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セミナーレポート BtoB大手メディア3社対談企画 ~Withコロナ時代のメディア広告活用法~

Jun 16, 2021 3:17:12 PM
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2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、企業ではリモートワークの導入を中心として、感染拡大防止に向けた取り組みが加速しています。

BtoBマーケティングにおいてもセミナーや展示会などのイベントのバーチャル化が進む中、従来のようなオフラインを中心とした取り組みでは、リード数を担保して商談を創出することは困難になっており、デジタルを中心としたマーケティング活動への変革の必要性が生じています。

そこでBtoBデジタルマーケティングの総合コンサルティングを行う株式会社メディックスでは、ビジネスマーケティング部主催により、BtoB大手メディア3社とWithコロナ・Afterコロナにおけるマーケティングの在り方に関するセミナーを、オンラインで開催しました。

本記事では、その内容についてレポートしていきます。

目次

 

登壇者

※登壇者様の肩書は対談当時

 

アイティメディア株式会社

プロフェッショナル・メディア事業本部

メディア事業局 副局長/ITメディア企画部

部長

田口 洋平 様

 

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朝日インタラクティブ株式会社

営業部

ディレクター

松山 浩之 様

 

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株式会社日経BP

日経クロステック Active

事業部長

小向 将弘 様

 

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Chapter.1

コロナ禍におけるメディアの動向について、詳しくお聞かせください。

 

アイティメディア社

当社はインターネット専業メディアとして、主要20メディアより月間4,000本以上の記事を発信しています。今回、そうしたメディアの1つである「ITmedia ビジネスオンライン」の読者アンケートを通じて、コロナ禍におけるリモートワークに関する意識の変化について調査を行いました。

 

その中で、初めて緊急事態宣言が発出された2020年4〜5月と、アンケートを行った2020年12〜2021年1月時点の働き方を比較したところ、「リモートワークの頻度を変えていない」もしくは「増やして継続している」と回答した企業は全体の36.6%で、残りの企業は「頻度が減った」「現在は実施していない」「実施した経験がない」という回答でした。

一方で、同アンケートで企業の業績についても調査を行ったところ、新型コロナウイルスの影響により、全体としては「業績は下がっている」「大いに下がった」と回答する企業が多かったものの、リモートワークを継続・増加している企業においては、約15%の企業が「業績が大いに上がった」「上がっている」と回答していました。

この結果を受けて当社では、企業におけるデジタルシフト対応の有無により業績の明暗が分かれていくと考えています。BtoBマーケティングの分野においても、プロモーションのデジタルシフトが求められていると言えるでしょう。

当社においても、「IT/ビジネス部門のデジタルマーケティングシフト」を支援するという考えから、セミナー等の主催イベントは全てオンラインに切り替えています。また、展示会 がオンライン開催できるバーチャルイベントプラットフォームも提供しており、こちらへの問い合わせも急増しています。

とりわけ、2020年9月に実施した製造業のバーチャルイベント「ITmedia Virtual EXPO 2020 秋」は、1万人を超える過去最高の来場者が集まり、従来の4倍以上の規模で開催することができました。こうした流れは、今後、他業界にも波及すると考えています。

 

朝日インタラクティブ社

当社は朝日新聞グループの一員として、全5媒体を運営しています。このうち「TechRepublic Japan」「ZDNet Japan」「CNET Japan」のIT系3媒体は海外6拠点と連携した国内外のテクノロジー動向ニュースを発信するメディアで、ホワイトペーパーやタイアップ記事広告、ウェブセミナーなど、国内のリード獲得施策においては媒体を横断的に展開しています。

こうした中、新型コロナウイルス感染拡大の影響により社会全体でデジタル活用への興味が高まったことを受け、読者の媒体上での情報収集はこれまで以上に活発になっています。

例えば、ZDNet Japan で提供している2020年度のホワイトペーパーのダウンロード件数は、前年同月比で約130〜140%で推移しており、ユーザー数は2020年3月以降、定常的に増加しています。ご出稿いただくホワイトペーパーの案件数についても、前年比でおよそ2.5倍という状況です。

また、ホワイトペーパーをダウンロードするユーザーの属性では、「導入を検討・承認」層が前年比3割で増加。特にダウンロード数が増加している業種としては、DXが活発化している製造業を中心に、金融・流通小売・商社・不動産・建設などを挙げることができます。

コンテンツ面での読者の興味としては、2020年度の前半と後半で変化が見受けられました。前半で緊急事態宣言の影響を受け、迅速なリモートワーク対応とセキュリティ対策に興味が集中していたのに対し、後半は経営層がDX推進に積極的に取り組み始めたことから、全業種でDXへの取り組みに関する記事が関心を寄せられています。

