「BtoBマーケティングを進めるにあたって、顧客の購買プロセスが知りたい」
「BtoBの購買プロセスでは、具体的に何が重要になるのか?」
BtoB企業のマーケティング担当者の中には、このような疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか?
具体的な施策を検討するにあたって、BtoBの購買プロセスや特長を理解することは非常に重要です。また、どのような施策が有効なのかも、把握しておかなければなりません。
そこで本記事では、BtoBマーケティングにおける顧客の購買プロセスの進め方や、具体的な方法などを詳しく解説します。
目次
BtoBマーケティングにおける顧客の購買プロセス
これまでは、テレアポや展示会で見込み顧客を獲得し、営業が定期的に情報提供を行って受注につなげる流れが一般的でした。しかし、現在は、従来のプロセスと異なり、次のようなプロセスが主流です。
1.オウンドメディアやオンライン広告、マス広告で自社を認知してもらう
2.ホワイトペーパーやメルマガ、ウェビナーなどにより自社製品に興味を持ってもらう
3.相談会やデモの提供などにより検討の土台に上げてもらう
4.商談・受注
つまり現在では、こちらから営業をして情報を与えるのではなく、見込み顧客が自らオンラインで情報収集をするようになっています。このことから、見込み顧客が「いつ」「どこで」「どんな情報」を探しているのかを、よく検討しなければなりません。
BtoBで重要な3つの特長
BtoBマーケティングにおける顧客の購買プロセスを考えるにあたって、まずは、BtoBの特長について理解する必要があります。検討期間や検討ポイントなど、BtoBにはBtoCと違った特長があります。ここでは、特に重要な3つの特長を解説します。
1.購買の意思決定まで時間がかかる
BtoBには、BtoCと違って購買の検討時間が長いという特長があります。BtoBは組織で購買を決定し、課題の明確化や予算の確保、導入後の検証なども必要になるためです。
製品やサービスにもよりますが、一般的には、購買までに1~2年の期間を費やします。長ければ3年以上かかるケースもあるので、検討期間が長いことを踏まえた上で適切なマーケティング施策を考えることが重要です。
重要度や金額が高くなればなるほど、検討期間も長くなる傾向にあります。
2.多くの場合、利用者と購買者が異なる
BtoCでは、ほとんどの場合、商品の購買決定者と利用者が同じです。しかし、BtoBでは多くの場合、利用者と購買者が異なります。BtoBでは、購買を決定するまで複数の人数が関与しているのが理由です。個人ではなく組織で購買を決定するため、購買プロセスに関与する「担当者」と製品やサービスを利用する「利用者」が異なってしまうケースが多々あります。
また、利用者が組織内にいることもあれば、組織外にいる場合、つまり顧客の顧客が利用者である可能性も考えられます。個人ではなく、組織で商品やサービスの購買を決定するという事実は、BtoBで忘れてはいけないポイントです。
3.合理的な情報を示すことが必要
前項で述べたように、BtoBでは購買の決定に複数の人数が関与しています。購買を推進する担当者だけではなく、経営層や予算の責任者、サービスを利用する部署の代表など、購買を決定するまでに多くの人を納得させなければなりません。
またBtoBでは、BtoCと違って検討時に重要視するポイントも違います。BtoCでは、感情や好き嫌いといった気持ちが優先されて購買が決定されるのに対して、BtoBで重要視されるポイントは、かけるコスト以上の利益が出せるかどうかです。つまり、BtoBでは投資対効果が購買決定のポイントになります。
複数の人を納得させる必要があり、投資対効果が重要であることから、BtoBマーケティングでは、合理的な情報を示すことが必要です。具体的な戦略として、製品パンフレットの作成や導入事例・実績の提示などが挙げられます。
BtoBマーケティングの具体的な進め方
見込み顧客が自ら情報収集をするのが主流になっている現在、実際にはどのようなプロセスを踏んでいけば良いのでしょうか。BtoBマーケティングのプロセスは、次の5つの段階に分類できます。
1.リードジェネレーション
2.リードナーチャリング
3.リードクオリフィケーション
4.訪問・提案
5.アフターフォロー
これをプロセスごとに有効な施策と一緒にまとめたのが下図です。
■BtoBマーケティングにおけるプロセスごとの有効な施策
次に、各項目について詳しく解説します。
1.リードジェネレーション
「リードジェネレーション」を日本語に訳すと、見込み顧客の獲得という意味になります。展示会やセミナー、オウンドメディアの運営などを行い、見込み顧客を獲得するプロセスです。
