この記事をご覧になっているBtoBマーケティングのご担当者の皆様は、リード獲得の最大化のために日々様々な工夫をされていると思います。
その手段の一つとして、「お問い合わせ」「お見積もり」「資料ダウンロード」など複数のコンバージョンポイントを設けているケースも多いのではないでしょうか?
また、BtoB商材だと検討期間が長くコンバージョン数が少ないことから、「入力フォームへの到達」や「サイト滞在期間」などリード獲得一歩手前のアクションを、ライトコンバージョンとして計測しているケースも少なくないでしょう。
しかし、ただコンバージョンポイントを増やしても、ターゲットに合致する有効なリードにつながらないことも多々あるのではないでしょうか。
「商談につながらないコンバージョンばかり増えてしまった…」
「このコンバージョンポイントは有効リードへの転換率が低いからどうにかしたい」
「有効なリードにつながりやすいコンバージョンを増やしたい」
本記事では、有効リードへの転換率をもとに各コンバージョンポイントの価値の重要度を設定し、獲得したいコンバージョンの最大化に成功した事例と、成功に導くポイントについて、前編・後編に分けて解説します。
目次
有効リードの最大化につなげるための自動入札とは
数年前までは、運用者が各キーワードに個別に入札単価を設定する「手動入札」が一般的でした。現在は、GoogleやYahoo!など広告媒体の機械学習の精度向上により、「自動入札」が主流になっています。
自動入札とは、指定した目標に応じて入札単価が自動で設定され、広告の配信を調節してくれる機能です。
ユーザが使用しているOSやアプリ、デバイス、時刻など様々なシグナルが考慮され、その時々のオークションに適切な単価を自動で調節します。
自動入札は多数種類があり、一定のコンバージョン数を満たしてないと設定できないものもあります。
キャンペーンの目的やコンバージョン数など状況に合わせて最適なものを選択しましょう。
BtoBの広告運用で自動入札が失敗するケース
自動入札で最もメジャーなのはtCPA(目標コンバージョン単価)ではないでしょうか。
tCPAとは、目標として追っているコンバージョン単価をそのまま媒体へ設定できる入札戦略です。
tCPAは、コンバージョン数が十分にあるケースでは使用しやすく、CPAの改善が見込めるでしょう。
ただしこの方法で成功するには「どこのコンバージョンポイントを自動入札の学習対象とするか」が鍵となります。
例えば、コンバージョン数が少ない広告アカウントにおいて、「ライトコンバージョン数も自動入札の学習対象に加えてみよう。」と施策を始めたとします。
媒体で計測できるコンバージョン数は増えるので学習は回りやすく、媒体上のCPA(コンバージョン単価)はおそらく改善していくでしょう。
しかし、蓋をあけてみたら、ライトコンバージョン数ばかりが増加し、元々計測していた本来のコンバージョン数は以前より減少、ターゲットに合致する有効リードも減少してしまった…となることも少なくありません。
tCPAでは、コンバージョンポイントごとの価値の重要度をもとにした評価ができないため、上記のようなことが起こる可能性が高いのです。
BtoBの広告運用でもおすすめはtROAS(目標広告費用対効果)
BtoB商材での広告運用でも、tROAS(目標広告費用対効果)がおすすめです。
tROASはEC向けの自動入札と思われる方が多いのではないでしょうか。
広告の管理画面では、コンバージョンポイントごとに、値を設定することができます(コンバージョン値)。
ECサイトの広告運用では、このコンバージョン値には売上を割り当てることが多いのですが、BtoBではコンバージョンの価値を入力して利用できます。
ここでいうコンバージョンの価値とは、主に基幹システムで管理している最終的に狙いたいリード(商談、成約など)への転換率をもとに算出した数値です。
- この設定をすることで、単にコンバージョンの数の増加だけでなく、価値の高いコンバージョンへ広告予算を投資することで、質の高いコンバージョンの増加が見込めるようになります。
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効果改善の肝!コンバージョン値の重要度の設計
tROASを成功させる際に最も重要となるのは、自動入札開始前のコンバージョン値の重みづけの設計です。
各コンバージョンポイントから、最終的に狙いたいポイント(商談、成約など)への転換率を算出します。
それをもとに、コンバージョン値の重みづけ(重要度)を検討します。最終的に狙いたいポイントに近ければ近いほど高く、遠ければ価値を低くします。
コンバージョン値の重みづけが決まったら、広告管理画面のコンバージョン設定画面にて、コンバージョン値を設定・保存します。-
<管理画面での設定方法・Google>
設定対象となるコンバージョンアクションの編集画面に移動し、「値」を開き、“すべてのコンバージョンに同一の価値を割り当てる”を選択し、決定したコンバージョン値を入力して保存します。
- <管理画面での設定方法・Yahoo!>
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“1コンバージョンあたりの価値”に決定したコンバージョン値を入力し作成ボタンをクリックします。
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既に発行しているコンバージョンを修正する場合は、管理画面でコンバージョン値を入力し、保存ボタンをクリックした後に、タグを再度設置する必要があります。
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2週間経過してコンバージョン数が十分に蓄積されたら、対象キャンペーンの入札戦略をtROASに変更し、運用をスタートさせましょう。
※なお、自動入札の学習は過去30日分のデータを参照するため、30日間蓄積してから変更したほうがより安定して学習を回すことができます。
まとめ
こちらの記事では、BtoBでもコンバージョン値を使用した運用、tROASをおすすめする理由をお伝えしました。
後編ではtROASの実績と成功したポイントをご紹介します。