「BtoBサイトはどうすれば成功するの?」
「BtoBサイトの失敗例を見て対策を立てたい」
BtoB企業のマーケティング担当者の中には、このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
BtoBサイトは、上手く設計し、活用すれば、大きな利益をもたらしてくれるツールです。
一方で、設計や活用の方法がわからなければ、高い金額を投資しても思うような効果が出ない可能性があります。
BtoBサイトの制作やリニューアルを成功させるためには、まずは代表的な失敗例をチェックし、その失敗を避けるための対策を立てながら、慎重にサイト設計を検討していかなければなりません。
本記事では、BtoBサイトの失敗例8つと、その対策方法を紹介します。また、制作会社選びの注意点も解説しているので、参考にしてください。
目次
BtoBサイトの制作・リニューアルは、目的から逆算する
企業としてサイトを運営する場合、BtoBサイトの制作やリニューアルの最終的な目的は、「自社の利益につなげること」です。
そのため、BtoBサイトを成功させるためには、「どうすれば自社の利益につながるか」という観点から逆算して、サイトを設計していかなければなりません。
予算をかけてサイトを制作・リニューアルしても、そこから利益が発生しなければ、無駄なコストをかけたことになります。
サイトの制作やリニューアルで、自社の利益を上げたいのであれば、集客力を向上し、わかりやすく自社のメッセージを伝え、問い合わせなどの成果につなげるような設計が必要不可欠です。
一方で、次のような考えで制作やリニューアルをすると失敗する可能性は高くなります。
・デザインが古いから、なんとなく今風にしたい
・そもそも現在の課題がわかっていない
・制作やリニューアルそのものが、目的になっている
このような考えでのサイト制作やリニューアルは、「自社の利益につなげる」という目的から逆算して計画を立てていることにはなりません。
制作やリニューアルに着手する前に、改めて最終的な目的や課題を見直しておくことが重要です。
BtoBサイトの制作・リニューアルにおける8つの失敗例
BtoBサイトの制作やリニューアルを成功させるには、代表的な失敗例を避けることが重要です。
BtoBサイトの制作やリニューアルにおける8つの失敗例を確認しておきましょう。
1.目標が定まっていない
BtoBサイトの制作やリニューアルで失敗する代表的な要因の1つが、目標が定まっていないことです。
BtoBサイトの制作を外部に委託する場合の費用は、企業規模にもよりますが、小規模企業でも40万円程度かかります。複雑で規模の大きいサイトであれば、数百万円以上の制作費用を請求されることも珍しくありません。
目標を定めていなければ、この数十万円以上の費用は、無駄になる可能性があるので注意が必要です。
投資した額以上のリターンを得るためにも、サイトを制作・リニューアルすることによって、どのような結果が欲しいのか、目標を明確にしましょう。
例えば、現状で新規顧客の獲得に課題がある場合、
・自社製品やサービスの認知拡大
・問い合わせの増加
が、サイトを運営する上での目標になるかもしれません。
このような目標があれば、KPIに訪問数やCV率を定めることができ、その定まったKPIをもとに、達成に向けたサイト制作に取り組むことができます。
2.ユーザにとって重要なコンテンツへの導線がわかりにくい
BtoBサイトに訪問するユーザは多くの場合、
・導入事例をみたい
・詳細な料金プランが知りたい
・資料請求がしたい
といった目的を持っています。
しかし、そのようなユーザが求めているページへの導線が複雑であれば、BtoBサイトの役割を果たすのは困難です。
目的の情報に辿り着くまでに、何回もスクロールやクリックをする必要があるサイトは、ユーザビリティがいいとは言えず、ユーザは離れていきます。
また、企業目線の「見せたいコンテンツ」ではなく、ユーザ目線での「必要なコンテンツ」を見極めなければなりません。
ユーザの求めているものや行動を考え、それを経路に落とし込むのが導線設計の第一歩です。
サイドメニューやフッターメニューなどのナビゲーションを効果的に活用し、ランディングページには、コンテンツの場所がすぐにわかる標識となるものを配置するようにしましょう。
