「Facebook広告のターゲティング精度を、さらに高めたい」
「特定の業界や職種・役職で、ターゲティングができると聞いたのでやってみたい」
このようにお考えのBtoBマーケティング担当者はいないでしょうか?
Facebookは周知のとおり、30代から40代以上を中心に、プライベートはもちろん、ビジネス上でのコミュニケーションツールとして活用されているSNSです。実名登録を基本とし、リアルな情報を有するFacebookは、広告においてもターゲティング精度が高いことが特長です。
しかし、BtoBにおいては、2017年に、利用者の勤務先の企業名や職種、役職などの登録情報が、ターゲティング条件(オーディエンスセグメント)から外されてしまったことで、Facebook広告で使えるターゲティング条件の選択肢が少なくなってしまいました。
このようななか、2022年6月に新たなオーディエンスセグメントが追加されたことで、BtoB商材に適したターゲティング条件の選択肢が広がることになりました。
そこで、本記事では、新たに追加されたオーディエンスセグメントの詳細や設定手順、活用方法などを紹介します。BtoB商材に適したターゲティングを実施し、Facebook広告の効果をさらに高めたいとお考えのBtoBマーケティング担当者は、ぜひ、参考にしてください。
目次
そもそもFacebook広告での職種・役職ターゲティングとは?
以前までは、Facebook広告のターゲット設定オプションを使用し、利用者が登録した職種や業種、役職などの情報に基づいて、次のように細かなターゲティングができました。
- 勤務先(例:株式会社●●で働いている)
- 役職(例:経営者、部長など)
ところが、2017年にプライバシーの保護を理由として、上記のようなターゲティングができなくなってしまったのです。そのため、メディックスが支援する一部のBtoB企業からも、「特定の業界や職種・役職によるターゲティングをおこないたい」という声が聞こえてくるようになりました。
そのような状況が続くなか、2022年6月のアップデートで、BtoB向けに活用できそうなオーディエンスセグメントが追加されたのです。どのような内容か、次章で詳しく紹介します。
2022年6月最新アップデート情報
今回のアップデートでは、新たに4つのBtoB向けオーディエンスセグメントが追加されました。ここでは、各セグメントの詳しい内容と、設定手順について紹介します。
1.ビジネスの意思決定者の役職および興味・関心
2.ビジネスの意思決定者
3.ITの意思決定者
4.新しいアクティブなビジネス
どのようなオーディエンスセグメントなのかを説明します。
1.ビジネスの意思決定者の役職および興味・関心
役職や投稿内容および興味・関心などの指標に基づいて、ビジネス分野の意思決定者だと思われる人を広告のターゲットにするBtoB向けのオーディエンスセグメントです。このセグメントでは、利用者の役職に加えて、興味・関心なども指標としているため、経営者だけではなく、経営に興味・関心のある利用者が含まれる可能性もあります。
2.ビジネスの意思決定者
役職に基づいて 、エンジニアリング・IT、運営、人事、戦略、マーケティングなどの分野の意思決定者を広告のターゲットにするオーディエンスセグメント。コンサルティングサービスやアウトソーシングサービスなど、業種や職種を問わず検討される商材を扱っている企業におすすめです。
3.ITの意思決定者
役職に基づいて 、IT分野の意思決定者を広告のターゲットにするオーディエンスセグメントです。セキュリティ対策製品など、情シスをはじめとしたIT担当者向けの商材を扱うBtoB企業に適しています。
4.新しいアクティブなビジネス
6ヵ月以内、12ヵ月以内、または24ヵ月以内に設立したエンゲージメントの高いビジネスの管理者を広告のターゲットにするオーディエンスセグメント。インターネット回線や電話回線など、会社・店舗設立時の法人、または個人事業主向けサービスを展開している企業におすすめです。
なお、各利用者が、どのオーディエンスセグメントに属するかは、次のFacebook独自の指標に基づき決定されます。
- クリックする広告
- やり取りをするページ
- デバイスの利用状況などに関連して利用者がFacebookで行うアクティビティ
- 年齢、性別、肩書き、所在地などの利用者データ
各オーディエンスセグメントの設定手順
続いて各オーディエンスセグメントの設定方法を順番に解説します。
