「ウェビナーと、実際に会場で開催するセミナーは、どう違うの?」
「BtoBビジネスでもウェビナーは、効果的な施策なの?」
「ウェビナーに取り組む際の注意点は?」
近年、注目を集めているデジタルマーケティング手法の1つで、特にBtoB企業のマーケティング活動で積極的に採用されているウェビナー。実際に自社でも取り組んでみたいと考えている方のなかには、このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?
本コラムでは、ウェビナーの概要、BtoBマーケティングで活用が進む4つの理由。そして、実際に取り組む際の注意点として、配信システムの選び方についてを紹介します。
目次
ウェビナーとは?配信方法の違いと、それぞれのメリット
ウェビナー(Webinar)とは、ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を掛け合わせた造語で、Web上でセミナーの配信を行うことをいいます。オンラインセミナー、インターネットセミナー、Webセミナーなどと呼ばれることもあり、近年よく耳にする言葉となりました。
配信方法には、「リアルタイム配信」と「録画配信」の2種類があります。
1.リアルタイム配信
撮影した内容をリアルタイムで配信する方法。リアルタイム配信には、一方的に配信する「一方向配信」と、チャットやコメント機能を活用して双方向のコミュニケーションやリアルタイムでの質疑応答が可能な「双方向配信」の2パターンの配信方法があります。後者の場合、視聴者の反応を見ながらセミナーを進めることができるといったメリットがあります。
2.録画配信
事前に収録した内容を後日配信する方法。録画後にスライドや音声の修正・編集を行うことで、より視聴効果の高い内容を配信することが可能です。また、視聴者は、場所や時間を選ばず視聴できるため、より多くの方に見てもらいやすくなるといったメリットがあります。
ウェビナーとオフラインセミナーの違いについて
ウェビナーに取り組んでみたいと考えている方のなかには、従来の実際に会場で開催するオフラインセミナーと比較して、「それぞれにどんな特長があるのか?」「どういった違いがあるのか?」が、わからないという方も多いでしょう。
次の表で、それぞれの違いをまとめていますので、参考にしてください。
■ウェビナーとオフラインセミナーの違い
ウェビナー | オフラインセミナー | |
集客 | ・場所を選ばず視聴できるため、視聴対象者や集客人数に制限がない | ・視聴対象者は、セミナーの開催地近郊に限定される ・集客人数は、会場の収容人数内という制限がある |
開催コスト | ・ネット環境で配信するため、会場費や講師の移動、宿泊費がかからない ・配信プラットフォームやカメラといった設備・機材費がかかる |
・会場費や講師の移動、宿泊費がかかる ・当日、資料やノベルティを配布する場合は、印刷費、制作費などがかかる |
準備・運営 | ・会場の手配が必要ないので、日程調整がしやすい ・当日の受付や資料配布などが必要ないので、少人数で運営できる ・配信トラブルがないように、事前のチェックが必要になる |
・会場の手配が必要になるため、早めに日程調整を行う必要がある ・当日の受付や資料配布、撤去などに必要な運営スタッフを確保する必要がある |
この表からもわかるとおり、ウェビナーを活用することで、より効率的にセミナー集客・運営が可能になります。
従来型のオフラインセミナーの場合には、より多くの対象者に情報を伝えるためには、ある程度の大きさの会場を借りて、複数回あるいは複数地域でセミナーを実施する必要がありました。しかし、ウェビナーを活用すれば、社内の会議室などで撮影した内容を、日本全国の対象者へ同時に配信することが可能です。
BtoBマーケティングで活用が進む4つの理由
それではBtoBマーケティングにおいて、ウェビナーの活用が進む理由はなんでしょうか。大きく分けて次の4つの理由があります。
1.複数データの取得が可能
2.人的リソースの不足を補える
3.ナーチャリングコンテンツとしての活用が可能
4.地方アプローチの負荷が減る
次でこれらの理由について詳しく説明していきます。
1.複数データの取得が可能
商材単価が高いことや、購買に至るまでに複数の人物が関与するBtoB商材では、購買までのプロセスが長期化しやすい傾向にあります。そのため、初回アプローチ後も見込み顧客に対して、定期的な情報提供が必要になります。そこで、セミナーの開催をとおして、受講者が、どのようなコンテンツに興味があるのか?どのような課題を抱えているのか?といった、受講者ごとの情報ニーズが取得できれば、今後のマーケティング活動に活かすことができるでしょう。
ウェビナーでは、「セミナー視聴者情報(名刺情報)」「視聴データ」「アンケートデータ」などの取得が可能です。