さらに、1度サイトを制作したら終わりではなく、実際のユーザの動きを分析することも重要です。ユーザの実際の動きを分析すれば、導線やユーザビリティの改善を繰り返しできます。
3.デザインにこだわりすぎる
デザインにこだわりすぎて、かえってユーザを困らせてしまうケースもあります。
デザインを重視しすぎた結果、英語表記が多くなったり、アニメーションが長すぎたりするのは、企業目線の自己満足といっても過言ではありません。
BtoBサイトのデザインは複雑にしすぎると、文章が読みにくくなったり、動作が重くなったりします。
デザインにこだわるときは、
・ユーザが読みやすいか
・ユーザの目的が達成しやすいか
・ページがすぐに表示されるか
・モバイル端末でも適切に表示されるか
などのユーザビリティを考えることが重要です。
ユーザビリティが考えられたデザインが実現できると、CV率や問い合わせの質の向上にもつながります。
「このデザインはユーザが求めているか」を常に検討して設計していきましょう。
4.SEO対策がされていない
インターネット上にBtoBサイトを公開するのであれば、重視しておきたいのがSEO対策です。
SEO対策とは簡単にいうと「検索エンジンで上位表示されるために必要な対策」で、サイトにSEO対策を施していなければ、検索エンジンでキーワード検索をしても検索結果に自社サイトが表示されなくなります。
「制作会社に丸投げしておけば大丈夫だろう」と考える企業もありますが、適切なHTMLマークアップや内部リンクの調整など、SEO対策の知識がないWeb制作会社は少なくありません。
特に、「企業名」と「サービス名」で自社サイトが上位に表示されないのは致命的です。せっかく認知してもらって、検索エンジンで指名検索されても、上位表示されなければ、ユーザが自社サイトに辿り着けなくなります。
代わりに、上位表示されている競合企業サイトへ顧客が流れる恐れもあるので、サイト制作・リニューアルでは、SEO対策は特に注力しておきたい分野です。
外部にサイト制作やリニューアルを依頼するときは、SEO対策の実績を持っているか?も確認しておきましょう。
5.競合サイトの真似をしてしまう
「競合企業であるA社のようなサイトが欲しい」と言えば、イメージどおりのサイトが制作されるかもしれません。しかし、競合との違いを明確に打ち出さなければ、ユーザは知名度や価格だけで製品・サービスを選んでしまい、自社を選んでくれる可能性は低くなります。
競合サイトに負けないためにも、自社サイトならではの差別化が必要です。
BtoBサイトの差別化ですが、なによりも重要なのは、自社製品・サービスの特長や独自性を明確にすることです。価格やサービス、オリジナリティなど、競合他社に負けない強みがある場合は、その「差別化ポイントをサイトに掲載する」ようにしましょう。
ほかにも、
・サイトテーマやブランドイメージへのコンセプトを明確にする
・選ばれる理由を逆算してアピールする
・ユーザの動向・効果測定を繰り返し磨いていく
などの方法で、競合サイトとの差別化を図れます。
数あるサイトの中から自社の製品やサービスを選んでもらうためにも、競合サイトの真似はしすぎず、自社独自のサイト設計を心がけましょう。
6.ターゲットとなる顧客を、明確化できていない
多くのユーザが訪問して高いCV率を叩き出すようなサイトは、どのような顧客がユーザとして訪問するかを明確にしています。
反対に、ターゲットとなる顧客を明確化できなければ、サイトの方向性や作るべきコンテンツを固めることができず、訪問率やCV率の向上は見込めません。
ターゲットとなる顧客を明確化させるためにも「ペルソナ作成」を実施し、ターゲット顧客が、サイトのどこに興味を持ち、どのように行動するか、をあらかじめシミュレートしておきましょう。
細かなペルソナを作成しておけば、BtoBサイト制作でも勘や憶測を排除した適切な判断が可能になり、コンテンツ制作も早い段階で方向性が定まります。
結果的にユーザに興味を持ってもらい、離脱を防ぐサイトの制作が可能です。
7.運用することを考えていない
