「オンライン商談の運用に、コツはあるの?」
「メリット・デメリットを知った上で、導入したい」
BtoBのセールス担当者のなかには、このようにお考えの方もいるのではないでしょうか。また、セールスがどのように商談を行っているのかを知った上で、マーケティング施策を立てたいマーケターの方もいるでしょう。
コロナ禍で対面商談が難しくなり、急速に導入企業が増えたオンライン商談ですが、運用のコツを知ってから実施しないと、スムーズに商談を進められないかもしれません。
そこで本記事では、オンライン商談のメリット・デメリットを紹介し、オンライン商談を適切に運用するコツを解説します。オンライン商談がセールスの中心を担うなか、マーケターができることもあわせて紹介しますので、ぜひ、参考にしてください。
目次
オンライン商談とは
オンライン商談とは、Web会議ツールなどを使ってオンラインで商談することを指します。
これまで、BtoBでの商談といえば、営業が見込み客のもとに出向き、対面で行うのが一般的でした。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行を背景に、テレワークの推進や外部との接触を避ける流れが一気に進み、従来の対面商談が困難になっています。
その代替手段として急速に普及しているのが、オンライン商談です。実際にオンライン商談を取り入れた企業の多くがメリットを感じていることから、今後も商談は、オンラインで行うのが定番になる可能性が高いと考えられています。
マーケティング担当者が、見込み客と直接オンライン商談を行うことはまれです。しかし、営業が、どのような活動をしているかまでを把握しておかないと、部署間の認識齟齬が生まれる可能性があります。そこで、マーケティング担当者も、営業にHOTリードを渡すだけではなく、定番になりつつあるオンライン商談についても詳しく知っておきましょう。
オンライン商談のメリット
対面による商談と比較して、オンライン商談には、どのようなメリットがあるのか?を紹介します。
1.気軽に商談できるようになる
オンライン商談は、対面と比較すると気軽に商談を行えることがメリットです。
商談のために訪問や来社が必要になると、時間や会議室を確保しなければなりません。そのため、確度の高い商談が、優先される傾向にありました。
一方、オンライン商談は、電話のように気軽に実施できます。会議室を押さえる必要もなく、時間も短くて済むため、気軽に商談を提案できます。また、電話やメールで話している間に、「今、お時間があるようでしたら、資料を見ながらご説明できますが」と商談に進むことも可能です。その結果、対面と比較して、商談件数を大幅に増やすことができるようになるのです。
2.テレワーク中でも商談可能
自社、もしくは相手先、または両者が、テレワークを導入している場合には、対面の商談を実現するのは困難です。互いに顔を合わせる機会を伺っていると、顧客の興味は薄くなり、旬のタイミングを逃してしまうかもしれません。
しかし、オンライン商談であれば、テレワーク中でも商談を進めることができます。顧客が興味を持ったその瞬間に、商談を提案できることは、オンライン商談の強みです。
3.時間や交通費の節減になる
オンライン商談は、時間や交通費の節減になることもメリットです。対面の商談では、移動時間に往復1時間以上かかったり、場合によっては丸1日が潰れたりすることもあります。商談のたびに当然、交通費も発生し、遠方のケースなら宿泊費がかかることもあるでしょう。
その点、オンライン商談では、移動時間はもちろん、交通費も宿泊費もかかりません。移動にかかるはずだった時間を別の商談に充てるなど、効率のいい営業活動が実現します。
4.商談範囲を広げることができる
従来の対面営業では、商談範囲を広げるために支社を設けたり、出張が必要だったり、コストがかかることが問題でした。しかし、オンライン商談であれば、場所や距離に関係なく、海外企業とも商談を実現できます。
また、商談相手にしても、わざわざ遠方まで足を運んでもらうのは申し訳ないと、商談の依頼を躊躇することがなくなるメリットがあります。オンライン商談を活用すれば、商圏を世界中に広げることができるのです。