例えば、セミナー後のフォローに必要なデータ(氏名や会社名などの名刺情報)を、セミナーの登録フォームから入力してもらうことで、新規リードを有効リードとして可視化することができます。また、入力項目として部署名や役職などを設定すれば、既存リードの部署や役職の変更をキャッチアップすることもできるでしょう。そのほか、ウェビナー終了後にアンケートを実施することで、セミナーの評価や商品の検討状況など幅広い情報を収集することができます。
2.人的リソースの不足を補える
BtoB企業におけるマーケティング活動はここ数年で、日本企業に広まり、組み込まれるようになってきました。しかし、歴史としては浅く、「マーケティング部として確立した部署があるものの人数が少ない」「専門の部署がなく、営業部や広報部の業務のなかに組み込まれている」といった場合も多くあります。
ウェビナーはオフラインセミナーと比べ、準備や運営に必要な人員が少ない傾向にあるため、人的リソース不足の解決策としても有効です。ウェビナーの種類にもよりますが、一般的なパワーポイントを使用して講演を行うセミナーでは、パワーポイントと講演者のみでセミナーを配信することが可能です。このように会場準備や資料の準備が必要ないため、人的リソースが足りず、オフラインセミナーまで手が回らない…という状況でも活用することができます。
3.ナーチャリングコンテンツとしての活用が可能
BoBマーケティングでは、中長期的なナーチャリング活動をする必要があります。そして、多くのマーケティング担当の課題として挙がるものの1つは、ナーチャリングコンテンツの不足です。展示会出展やWebサイトの更新業務に追われ、ハウスリストに向けたコンテンツ制作までは手が回らないという場合も多いでしょう。
このような課題を解決する1つの方法として、ウェビナーでのリアルタイム配信後に、同じ内容をナーチャリングコンテンツとして、オンデマンド配信するといった方法があります。新規でコンテンツを制作する必要がないため、ほかの業務で時間がない場合にも取り組みやすいでしょう。また、オンデマンド配信は、視聴者が場所や時間を選ばず視聴できるため、より多くの方に見てもらいやすくなる。そして、時間とコストをかけて開催したウェビナーを有効活用できるといったメリットもあります。
4.地方アプローチの負荷が減る
従来型のオフラインセミナーの場合には、より多くの対象者に情報を伝えるためには、複数回あるいは複数地域でセミナーを実施する必要がありました。特にターゲット母数が少ないBtoB分野では、東京以外でのセミナー開催も重要です。しかし、どの企業も全国に支社があり、各地で定期的にセミナーを開催できるわけではありません。
そこで、顧客企業の所在地にかかわらず、セミナーを受講してもらえるウェビナーが有効な解決策になります。ウェビナーなら、会場費や講師の移動、宿泊費なしで、全国にセミナー内容を配信することができます。また、オフラインセミナーの場合、会場までの移動にかかる時間やコスト、ほかの業務の調整などが課題となり、地方から東京のセミナーに参加するのは、参加者側の負荷がとても大きくなっていました。ウェビナーであれば、この課題も解決でき、参加者にとってもメリットがあります。
配信システムを選択する際のポイント
最後に、ウェビナーの配信システムを選択する際のポイントを紹介します。
一口にウェビナーの配信システムといっても、システムごとに搭載している機能は様々です。そこで、数あるシステムのなかから最適なシステムを選定するためには、自社が必要としている機能を搭載したシステムかどうかを見極めることが重要です。
例えば、セミナーの視聴結果を次回以降のマーケティング施策に活用したり、既存のリストに対するナーチャリングコンテンツとしてウェビナーを活用したいという場合には、前述の「アンケートデータの取得機能」や「オンデマンド配信機能」を搭載しているシステムが必要になります。これらの機能を搭載していないシステムの場合には、ウェビナーを配信したが、「どのような人が」「どのくらい視聴したのか」などのデータが取得できず、次回以降の改善につなげることが難しい場合や、ウェビナーに申し込みはしたが、配信当日に視聴できなかった顧客をフォローする機会を失ってしまう可能性があります。
そのほか、「参加者への参加案内機能」「資料配布機能」「個別質問機能」など便利な機能がいろいろあるので、自社の目的に合わせて必要な機能を搭載しているシステムを選択しましょう。
まとめ
ウェビナーは、オフラインセミナーをWeb上で配信できるという利点だけでなく、本コラムで述べたようなマーケティングのデータ活用にも有効な施策です。この機会にウェビナーという新しいマーケティング手法に挑戦してみてはいかがでしょうか。
メディックスでは、Web広告をはじめとした集客支援からナーチャリングに必要なコンテンツ制作まで、幅広くマーケティングのお手伝いが可能です。お気軽にご相談ください。