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Microsoft 広告とは?Google/Yahoo!広告との違いや、最新の配信実績を公開

Mar 15, 2023 8:30:00 AM
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新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、インターネット広告の世界にも大きな影響をおよぼしました。コロナ禍を機にリードジェネレーション領域のデジタルシフトが進むにつれ、デジタル広告市場のオークションは上昇の一途を辿っている状況です。

そのような情勢のもと、Microsoft社が2022年5月末より日本における広告ビジネス(Microsoft 広告)を再始動させました。現在、日本での事業を開始して約1年弱ながら、すでに幅広い業種でMicrosoft 広告は活用されています。

特に、BtoBで活用されるケースが多く、早くもGoogle広告やYahoo!広告などの主要媒体と並ぶ新たな選択肢として注目を集めていることは、すでにご存じかもしれません。

そこで本記事では、Microsoft 広告の特長や配信開始の手順といった基本情報から、Google/Yahoo!広告との違い、最新の配信実績についても、幅広く紹介します。これからMicrosoft 広告の出稿を検討中の方は、ぜひ、参考にしてください。

目次

 

Microsoft 広告とは? 


まず、Microsoft 広告の概要を説明します。

Microsoft 広告は、Microsoft社が提供する広告プラットフォームで、同社が提供するブラウザやサービスを利用するユーザに対し、広告を配信できます。

日本での提供開始は、2022年5月と非常に新しい広告媒体ですが、グローバルではすでに1兆円を超える規模に成長しています。もちろん、日本でも今後の大きな成長が、すでに予想されている状況です。

また、日本の企業では、Windowsの普及率が高いことから、特に、BtoB企業での有用性が期待されています。メディックスが支援している企業からも、実際に効果を実感したという声が、いち早く届き始めました。詳しくは、本記事の後半の「Microsoft 広告の配信実績」で紹介します。


Google/Yahoo!広告との違いと、Microsoft 広告の可能性


検索エンジン「Bing」のシェアが伸びている


先にも述べているとおり、Microsoft 広告では、Microsoft社が提供するブラウザやサービスに対して広告の配信が可能です。同社の代表的なサービスには、検索エンジンの「Microsoft Bing(以下、Bing)」が挙げられます。

各検索エンジンの日本国内シェア率で、現在高いシェアを誇っているのはGoogleですが、その一方で、Bingもシェアを伸ばしています。なお、直近のデータでは、Yahoo!のシェアを上回っていることがわかりました。

また、Windowsのアップグレードにより、デフォルトブラウザであるMicrosoft Edge(以下、Edge)のシェアも伸びており、国内ではChromeに次ぐ利用者の多さとなっています(※1)(※2)。

この影響で、ブラウザのEdge +検索エンジンの Bingをセットで使用するユーザも増加傾向です。日本国内でのBingの検索量は年々増加を続けており、今後も増えていくことが予測されています(※3)。

■日本国内におけるBing検索シェアと、Edgeブラウザシェア

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(※1)出典:Desktop Search Engine Market Share Japan / Jan - Nov 2022(Statcounter Global Stats)
(※2)出典:Desktop Browser Market Share Japan / Jan - Nov 2022(Statcounter Global Stats)


■日本国内におけるBingの検索量

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(※3)参考:媒体公式資料「Microsoftオーディエンスネットワーク」Updated Aug 19 2022

特にBtoB企業での有用性が期待されている 


提供開始よりまだ日が浅いながら、すでに幅広い業種で活用されているMicrosoft 広告。業種別出稿実績では、BtoBがほかの業種より先行していることから、BtoBでの注目度の高さも伺えます。

ここでは、BtoB企業のマーケティングデータをもとに、その傾向について紹介します。

1.Googleアナリティクスデータによる検証

メディックスが支援しているBtoB企業のGoogleアナリティクスデータによると、BtoBにおいても、Microsoft 広告はYahoo!広告と同程度の流入が見込める傾向が見えています。また、流入後のCVRでは、Google/Yahoo!広告と比較して、Microsoft 広告の数値のほうが良いといった結果が見て取れます。

つまり、流入に関しては、Google広告にはおよばないもののYahoo!広告と同等の流入が見込め、CVRはGoogle/Yahoo!広告と遜色がないことから、広告でも良好な成果が見込めそうだと予想することができます。

■セッション比較:1.0より少ない=Bingよりセッション数が少ない

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グラフの説明:bing / organicセッション数を「1.0」とした時の、ほか検索プラットフォームのセッション数
ソース元:弊社が支援するBtoB企業15社のGoogle アナリティクスのデータ
集計期間:2022年8月1日~2022年10月31日