営業活動の入り口となる重要なプロセスで、自社が求めている見込み顧客のイメージに合わせて、最適な手法を考える必要があります。また、KPIの設定や的確な情報を届けるためのペルソナ設定なども、成功のための重要要素です。
2.リードナーチャリング
リードジェネレーションで獲得した見込み顧客の検討度合いを高めていくプロセスが「リードナーチャリング」です。リードナーチャリングでは、見込み顧客と中長期的に信頼関係を築いていく必要があります。
BtoBマーケティングにおいて、リードナーチャリングは非常に重要なプロセスといわれています。なぜなら、BtoBはBtoCに比べて、購買決定までの検討期間が長いためです。
リードナーチャリングの具体的な施策として挙げられるのは、コラムやE-bookなどのナーチャリングコンテンツの作成、メールやセミナー、インサイドセールスなどによるフォローアップです。
獲得した見込み顧客を、しっかりと取引まで持っていくためには、リードナーチャリングが欠かせません。
3.リードクオリフィケーション
リードナーチャリングによって顕在化した見込み顧客の中から、さらに購買可能性の高い見込み顧客を選別することを「リードクオリフィケーション」といいます。リードクオリフィケーションでは、問い合わせや資料ダウンロードなどアクションのあった見込み顧客に対して、個別にコンタクトをとり、商品購買のネックになっているポイントや、興味関心の度合いなどを調べます。
メールや電話などでコンタクトを取り、より具体的に見込み顧客の課題を把握したり、アクションに応じてスコアリングをしていくことで見込み顧客の選別が可能です。リードクオリフィケーションは、営業部門へ引き渡す前の最後の段階なので、マーケティングのプロセスの中では最重要といわれることもあります。
4.訪問・提案
「訪問や提案」では、リードクオリフィケーションにより選別された顧客に対して、クロージング活動を行っていきます。これまでのリードクオリフィケーションやリードナーチャリングに比べ、顧客の状況に応じて複雑な悩みに対するアプローチや臨機応変な対応をします。
これまでのプロセスは潜在顧客を含めたアプローチでしたが、訪問や提案は顕在顧客のみが対象となります。訪問や提案をすることで、商品の購買やサービスの受注へ至ります。
5.アフターフォロー
最後のプロセスが「アフターフォロー」です。アフターフォローを徹底的に行うことで、既存顧客からの収益増加や、顧客の満足度向上を狙えます。サブスクリプションモデルを採用していれば、契約の解約率も低下させることが可能です。
アフターフォローに利用できる施策として、コラムやブログの運営、メールマガジンの配信、勉強会や説明会の開催などが挙げられます。アフターフォローを徹底して、売りっぱなしを防ぎ、契約の継続やクロスセル・アップセルにつなげる意識が重要です。
BtoB企業においても、デジタル施策が重要
ここまで解説してきたBtoBマーケティングのプロセスを見てもわかるように、BtoB企業においても、オウンドメディア運営やSNS広告、E-bookなどのデジタル施策は重要です。
見込み顧客の獲得からアフターフォローまで持っていくためには、プロセスの管理やコンテンツの適正な配置、見込み顧客の態度変容の観察などを正しく行っていく必要があります。このような複雑なタスクを効率よく、正確に進めるためにおすすめなのが、マーケティングオートメーション(以下、MA)ツールの導入です。
MAツールとは、リードスコアリングや自動メルマガ配信、キャンペーン管理などのマーケティングに関する機能を統合したシステムのことです。MAツールを導入すれば、これまで人手を使ってコストや時間をかけていた業務や処理を自動化して、効率を高められます。
メリットとして挙げられるのは、自動化による生産性向上や、マーケティング効果の可視化などです。これらのメリットにより、商談数の増加やマーケティングコストの削減などが期待できます。
まとめ
本記事では、BtoBマーケティングにおける顧客の購買プロセスの進め方や具体的な方法などを解説してきました。
現在は、こちらから営業をして情報を与えるのではなく、見込み顧客が自らオンラインで情報収集をするようになっています。特にBtoBでは、購買プロセスが長期化・複雑化する傾向にあることから、より効率的にマーケティング施策を実行するためにも、MAツールは有効でしょう。
メディックスでは、MAツールの導入や運用支援、シナリオ設計など、BtoBに特化しデジタルマーケティングに関するサポートを行っています。そのほか、Web広告などの集客施策、サイト制作や解析など、クライアントの成長フェーズに応じて適切なソリューションを提供可能です。
BtoBマーケティングの改善に課題をお持ちでしたら、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。