キーワード別では、「クラウド移行&マルチクラウド化」「DevOps」「ゼロトラストセキュリティ」といったものが興味を集めており、21年度にかけてもニュースや特集企画などを通じて引き続きフォローしていきます。

 

日経BP社

当社では、31の雑誌メディアと24のネットメディアを運営しています。このうち「日経クロステック Active」は、IT・製造・建設の各分野で製品・サービス情報の収集を積極的に行う方に向けた会員制メディアです。

本メディアでは、編集部が執筆した記事やサイト内でのレコメンド、専門性の高いメールマガジンで読者のサイト来訪を促し、編集部が執筆した記事で興味を惹きつけた上で、ホワイトペーパーやアンケート、タイアップ記事等を活用してリード獲得に結びつけています。

新型コロナウイルス感染拡大により非接触での営業・マーケティング活動が求められるようになったことを受け、こうしたリード獲得に向けた事業は、従来にも増して多くのお問い合わせをいただいています。

実際、2020年のリード獲得事業は対前年比で120%を超える伸び率を記録しています。特に同年5月以降は緊急事態宣言の影響もあり増加傾向が顕著で、秋口には対前年比で案件数が倍増した月もありました。

お問い合わせいただく企業に関しても変化が生じています。これまで、オンラインでのリード獲得に取り組んでいたのは、主に大手外資系企業といった印象でした。一方で2020年以降は、国内大手はもちろん中堅まで、多くの企業がオンラインによるリード獲得の取り組みを本格化しています。

また、対象の製品・サービスに関しても、従来はマスに向けたものが多かったのですが、現在ではニッチなものも取り扱うことが増えており、裾野が広がっている状況です。

オフラインイベントとしては例年、大規模な展示会として「日経クロステックEXPO」を主催していたのですが、こちらもコロナ禍を受けてオンラインで実施しました。初めての取り組みということで不安もありましたが、無事、約150社にご参加いただくことができました。

今後、同イベントはもちろん、セミナー等についてもオンライン開催していく予定ですので、引き続きご期待いただきたいと考えています。

 

Chapter.2

ウェブセミナー(オンラインイベント)への取り組みについて、より詳しくお聞かせください。

 

アイティメディア社

当社ではクライアント主催のセミナーへの企画協力や集客協力も行っています。クライアント企業でもオンラインシフトが進んでいることから、オンラインセミナー(ウェビナー)に関するご相談をいただくことが増えており、需要増を実感しています。

そこで、2020年10月に「デジタルイベント事業部」を新たに設置し、体制を強化しました。これにより、需要増をキャッチアップしつつ、クライアント企業のさまざまなニーズに対応していきたいと考えています。

 

朝日インタラクティブ社

例年11月に主催しているカンファレンスイベント「ZDNet Japan Summit」や、2月の「CNET Japan Live」、クライアント企業のパートナー協賛イベントも含め、2020年度は全てのイベントをオンラインにシフトしました。

また、ウェビナーに関するお問い合わせについては、共催型・単独型など、クライアントのマーケティング担当者様の施策目的に合わせて開催形式をご提案しています。

実際に商材を操作していただくような体験型ウェビナーや、主催者と参加者の1on1対応が可能なウェビナーなど、内容のカスタマイズも可能ですので、開催を検討している方はぜひお問い合わせください。

 

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日経BP社

前述した大規模展示会「日経クロステックEXPO」のほか、当社の総合研究所員による業界の最新動向解説を踏まえてクライアントの製品・サービスを紹介することのできる「DIGITAL Foresight」や「Technology Foresight」といった中規模イベントもご好評いただいており、今後も継続していく予定です。

このほか、単独開催のオンラインイベントについては、クライアント企業のニーズに合わせて個別にカスタマイズしてご提案しています。単独開催の場合、概ね80〜200名の集客規模となりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。

 

Chapter.3

コロナ禍を受けて注力している新企画・新メニューがあれば、お聞かせください。

 

アイティメディア社

当社ではさまざまなメディアを運営しており、それぞれに記事広告を出稿できる強みがありました。一方で最近では「リーチしたい読者やプロモーションの目的によって、選定するメディアが異なる」といったクライアントのニーズも増えています。

そこで、メディア別の商品構成ではなく「ITmedia」の記事広告として、多様な誘導バリエーションを組み合わせることができる商品パッケージを新たに展開し始めました。

タイアップ記事に関しても、従来より提供していたPV保証はもちろん、過去の記事閲覧履歴を基に、よりテーマに興味・関心がある方を記事に誘導する「行動履歴ターゲティングタイアップ」をご提供できるようになりました。

