「マイクロコンバージョンって、どんなもの?」
「マイクロコンバージョンが、BtoBでどう活用できるのか知りたい」
BtoBのマーケティング担当者で、このようにお悩みの方が多いようです。
コンバージョン数が少ないBtoBにおいては、マイクロコンバージョンを設定すると多くのメリットを得られます。しかし、ポイントを押さえて設定しないと、効果を発揮しないため、注意が必要です。
本記事では、マイクロコンバージョンを設定する意味や設定する際のポイント。そして、活用方法まで解説します。
目次
マイクロコンバージョンとは
マイクロコンバージョンとは、最終的に達成したいコンバージョンに至る経路の、中間地点をコンバージョンに設定することで、「中間コンバージョン」とも呼ばれます。
例えば、BtoBにおいては、「資料ダウンロード数」をコンバージョンとするケースが少なくありません。その資料をダウンロードできるLP(ランディングページ)の「訪問者数」を、マイクロコンバージョンに設定するといったケースが考えられます。
マイクロコンバージョンを設定する意味
マイクロコンバージョンを設定すると、最終的なコンバージョンの母数が少ないBtoBにおいて、課題を発見しやすくなることがメリットです。
デジタルマーケティングのPDCAを回すにあたっては、まずコンバージョンに至った「経路」や「ユーザ属性」「曜日・時間帯」などを把握する必要があります。その上で、コンバージョン単価の低いところに予算を再配分し、コストを抑えつつ、コンバージョン数を最大化することを目指します。
しかし、特にBtoBは、月間のコンバージョン数が、数件〜10数件といった企業も少なくありません。そのようなケースでは、最終的にコンバージョンしたデータだけを指標にすると、課題や傾向の発見が困難になります。
そういったときに、マイクロコンバージョンを設定すれば、顧客の認知からコンバージョンに向けて、どこに課題があるのかを発見し、改善を進められるようになるのです。
例えば、マイクロコンバージョン数(例:LP閲覧数)は多いのに、コンバージョン数(例:資料ダウンロード数)が少ない場合には、その間に課題があると考えられます。そうすれば、「フォームに問題があるのでは?」「LP内のコンテンツに問題があるのでは?」といった仮説を立てた上で、対策を講じられるようになるのです。
BtoBにおけるマイクロコンバージョンの設定のポイント
BtoB企業がマイクロコンバージョンを設定するときに、どのような点に気をつければ良いのか、ポイントを3つ紹介します。
1.最終コンバージョンになるべく近いポイントに設定する
マイクロコンバージョンは、最終コンバージョンになるべく近いポイントに設定することが重要です。コンバージョンとマイクロコンバージョンが遠い場合には、施策の評価が難しくなるためです。
例えば、コンバージョンが「資料ダウンロード」であるのに、マイクロコンバージョンを「トップページの閲覧数」に設定した場合、指標とするには、コンバージョンまでの距離が遠すぎて参考になりません。
マイクロコンバージョンを設定するときには、「コンバージョンする直前に顧客がしそうな行動」を考え、最終コンバージョンとの「関係性の距離」を意識することが大切です。
2.ボリュームの大きいポイントに設定する
マイクロコンバージョンを設定するにあたっては、ボリューム(訪問者数)の大きいポイントを選ぶことも大切です。
ボリュームが小さいポイントよりも、ボリュームが大きいポイントにマイクロコンバージョンを設定したほうが、改善した際のコンバージョン数に与えるインパクトが大きくなるためです。また、ボリュームが小さければ、得られるデータも少なく、仮説の精度が落ちてしまいます。
3.態度変容が生まれたタイミングに設定する
マイクロコンバージョンは、「見込み客の態度変容が生まれたタイミング」に設定することもポイントです。
例えば、資料ダウンロードページへの遷移を発生させているであろうコラム記事に、資料ダウンロードページへ直接遷移するCTAを新たに設置して、その遷移数をマイクロコンバージョンとして設定するなどが考えられます。コラムから資料ダウンロードページに遷移したということは、自社のノウハウやサービスに興味を持った。つまり、態度が変容したととらえられるためです。
これが、コラムからトップページへの遷移をマイクロコンバージョンとして設定しても、製品からの距離が遠いため、顧客の態度が明確に変容したとはいえず、改善を進めても最終コンバージョンに影響させることは難しいです。
マイクロコンバージョンは、最終コンバージョンに向けて顧客の態度の変容が期待できるページに設定し、さらに態度変容を促進できるよう改善することが大切です。
BtoBにおけるマイクロコンバージョンの活用法
それでは、BtoBにおいて、マイクロコンバージョンを活用する方法を3つ紹介します。
1.WEB広告の運用改善
マイクロコンバージョンは、Web広告の運用改善に役立ちます。
多くのWeb広告は、機械学習が働き、経路や属性、曜日・時間帯といったコンバージョンデータを頼りに、入札単価を自動調整することが特長です。ただし、そのためには、一定数のコンバージョン数が必要です。
しかし、BtoBでは、Web広告を出稿しても流入数は少なく、なかなかコンバージョン数は増えません。BtoBの場合、BtoCと比べると、そもそものターゲット母数が小さいことが理由です。
このようなケースにおいては、最終コンバージョンと相関性の高いページにマイクロコンバージョンを設定すると、自動入札を導入するのに必要なコンバージョン数を補完できます。例えば、資料ダウンロードページ閲覧数をマイクロコンバージョンとして設定すれば、より早く・多くのデータを蓄積できるでしょう。
2.コンテンツ・UIの改善
マイクロコンバージョンは、コンテンツやUIの改善に役立てることも可能です。具体的には、マイクロコンバージョンは多いのに、コンバージョンが少ないといった場合、その間に課題があると考えて仮説を導き出して改善を進められます。
例えば、DLフォーム付きLPへの訪問数は多いのに、資料ダウンロード数が少ないといったケースでは、
「読み手の期待に応えるコンテンツになっていないのでは」
「グローバルナビゲーションやボタンといったUIに問題があるのでは」
と仮説を立てられるようになるのです。
3.態度変容の促進
マイクロコンバージョンは、顧客の態度変容を促進させる施策を立てるときにも役立ちます。
例えば、閲覧数は多いのに、「資料ダウンロードページ」の閲覧といった興味のフェーズになかなか至らないコラムが複数あると仮定しましょう。そういった場合、まず、コラムから直接「資料ダウンロードページ」に遷移させるのではなく、間に顧客の課題解決につながる「サービス活用方法のページ」をはさむと、態度変容につながる可能性が高まります。
そして、態度変容を促す「商品活用方法のページ」の閲覧数をマイクロコンバージョンに設定して、サイトを改善すれば、結果として顧客の態度変容を促進し、資料ダウンロードページに到達する顧客が増える可能性が高まるのです。
まとめ
月間コンバージョン数が少ないBtoBにおいて、課題や傾向を発見するには、マイクロコンバージョンを設定して指標とすることで改善を進めやすくなります。マイクロコンバージョンは、最終コンバージョンに近く、ボリュームの大きいポイントに設定すると効果的です。
コンバージョンを上げるためには、マイクロコンバージョンのほかにも、間接コンバージョンといった指標もあわせて分析対象とするのがおすすめです。
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