「1.ビジネスの意思決定者の役職および興味・関心」「2.ビジネスの意思決定者」「3.ITの意思決定者」の設定手順
「意思決定者」をターゲットに設定する方法には、次の2つの方法があります。
方法1:ターゲットを絞り込んで設定する方法
方法2:検索窓に直接入力する方法
方法1:ターゲットを絞り込んで設定する方法
広告マネージャから広告セット作成に入り、ターゲット まで進んでから次の手順を踏んでください。
1.「詳細ターゲット設定」をクリックし、開いた検索窓の右端に表示される「参照」をさらにクリックします。
※検索窓に直接セグメントの名称を入力する方法もあります(後述の「方法2」で解説)。
2.「利用者層」>「職歴 」の順にクリックします。
3.「業界」をクリックするとセグメントが表示されるので、設定したいセグメントのチェックボックスにチェックを入れます。
方法2:検索窓に直接入力する方法
「方法1」の1.「詳細ターゲット設定」で開いた検索窓に、直接セグメントの名称を入力することも可能です。
例えば、「ビジネスの」と打ち込むと次のような候補が表示されるので、ここから設定したいセグメントを選ぶことができます。
「4.新しいアクティブなビジネス」の設定手順
広告マネージャから広告セット作成に入り、ターゲット まで進んでから次の手順を踏んでください。
1.「詳細ターゲット設定」をクリックし、開いた検索窓の右端に表示される「参照」をさらにクリックします。
2.「行動」>「デジタルアクティビティ」の順にクリックするとセグメントが表示されるので、設定したいセグメントのチェックボックスにチェックを入れます。
設定時の注意点と活用のヒント
今回、新たに追加された4つのオーディエンスセグメントのうち、「1.ビジネスの意思決定者の役職および興味・関心」「2.ビジネスの意思決定者」「3.ITの意思決定者」には重複する部分があります。
各オーディエンスセグメントの定義を図で表すと、次のようになります。
※上図は、オーディエンスセグメントの定義を簡易的に表したものです。オーディエンスの実際のボリュームや割合とは異なる点はご留意ください。
Facebook広告では、予算や自社の扱う商材(ターゲット)にあわせてオーディエンスセグメントを選択し、ボリュームが少ない場合には、ほかのセグメントと併用するのが基本です。
今回、新たに追加されたオーディエンスセグメントについては、上図のとおり内包関係にはありません。そのため、すべて併用という使い方から始め、効果をみながら最適化していくことをおすすめします。
実際の活用事例については、次章で紹介します。
実績
ここでは、メディックスでの実績の一部を紹介します。Facebook広告を出稿する際には、ぜひ、参考にしてください。
■IT資産管理サービス(ITサービス業) A社
※図表内の数値は2022年7月3日~2022年7月27日(通常配信)、2022年7月28日~2022年8月21日(意思決定者ターゲティング)の期間に配信した結果です。情報保護の観点から数字は類似値にしています。
※図表内の黄色は特筆すべき値を示しています。
A社では、リード獲得と認知拡大を目的に、Facebookでの広告配信を実施しました。通常配信ではCVの獲得に至らなかった一方で、意思決定者ターゲティングでは、今回、新たに追加された4つのオーディエンスセグメントをすべて併用することで、早速2件のCVを獲得することができました。
そのほかの実績についても、今後、本記事にて随時公開していくので、ぜひ、参考にしてください。
まとめ
BtoBにおけるFacebook広告は、プライバシーへの配慮から細かなターゲティングが難しい状況が続いていました。しかし、2022年6月のアップデートで新たなオーディエンスセグメントが追加されたことで、意思決定者や新規に事業を開始した層へのアプローチがしやすくなりました。
今回、新たに追加されたオーディエンスセグメントについては、一部重複するため、運用しながら最適化をめざすことをおすすめします。
とはいえ、「広告運用にかける時間や適切な人材がいない」「運用経験がないので不安」といったBtoB企業も多いのではないでしょうか。
メディックスでは、Facebookはもちろん、TwitterやLinkedInなど各SNSの広告運用に対する長年の経験と支援実績があります。狙いたいターゲットにあわせた最適なSNS施策の提案が可能ですので、まずは、お気軽にお問い合わせください。