業も、展示会やセミナーなどのオフラインだけではなく、オンラインを通して情報収集をするのが一般的になってきました。
これからもデジタル化の波は進むと予想される状況で、BtoBマーケティング担当者は、デジタルマーケティングも考慮した戦略を立てなければなりません。中には、マーケティング戦略を見直すために「ほかのBtoB企業のマーケティング施策を参考にしたい」と考えている担当者もいるのではないでしょうか。
そこで、BtoBマーケティングの知識を組織的に保有するメディックスでは、BtoBマーケティングにおいて、企業がどのような実務を行っているのかを明らかにすべく、BtoB企業のマーケティング業務関連者に対してアンケート調査を実施しました。
本記事では、実施したアンケート調査の抜粋版として「マーケティング業務を行う人数」や「年間マーケティング予算」「現在実施しているマーケティング施策」などについて解説します(全調査版は下記よりダウンロードできます)。
※【2021年版】SaaS BtoBマーケティング担当者アンケート調査結果は、こちらからダウンロードいただけます。
※【2021年版】非SaaS BtoBマーケティング担当者アンケート調査結果は、こちらからダウンロードいただけます。
今後の業務の参考にしていただけますと幸いです。
目次
調査概要
『2020年度版BtoBマーケティングアンケート調査』実施においての概要は、下記のとおりです。
調査対象:自社のマーケティングに関与した方
調査方法:インターネット調査
回答数:515名
調査期間:2019年11月7日~2019年11月10日
調査結果のサマリー
1.マーケティング業務を行う人数(チーム体制)
アンケートでは、対象者が所属する企業・団体において、マーケティング業務を行う人数(チーム体制)についての回答を求めました(下図参照)。
■マーケティング業務を行う人数(チーム体制)
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全体的にみると、「特にいない/決まっていない」の割合が高く、「6人~10人」と回答する企業も比較的多いことがわかります。
売上規模ごとにみていくと、売上が100億円未満の企業では、「特にいない/決まっていない」の割合が20%を超えるのに対し、売上100億円以上の企業では「特にいない/決まっていない」の割合が10%を下回りました。
売上が1,000億円以上の企業では、マーケティング業務を行う人数も多くなる傾向にあり、「26人以上」の割合は48%と約半数を占めています。
売上が多ければ多いほど、マーケティング業務を行う人数も増えることがわかりました。
2.マーケティング業務に対する評価基準
マーケティング業務に対する評価基準も把握しておきたいところです。
■マーケティング業務に対する評価基準(複数回答)
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調査の結果、どの売上規模の企業でも割合が最も高い回答は、「マーケティング施策経由の受注金額」となりました。次に、「案件受注件数」、「案件化数」と続きます。
また、売上10億円未満の企業に比べて、売上10億円以上の企業では、「ROI(投資対効果)」を評価基準とする割合が高く、30%を超えることがわかりました。
3.年間マーケティング予算と、Webマーケティングが占める割合
年間マーケティング予算については、売上規模によって大きな差が出る結果となりました(下図参照)。
■年間マーケティング予算
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売上1億円未満の企業では「マーケティング予算50万円未満」、売上1,000億円以上の企業では「マーケティング予算1億円以上」が最も多く、売上規模に比例してマーケティング予算も増えていることがわかります。
昨対予算については、全体的に「横ばい」が最も多くなりましたが、売上1億円未満の企業ではほかの売上規模の企業よりも「減少」と答えた割合が多い結果となりました(下図参照)。
■年間マーケティング予算の昨対比率
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年間マーケティング予算のうち、Webマーケティング予算が占める割合についても調査しており、こちらも興味深い調査結果が出ています(下図参照)。
■年間マーケティング予算のうち、Webマーケティング予算が占める割合
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全体数値をみると、「年間マーケティング予算の25%未満がWebマーケティング予算である」と回答している企業は3割を超えました。
特に、売上1億円未満の企業では、5割を超える企業が「25%未満」と答えています。
4.マーケティング業務に関する情報収集源