■CVR比較:1.0より低い=BingよりCVRが悪い

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グラフの説明:bing / organicのCVRを「1.0」とした時の、ほか検索プラットフォームのCVR
ソース元:弊社が支援するBtoB企業15社のGoogle アナリティクスのデータ
集計期間:2022年8月1日~2022年10月31日

2.企業のパソコンの利用状況

企業内で使用されるパソコンでは、セキュリティを含めた社内ルールなどによって、ブラウザは「Edge」、検索エンジンは「Bing」しか使えないようになっているケースも見受けられます。このような企業をターゲットとする場合、Google広告やYahoo!広告に出稿しても、ターゲットへリーチしきれないことが考えられます。これは、深刻な機会損失にもつながるといえるでしょう。

また、企業ユーザに限ったデータではありませんが、「日本国内には、Google広告ではリーチできない検索ユーザ(PC)が1,600万人いる」というデータも出ています(※1)。

■日本国内におけるMicrosoft検索ネットワーク

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(※1)comScore qSearch、Explicit Core Search (カスタム)、日本 (2022 年 6 月)。
Microsoft 検索ネットワークには、日本のマイクロソフトのサイト、Yahoo!のサイト (検索エンジンに Bing を使用)、AOL のサイトが含まれます。データはデスクトップ トラフィックのみのものです。
(※2)comScore qSearch、Explicit Core Search (カスタム)、全世界 (2022 年 6 月)。
Microsoft 検索ネットワークには、世界全体のマイクロソフトのサイト、Yahoo!のサイト (検索エンジンに Bing を使用)、AOL のサイトが含まれます。データはデスクトップ トラフィックのみのものです。

これらのデータより、出稿先の選択肢を広げるという意味でも、BtoB企業にとってMicrosoft 広告の併用は有用といえるでしょう。

 

Microsoft 広告のメリット

 

Google広告やYahoo!広告とは違ったユーザにリーチできる

 

前段でも紹介したとおり、Google広告やYahoo!広告ではリーチできない企業は、一定数あります。特に、BtoB商材を扱う企業にとって、このような企業にリーチできるメリットは大きいでしょう。

また、公式の媒体資料によると、年代別に16~24歳、45歳以上ではMicrosoft 広告がGoogle広告のシェアを上回っています(全体を100とした場合の、各年齢の比率)。特に、45歳以上のユーザでは、「高額商品の購入意欲が高い、プロフェッショナル層(役職者)」が多いという傾向もみられます。BtoB商材のみならず、自動車、住宅などBtoCのなかでも高額な商材を扱う企業にとって、Microsoft 広告は、新たなユーザにリーチできる有効な施策になると考えられるでしょう。

 

ショッピング広告の掲載枠がある

 

これまでは、Yahoo!経由でBingへの広告掲載が可能でした。ただし、出稿できるのは、テキスト広告のみです。Microsoft 広告経由で出稿する場合、日本では従来Google広告でしか配信できなかったショッピング広告などの利用もできます。そのため、EC事業者にとっては配信のバリエーションを拡大できるチャンスになるでしょう。

 

Google広告、Facebook広告の設定をインポートできる

 

Microsoft 広告には、ほかの広告サービスで活用している配信設定(キーワードや広告の文言、リンク先など)を、数クリックでインポートできる機能が備わっています。ほかの広告と併用するハードルも低くでき、新規出稿時の作業工数を削減できる点は大きなメリットとなるでしょう。

上記3つの利点に加えて、今後はLinkedInプロファイルに基づいたターゲティング機能も実装される予定となっています。これにより、会社や業種、職種・役職などによる精度の高いターゲティングまでが可能になる予定です。つまり、BtoB企業向けに、より細かなターゲティングが可能になり、BtoB企業にとってのメリットが増えるともいえます。

■Microsoft 広告のメリット

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Microsoft 広告の基本情報

 

配信面

 

Microsoft 広告が持つ配信面での主な特長は、下記の4つです。

  1. Microsoft Bing(検索エンジン)
  2. MSN(ポータルサイト)
  3. Microsoft Edge(ブラウザ)
  4. Outlook.com(メールサービス)


上記に加えて、動画配信大手のNetflix(ネットフリックス)など、約30社のパートナーメディアへの配信も行えます。Microsoftメディアおよび信頼性の高いパートナーメディアに限定し、ブランドセーフティを重視した広告配信を行える点が大きな強みです。

 

配信形態

 