5.営業属人化の解消
SAFツールを導入して正しく使いこなしている。または、社内情報の共有を密に行うよう全社で取り組んでいない会社の場合、営業ノウハウは属人化しやすい問題があります。新入社員や中途入社の社員へ営業手法を伝えるために、すべての商談に同席させることはできないためです。
しかし、オンライン商談では、ツールによっては商談の録画が可能です。営業ノウハウをほかのセールスパーソンと共有できるため、属人化を避けやすくなります。営業レベルの均質化が実現し、部署全体の底上げにもつながります。
オンライン商談のデメリット
商談の機会が増える、コストを削減できるなど、メリットが多いオンライン商談ですが、次のようなデメリットもあります。
1.感情が伝わりにくい
画面を通じてのオンライン商談は、感情が伝わりにくいことがデメリットです。
対面の商談では、細かな動作や目の動きなどで、互いに感情を汲み取ることができました。しかし、オンライン商談の場合には、表情の変化はわかっても、対面の商談ほどに感情を読み取ることは困難です。そのため、細かな駆け引きは、オンライン商談では難しくなってしまいます。
2.回線状態が悪いと、会話が途切れる
オンライン商談を、自宅やモバイルルータの通信環境を利用して行う場合、オフィスの通信環境ほど高速ではないことが多いでしょう。そのため、会話の重要なポイントで、音声や画面が途切れてしまい、商談がスムーズに進まないことも珍しくありません。何度も通信が切れてしまうと、「またの機会に」と言われるなどでチャンスを逃してしまう可能性もあるのです。
オンライン商談の運用を成功させるコツ
ここからは、オンライン商談をスムーズに運用し、成功させるコツを紹介します。
1.事前にオンライン環境のチェックをする
商談を始めてから、画面を共有できない。音声が聞こえない。となると、互いに時間を無駄にするばかりか、商談相手にいい印象を残せません。商談前にカメラやマイク、通信環境、Web会議ツールの設定などの環境チェックを、しっかり行いましょう。
また、自身の顔がしっかりと映っているか?暗くて印象が悪い感じになっていないか?を確認し、明るさなどを調整しておきます。録画が必要な場合は、Web 会議ツールの設定ができているか?の事前確認が必要です。初めてツールを使うときには、社内で予行練習を行っておくと安心です。
2.商談先にリマインドを行う
オンライン商談は気軽に設定できるぶん、商談先が失念していたり、ほかの予定と重なっているケースも散見されます。商談前日または当日の朝に、リマインドを行うようにすると、無駄な時間を使わずに済むでしょう。
3.雑談は不要な場合もある
営業では昔から、互いの緊張をほぐすためにアイスブレイクが重要だといわれてきました。しかし、冒頭の雑談は省いて「本論に入ってほしい」と感じる人も少なくありません。
特に、役職者になるとやることが多く、時間管理が重要です。商談に臨むのは判断に必要な情報だけで、担当者と打ち解けることではない。と考える人も多いのです。
一方、コロナ以前から互いによく知る既存の取引先などは、雑談から始めたほうが無難な場合もあります。雑談から入るか否かは、相手の状況を見極めて判断しましょう。
4.端的にまとめる
対面の商談では、商談時間を60分としていた企業が多いようです。営業としては、アポを取って出向くのだから、商品やサービスについては丁寧に説明を行いたい。迎える側も、足を運んでもらったので、一定の時間を割くのが礼儀と考えられていたためです。
一方、オンライン商談では、オンラインに慣れていない人にとっては、長い時間集中することが難しくなります。相手を気遣う意味でも、30分ほどで終わるように商談のストーリーを組み立てておくといいでしょう。
5.要所、要所で、で資料を画面共有する
サービスや製品の説明などは、画面の共有機能を使って資料を共有すると内容が伝わりやすくなります。特に、動画を活用すると、商品の特長や使い方が一目で理解できるため効果的です。