BtoBサイトの制作を検討している企業の中には、「サイトさえ制作してしまえば、あとは放置しておくだけで利益が上がる」と考えている企業もあります。しかし、そのような考えでは、失敗する可能性は非常に高いといえるでしょう。
BtoBサイトを通して新規顧客の獲得や認知度の拡大を狙っていくためには、目的や目標を達成するために、常にWebサイトの現状把握や改善が必要です。
特に、BtoBサイトの場合は
・導入事例
・よくある質問
・ホワイトペーパーの追加や削除
などを、継続的に更新していく必要があります。
BtoBサイトの制作やリニューアルを検討している企業は、制作だけではなく、制作後の運用についても正しい計画が必要です。
ただし、これらの運用作業を制作会社にすべて委託しなければならない仕様にしてしまうと、細かいノウハウが社内にたまりづらくなり、売上規模が上がれば上がるほど、自社での運用に切りかえづらくなっていきます。プロに任せるべき個所とそうでない個所を見極めて、サイト運用をしていくことが大事です。
8.トップページのファーストビューに、重要なコンテンツがない
BtoBサイトのトップページのファーストビューは、企業名、サービス名で検索したユーザが一番初めに見るエリアです。ファーストビューは、雑誌なら「表紙」のようなものなので、ほんの数秒でユーザに興味を持ってもらう工夫をしなければなりません。
ユーザの離脱率を防ぎ、興味を持ってもらうためにも、ファーストビューには重要なコンテンツを掲載するようにしましょう。
中には、企業理念やメッセージが伝わらないコピーを掲載している企業も存在しますが、ユーザは、「〇〇社は企業理念がいいから」という理由で、その会社を選ぶことは少ないでしょう。
・何をしている会社なのか
・問い合わせへの導線
・資料ダウンロードページの導線
を設置し、ユーザに優しいサイト設計を意識しましょう。
また、画像のサイズや解像度、どこまでの範囲がユーザに見えているかなど、デザインも考えておく必要があります。
ターゲットに刺さるファーストビュー作りは、特に重要なプロセスです。
BtoBサイトの制作会社選びの注意点
ホームページやサイトの制作を請け負っている会社は多くありますが、BtoBサイトの制作では、どのような会社を選べばよいのでしょうか。
結論から述べると、BtoB業界の実績が豊富で、運用面も考えて制作してくれる制作会社に依頼するのがおすすめです。
特に、BtoB業界の実績が豊富な点は、制作会社選びでの大きなポイントになります。
BtoB企業と、BtoC企業のサイトでは、
・デザイン面やコンテンツ
・導線
・顧客対応の手間
など、あらゆる面で大きな違いがあるためです。
また、運用面でもサポートしてくれる制作会社を選ぶようにしましょう。
BtoBサイトは制作して終わりではなく、サイトから利益を生み出すために、制作したあとの運用がなによりも重要なためです。
サイト制作を依頼する会社を選ぶときは、
・上述した失敗例とその対策をおさえているか
・Web広告の運用支援やコンテンツ制作支援があるか
・各種解析ツール導入支援にも対応しているか
などのポイントを確認しておきましょう。
サイトは制作することが目的ではなく、集客してリードに転換させて初めて価値を生むものです。サイトの役割を認識した上で、制作会社選びを行いましょう。
まとめ
BtoBサイトを成功させるには、目標の明確化や、ユーザを考えたデザイン設計をしなければなりません。
目標が曖昧であったり、企業の自己満足で作ったサイトは、ユーザに興味を持ってもらえず、投資したコスト以上のリターンは得られなくなります。
サイト制作やリニューアルで失敗しないためにも、代表的な失敗例をしっかりと確認し、それらの対策を講じた上で設計を練っていきましょう。
また、サイト制作を外部に委託する場合は、BtoB業界の実績があり、運用面までサポートしてくれる会社を選ぶのがおすすめです。
メディックスでは、BtoB企業のサイト制作の実績を多く持ち、サイト制作後の運用支援も実施しています。
・カスタマージャーニー制作
・広告施策
・コンテンツ制作
・サイト解析
など、サイトの制作や運用における様々なサービスが提供可能です。
BtoBサイトの制作や運用でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。