Microsoft 広告の配信形態は、下記の2つとなっています。

  1. 検索ネットワーク
  2. オーディエンスネットワーク


なお、Microsoftは特定業界向けの広告商品のリリースにも注力しています。現在は、旅行業界、自動車業界、金融サービス業界において商品開発を行っています。これらのなかで、市場初登場のものやMicrosoft 広告のみで提供しているものも少なくない点には、特に注目したいところです。

 

ターゲティング

 

膨大なファーストパーティデータ(1st Party Data)と、AIによる独自の精度の高いターゲティングがMicrosoft 広告の特長です。日本国内では、下図のようなターゲティング機能の利用が可能です。

■日本で利用可能なターゲティング機能(2022年12月時点)

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(※)参考:【Microsoft社がゲスト登壇】BtoB企業向けMicrosoft 広告徹底解剖ウェビナー登壇資料

ここ数年は、サードパーティCookie(3rd Party Cookie)の廃止が進められていますが、Microsoft 広告のターゲティングは、Microsoftのファーストパーティデータのみに依存しているため、その影響を受ける可能性はほとんどありません。

 

Microsoft 広告の始め方

 

事前準備

 

Microsoft 広告のアカウントを作成して広告出稿を開始する前に、まず必要な情報を準備します。アカウントを作成するには、下記の情報が必要となるため、あらかじめ用意しておくと良いでしょう。

  1. 広告主詳細
    ・広告主としてのアカウント名
    ・広告主住所
    ・広告主電話番号
    ・タイムゾーン(日本国内であれば「(GMT+09:00)大阪、札幌、東京)
    ・通貨(日本円の場合は「¥ / JPY」)

  2. 新規アカウントユーザ情報
    ・アカウント管理者の氏名とメールアドレス

  3. アカウントの支払情報
    ・支払元:広告主、代理店
    ・支払いタイプ:後払い、前払い
    ・支払い方法:クレジットカード、請求書

 

Microsoftアカウントの作成

 

1.まず、お使いのブラウザの「inPrivate ウィンドウ」モードか、「シークレットウィンドウ」を開いて、下記のURLから「Sign Up」をクリックしましょう。

https://about.ads.microsoft.com/ja-jp/get-started/sign-up

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2.ポップアップ画面が立ち上がるので、既存のマイクロソフトアカウント以外のメールアドレスでアカウントを作成します。メールアドレスを記入して「次へ」をクリックしてください。
※すでにメールアドレスが他社により取得されている場合は、次に進めないため、ご注意ください。

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3.ポップアップ「パスワードの作成」に移動するので、パスワードを入力して「次へ」をクリックしてください。

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4.「お名前の入力」に移動したら氏名を記載し、「次へ」をクリックします。

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5. 「アカウントの作成」画面に移動すると、ロボットがクイズを出題するので、それに正しく回答して次の画面に移動します。

6.「お客様のアカウント保護にご協力ください」にて、セキュリティコードの送信先となるメールアドレスまたは電話番号を選択・入力し、「次へ」で画面を移動します。

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7.ご自身のメールまたは電話のSMS宛にセキュリティコードが送信されたら、「ご本人確認のお願い」の手順を実施します。セキュリティコード送信先にあたるメールアドレスか電話番号をもう1度記入し、「コードの送信」をクリックしてください。

8.もう1度コードが送信されてくるので、「コードの入力」欄に今回のコードを入力し、「確認」をクリックしてください。

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9.次に「パスワードから自由になる」画面が表示されます。もしスマートフォンでも同アカウントでサインインしたい場合は、「今すぐ入手する」をクリックします。その必要がない場合は「キャンセル」をクリックします。

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Microsoft 広告アカウントの作成

 

1.以下のURLから再度ページを開き「Sign up」をクリックしてログインし、登録画面に移動します。
https://about.ads.microsoft.com/ja-jp/get-started/sign-up

2.次に開く画面「エキスパート モードで最初のキャンペーンを作成する」で、「新しいキャンペーンを作成する」をクリックします。もし既存のGoogle広告アカウントまたは Facebook広告アカウントをお持ちの場合は、「Googleからインポート」または「Facebookからインポート」を選択します。詳しくは、このあとの「Google広告、Facebook広告の設定をインポートする方法」で説明します。

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3.キャンペーンの作成画面が開きますが、すぐに入力しない場合は画面下部の「キャンペーンを作成せずにアカウント作成をクリック」をクリックして次画面に移動します。

4.「Microsoft Advertising アカウントを作成する」画面が開くので、必要事項(事前準備で用意した情報)を入力します。入力が終わったら、「Microsoft Advertising 使用条件に同意します。」にチェックを入れ、「登録完了」ボタンをクリックします。