一方で、画面の共有機能ばかりを使っていると、目線が資料ばかりに集中し、お互いの表情がわかりません。商談相手の理解具合や感情が読み取れないだけでなく、商談相手も、こちらの様子がわからず、不安を感じるかもしれないので、使いすぎには気をつけましょう。
6.商談終了後は、こまめにフォロー
オンライン商談は気軽に設定できることから、商談相手は多くの競合企業と接触している可能性が高いと考えておくのが賢明です。
そのため、商談の終了直後にフォローメールを送り、その後も定期的に、「困りごとがないか」を確認するメールを送信するなど継続して接触を続けます。そうすることで、多くの競合に埋もれてしまい、印象が薄れることを防ぎます。
オンライン商談を導入するには
実際にオンライン商談を導入するために、するべきことと、マーケティング部門ができることを、紹介します。
1.Web会議ツールを導入する
数あるWeb会議ツールを比較して、自社に合うものを導入します。録画や資料の共有機能など、自社に必要な機能が備わったツールを選びましょう。
また、商談先がWeb会議に簡単に参加できるツールであることも、大切な選定ポイントです。商談相手に特殊なアプリをダウンロードしてもらって、会員登録してもらう必要がある。特定のブラウザでないと動作しない。といったものだと、商談相手に負担をかけてしまいます。
商談相手に、URLを送り、そこにアクセスしてもらうだけ。で、簡単に商談を始められるようなツールを選ぶことがポイントです。
2.商談後のフォロー体制を明確にする
オンライン商談をした後の顧客を、どのようにフォローしていくのか。内容やタイミング、頻度について、体系化し、チームで統一しておくことも重要です。
オンライン商談は対面よりも気軽に商談ができることから、商談数が多くなりがちです。商談はするものの、こなすだけで精一杯になってしまうと、なんのために商談しているのか?わからなくなってしまいます。手段と目的をはき違えないよう、商談が契約に結びつくような流れを作っておきましょう。
3.商談数が増えることを見越し、マーケティング部門と連携を取る
オンライン商談を導入することで、対面よりも商談件数を大幅に増やすことが可能になります。月間何件の商談が実現できそうか?シミュレーションを立て、マーケティング部門に対して案件数を増やしてもらうなど、連携を取ることも重要です。
マーケティング部門は、どのように動くべきか
前項で、営業部門が今後オンライン商談を導入する場合、マーケティング部門と正しく連携することが重要であると述べました。それでは、マーケティング部門としては、どのようなことに注意し、取り組んでいくべきなのでしょうか。
よりナーチャリングされた顧客を、営業に渡す仕組みを考える
オンライン商談を導入すると、俗にいう接待などの対面でのハイタッチな人間関係を構築して受注を獲得する営業は減っていきます。営業担当者、商談相手の世代交代が進み、デジタルネイティブが取引の中心を担うようになると、ますますその傾向は強くなると考えられます。
そのため、マーケティング部門は、「とりあえず営業にリードを渡せば、営業が人間関係を上手く取り持ち、受注までつなげてくれるだろう」という感覚でいてはいけません。オンライン商談化により、人間関係が希薄になることを前提に、これまでよりも、よりナーチャリングされた顧客を数多く、営業に引き継ぐ仕組みを考えていく必要があるでしょう。
まとめ
本記事では、オンライン商談について、メリット・デメリットから成功のコツまでを詳しく解説してきました。コロナ禍をきっかけに、広く導入が進んだオンライン商談ですが、メリットが多いことから、今後も引き続き商談に活用されると考えられます。本記事を参考に、ぜひ、導入を検討してください。
また、マーケティングについても、今後は、よりナーチャリングを意識した取り組みが必要になります。メディックスでは、マーケティングを実施するにあたり、要件定義からカスタマージャーニーマップの設計。MAツール導入企業には、MAツールに落とし込むためのシナリオ設計。さらに、マーケティング施策を実施後の改善提案と、ひと通りのサイクルについてサービスを提供しています。
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