マーケティング業務に関する情報収集源についてもチェックしていきましょう。
全体数値では、情報収集源として「マーケティング系Webメディア」「ビジネス系Webメディア」「展示会・イベント」の3つから情報収集をする割合が高いことがわかります(下図参照)。
■マーケティング業務に関する情報収集源(複数回答)
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ただし、売上規模が小さい企業は「知人に聞く」「知人からの紹介」が多く、売上規模が大きな企業は「広告代理店」や「新聞」の割合が増加する傾向にあります。
全調査版では、マーケティング業務において実際に閲覧するWebメディアなど、さらに深掘りした内容を紹介しています。
5.現在実施しているマーケティング施策
現在実施しているマーケティング施策においては、全体数値で「Web広告」の割合が最も高く、次に「展示会・イベント出展」、「SNS運用」と続いています(下図参照)。
■現在実施しているマーケティング施策(複数回答)
(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)
売上規模ごとの調査結果もみていきましょう。
売上100億円未満の企業では「Web広告」の割合が最も高くなりますが、100億円~1,000億円未満の企業では「展示会・イベント」の割合が高くなりました。
売上1,000億円以上の企業になると「テレビCM」の割合が、ほかの売上規模の企業と比較すると高くなっています。その反面、「SNS運用」の割合はほかの売上規模の企業と比べて低いことがわかりました。
全調査版では、現在実施しているマーケティング施策のほかに、「今後、新たに実施予定の施策」や「今後実施しない/予算を削減する施策」についても紹介しています。
6.現在実施しているWebマーケティング施策
Webマーケティングに絞った結果では、売上規模に関わらず「Webサイトの拡充」の割合が最も高く、次に「アクセス解析」、「SEO」、「SNS広告」と続きます(下図参照)。
■現在実施しているWebマーケティング施策(複数回答)
(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)
売上規模ごとに見ていくと、大きな差異が見られたのは、「リスティング広告」「動画広告」「導入事例の拡充」「セミナー開催」の4つで、売上規模に比例して実施している企業の割合が増加していることがわかりました。
全調査版では、Webマーケティングについて、現在実施している施策のほかに、「今後、新たに実施予定の施策」や「今後実施しない/予算を削減する施策」についても紹介しています。
7.マーケティング施策全体における課題
マーケティング施策全体における課題としては、売上規模に関わらず「費用対効果が見えづらい」の割合が最も高くなりました(下図参照)。
■マーケティング施策全体における課題(複数回答)
(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)
売上10億円~1,000億円未満の企業では、「営業のフォロー漏れが多い」「社内連携ができていない」「戦略立案・プランニングができていない」など、ほかの売上規模の企業と比較して10ポイント以上高い項目が多く挙げられました。
全調査版では、マーケティング施策全体における課題のほかに、「プランニング」や「集客施策」「コンテンツ制作」「マーケティングオートメーションツールの活用」「アクセス解析」における課題について、それぞれ紹介しています。
まとめ
BtoBマーケティング戦略を見直すために、ほかの企業のマーケティング施策を参考にするのは、有効な手段といえるでしょう。今回実施したアンケート調査では、どの企業でも共通しているマーケティング施策や、企業の売上規模によって変わる課題などを明らかにすることができました。
全調査版では、ほかにも
・マーケティング施策を実施する上で業務を外注している外注先と外注先に求めること
・マーケティング業務に関して閲覧するWebメディア
・今後、実施予定のマーケティング施策
・注目施策(ブランディング、動画、ABM)の実施状況
・各種課題
・マーケティングKPI
など、さらに深堀りした調査結果を紹介しています。
※【2021年版】SaaS BtoBマーケティング担当者アンケート調査結果は、こちらからダウンロードいただけます。
※【2021年版】非SaaS BtoBマーケティング担当者アンケート調査結果は、こちらからダウンロードいただけます。
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デジタルマーケティングの効果を最大化するためには、あらゆるデータを活用し、改善のための「正しい」打ち手を講じていくことが必要不可欠です。
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