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以上で登録は完了です。
新規アカウント用に登録したメールアドレスには、次のようなメールが届きます。

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Google広告、Facebook広告の設定をインポートする方法

 

先にも少し触れていますが、すでにGoogle広告やFacebook広告を出稿している場合、アカウント作成後にMicrosoft 広告の管理画面から、それらの広告設定をインポートできます。

1.ご自身のMicrosoft 広告管理画面を開き、画面上部のメニューから「インポート」をクリックしてください。

2.「Google広告からインポート」または「Facebook広告からインポート」のいずれかから、インポートする媒体を選択します。

3.前の画面で「Google広告からインポート」を選択した場合、「Googleでサインイン」のボタンが表示されるため、それをクリックします。

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4.「アカウントの選択」ポップアップが立ち上がったら、Google広告出稿元となっているアカウントを選択して「次へ(またはContinue)」をクリックします。複数のアカウントを持っている場合は、この画面でインポートしたいアカウントを選択することができます。

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5.「すべての既存および新規のキャンペーン」または「特定のキャンペーンと広告グループ」からインポートするキャンペーンとグループを選択し、「インポートを開始します」の画面でスケジュールを設定して、「インポートを開始」をクリックしてください。
※詳細オプションの表示をクリックすると、より細かいレベルでインポート項目を設定することができます。

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Microsoft 広告の配信実績


最後に、メディックスでの実績の一部を紹介します。今後Microsoft 広告の出稿を検討中の方は、ぜひ、参考にしてください。

ITインフラベンダ A社


配信手法:リスティング(検索連動型)広告
配信期間:2022年11月1日~2023年1月31日

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※情報保護の観点から数値は類似値にしています。
※図表内の黄色は特筆すべき値を示しています。

Microsoft 広告では、Google広告やYahoo!広告と比べCPCが安価に抑えられており、CVRもYahoo!広告と遜色がないため、CPAを悪化させることなく、CVを純増することができている。また、お客様からは、「獲得しているCVの質がGoogle広告やYahoo!広告と比較してよい」との評価もいただいている。

通信系サービスベンダ B社

 

配信手法:リスティング(検索連動型)広告
配信期間:2022年11月1日~2023年1月31日

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※情報保護の観点から数値は類似値にしています。
※図表内の黄色は特筆すべき値を示しています。
※CV数は基幹システム上の数値を掲載しています(媒体側でCV数が重複計測されていた期間があるため)。

Microsoft 広告では、開始後徐々にCPCが上昇したものの、1月時点でもGoogle、Yahoo!広告と比較しCPCを安価に抑えられている傾向がある。また、リードの質もGoogle広告やYahoo!広告と遜色なく、CPAも安く獲得できている。

グループウェアベンダ C社

 

配信手法:リスティング(検索連動型)広告、ディスプレイ広告
配信期間:2022年11月1日~2023年1月31日


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※図表内の数値はリスティング(検索連動型)広告とディスプレイ広告の合計値。情報保護の観点から数値は類似値にしています。
※図表内の黄色は特筆すべき値を示しています。

Microsoft 広告では、Google広告やYahoo!広告と比べ、CVRはやや低いものの、CPCが圧倒的に安く抑えられており、結果として、CPAもGoogle広告、Yahoo!広告と遜色なく獲得できている。

まとめ


本記事では、Microsoft 広告の概要やGoogle/Yahoo!広告などとは異なるポイント、今後の展望やメディックスにおける配信実績について紹介しました。
展開開始から日が浅いながら、すでに一定の実績を挙げられていること、ビジネスでのWindowsの普及度を反映してBtoBに強いことなど、Microsoft 広告の今後に期待できる点は数多くあります。

メディックスでは、Microsoft 広告の出稿をご検討中の方、BtoB広告の強化をお考えの方のために、盤石の体制を整えております。20年以上にわたるBtoB企業様への支援実績から、成果の出るリスティング広告の運用のノウハウを確立。デジタルマーケティングの全体設計から広告運用まで、トータルでサポートしております。

BtoB広告に関して、課題やお悩みを抱えている方、これからMicrosoft 広告を出稿して新たな成果を得たいとお考えの方は、ぜひ、メディックスまでお気軽にご相談ください。

Tag: リスティング広告


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メディックスBtoBマーケティング編集部

デジタルマーケティングの基本的な考え方や最新情報、実践的なノウハウを探している、BtoBマーケティング担当者向けに、日々のマーケティング業務のプラスになるお役立ち情報を厳選して発信しています。

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