テクノロジーの普及とともに、マーケティング活動は複雑化しました。顧客とのタッチポイントも多様化し、その行動も多岐にわたるようになった今、マーケティング全体を俯瞰した上で、実効性のともなったプランを策定することの重要性が増しています。そして、その具体的な手段として注目されているのが、カスタマージャーニーマップの作成です。
本コラムでは、そんなカスタマージャーニーマップ作成手順と、作成したマップを具体的なアクションへとつなげるためのポイントを解説します。
カスタマージャーニーマップの作り方
カスタマージャーニーマップは以下の3つのステップで作成します。
■Step.1:目的の明確化
カスタマージャーニーマップ作成の第一歩として、その目的を明確にしましょう。目的が明確になっていれば、今後のステップで検討することになるペルソナやフレームワークの選定がスムーズに進むはずです。
以下は、カスタマージャーニーマップを作成する目的の例です。
・顧客の行動を見直すことで、サービスの改善につなげたい
・新たに立ち上げるオウンドメディアの導線設計や集客戦略の基盤にしたい
・本格的にコンテンツマーケティングを始めるにあたり、コンテンツプランを検討するための材料にしたい
■Step.2:ペルソナの作成
カスタマージャーニーマップは、ペルソナごとに作成します。そのため、カスタマージャーニーマップ作成の前段階として、ペルソナを作成しましょう。
ペルソナの抽象度が高い場合、カスタマージャーニーマップの抽象度も高くなってしまうので、ペルソナはできる限り具体的に作成しましょう。顧客へのインタビューやアンケート調査などを行うことで、より詳細な情報が収集できます。
■Step.3:カスタマージャーニーマップの作成
作成したペルソナにもとづいて、カスタマージャーニーマップを作成しましょう。
以下は、弊社で使用しているカスタマージャーニーマップのフレームワークの一例です。
●フレームワークを決める
まずは、目的やペルソナにあったフレームワークを選択しましょう。はじめてカスタマージャーニーマップを作成する場合には、縦軸に「タッチポイント」「状況・行動」「マインド」「情報ニーズ」、横軸に「購買フェーズ」といった項目を設けた一般的なフレームワークが適しています。
●フレームワークをカスタマイズする
目的やペルソナによって、購買フェーズの段階や、可視化すべき要素は異なります。そのため、必要に応じて採用したフレームワークの項目をカスタマイズしましょう。
●各項目を埋めていく
縦軸と横軸の要素が決まったら、Step.1からStep.2で設定した情報をもとに、ペルソナの行動や思考をシミュレーションして、マップに落とし込んでいきます。
以上3つのステップで、カスタマージャーニーマップを作成することができます。
しかし、上記のステップで説明したとおり、カスタマージャーニーマップは、目的によって、ペルソナやフレームワーク、設定する項目が異なります。例えば、最終的な購買に至るプロセスに複数の人間が関わるような商材の場合には、必要に応じて複数人のペルソナを作成しましょう。また、BtoBの場合には、ペルソナが属する会社の社風や社内決裁の特長などが、ペルソナの思考や行動にも影響をおよぼすおそれがあることから、ペルソナ作成の前提として、ターゲット(会社)という広い括りで対象を明確化するステップを挟むことが有効です。
マーケティング施策に落とし込む方法
カスタマージャーニーマップが完成したら、施策を講じるためのアクションをプランニングしましょう。
単にカスタマージャーニーマップを作成しただけでは、成果につながりません。カスタマージャーニーマップにもとづいて、コンテンツ制作や広告配信といった具体的なマーケティング施策を講じてこそ成果につながります。
また、アクションプランの実行性を高めるためには、部署間を超えた社内連携も欠かせません。カスタマージャーニーマップで明確になったアクションプランは、必ずしもマーケティング担当者だけが実行するわけではないからです。成約に近い段階でのアクションは、営業が担うケースが多くなるでしょう。
とはいえ、いきなり他部署の協力を得るのは容易ではないでしょう。そこで、カスタマージャーニーマップの作成段階から関係部署のメンバーを巻き込んで、それぞれの知見を共有し協力体制を築き、認識を揃えておくことが大切になります。
部署間を越えて異なる視点を持つ関係者が集まることで、多角的な視点からマーケティング施策やコンテンツを生み出すことができるようになります。また、ディスカッションを通じて部署間を越えた関係者と共通認識を醸成できるため、お互いに協力関係が得やすくなりアクションプランの実行力が上がるでしょう。
まとめ
実行力のあるカスタマージャーニーマップを作成するには、他部署との連携が欠かせません。特に、BtoBの場合には、最終的な購買に至るまでのプロセスが長期化、複雑化する傾向があるため、マーケティングや営業のほかに、インサイドセールスや開発など、各部門の関係者に施策を理解してもらい、実行してもらうことが重要になります。