また、当社自身、SaaS領域に注力していることから、「総務×Tech」「人事×Tech」など、職種別に読者にリーチできる広告特集企画として、2021年4月より「Digital Business & SaaS Days2021をスタートしています。

こちらはリード単価に関するクライアント企業の課題を解消できるよう、当社のオリジナルコンテンツで獲得した、カテゴリーごとの関心層リードをボリューム多い件数でご提供できる仕組みを整えています。

 

朝日インタラクティブ社

現在注力中のもので昨年実施が増え、クライアント企業よりご好評頂いているものとして
当社の運営メディア内にクライアント企業の専用ページを設置する「マイクロサイト」があります。

「マイクロサイト」の特長としては、潜在顧客がアクセスした際、記事広告はもちろん、関連編集記事やホワイトペーパーなど、さまざまな切り口をワンストップで提供し、読者の興味に合った厚みのある情報を提供する点を挙げることができます。

サイトを迅速に構築できる点も評価頂いており、「自社サイトでは、サイトの設計をトレンドに合わせて柔軟にカスタマイズできない」といった課題にも対応可能です。また、自社コンテンツが不足している場合には、制作支援を行うことも可能です。

このほか、期間限定の特別誘導枠を使用した広告特集企画も展開しています。今後、DXはもちろん、「プロセスマイニング」「AI OPS」などの領域に加えて、社会性のあるテーマにも取り組んでいく予定です。

 

日経BP社

特定のテーマを特集して集客をかけていく企画に注力していきたいと考えています。

具体的な仕組みとしては、「日経クロステック Active」の中にテーマページを設けて関心のある読者を引き付け、ページ内に設置してある個々のクライアントのホワイトペーパーをダウンロードしていただく形式です。

テーマの一例としては、ITであれば「社内サポートデスク」「ゼロトラスト」「チャットボット」など、製造であれば「スマート工場」「非接触テック」「機械要素・機構部品」といったものを過去に特集しています。

このほか、時間や場所の制約を受けない新たなイベントの形として「バーチャル展示ブース」をリリースしています。こちらは当社媒体内に個社のバーチャル空間を用意することで、資料はもちろん動画の閲覧もできるプラットフォームとなっています。

 

Chapter.4

【ライバルメディアにこれが聞きたい!】アクティブユーザー増や会員情報のメンテナンスなど、リード獲得の基礎となる会員情報の正確化への取組みについてお聞かせください。

 

アイティメディア社

会員情報のメンテナンスとしては、会員である読者に対して定期的にアラートを出すことで、会員情報を更新していただくような取り組みを行っています。

一方で、当社のメインターゲットとなるIT関連の企業においては、ソリューション選定にあらゆる部門の方が関わってくるという現状があります。そのため、蓄積されたプロフィールの更新はもちろんですが、当社が「フレッシュリード」と呼んでいるような、瞬間的なリード獲得施策も同時並行的に行うことが重要と考えています。

 

朝日インタラクティブ社

前提として、会員登録時やリードの納品時に、目視でのチェックによりスクリーニングを実施し、エラー項目や不正項目を弾いて正しい情報を登録するように促しています。

その上で、年間を通じて景品付きアンケートなどのキャンペーンにより、会員情報の更新を促すといった取り組みを行なっています。

 

日経BP社

当社でも定期的にサイト上で情報更新のお願いを掲載しています。一方で昨年、景品付きの大規模な更新キャンペーンを実施したところ、約3万件に及ぶ書き換えが発生しました。

こうした事実を受けて、より頻繁に会員情報のメンテナンスをする必要性を実感しました。他社様も同様の取り組みをされているとのことで、安心しました。

 

モデレーター編集後記

 

株式会社メディックス
ビジネスマーケティング部
マネジャー
小松 知志

 

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新型コロナウイルスの影響により、
展示会やセミナーなどのオフライン施策でのリード獲得が困難になっている状況を受け、各メディア様のご協力を仰ぎ、今回のオンラインセミナーを開催致しました。

事前登録198名、当日は約160名の方にご参加頂き、
本テーマでの皆様の関心の高さを感じることができました。

記事内で語られているように、2021年度はWebメディア各社様において
さまざまなリード獲得プラン、企画、オンラインセミナーメニューを拡充・強化していく方針となります。

弊社メディックスとしても、このような時代の流れを受け、
クライアント様の課題に応じた最適なプランを今後もご提案させて頂きますので今後ともどうぞよろしくお願い致します。

Tag: BtoBマーケティング


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メディックスBtoBマーケティング編集部

デジタルマーケティングの基本的な考え方や最新情報、実践的なノウハウを探している、BtoBマーケティング担当者向けに、日々のマーケティング業務のプラスになるお役立ち情報を厳選して発信しています。

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