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BtoBのアップセルを成功させるポイントは?アップセルに適したタイミングも解説

Jun 28, 2021 5:00:00 PM

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「BtoBでのアップセルってどうやるの?」
「アップセルに適したタイミングがあるなら知りたい」

BtoB企業のマーケティング担当者のなかには、このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

お客様が検討中の商品やサービスより、上位の製品やプランを購入してもらえれば、売上の増大につなげられます。しかし、タイミングによっては効果がないケースもあるので、適切な時期を知っておくことが大切です。

本記事では、BtoBにおいてアップセルが必要な理由と、成功に結びつきやすいタイミングや方法を詳しく解説します。

目次

 

アップセルとは

 

「アップセル」とは、自社の製品・サービスを検討中の顧客に対して、より上位のものを購入してもらうことを指します。アップセルの例には、次のようなものがあります。

・データ通信のみ5GB月額1,000円のプランから、通話もできる1,500円のプランに乗り換えてもらう

・検討中であった5万円のスマホではなく、より高機能の8万円の機種を購入してもらう

アップセルに成功すると、追加の販売コストをかけることなく、客単価を上げることで、売上を伸ばすことが可能になります。

アップセルと似た概念で混同しがちなのが「クロスセル」です。クロスセルでは、顧客が検討している製品・サービスと一緒に使用すると利便性が高まる商品を紹介し、あわせて購入してもらうことを指します。クロスセルの例には、次のようなものがあります。

・パソコンを購入する顧客に、セキュリティソフトもあわせて購入してもらう
・ プリンタを購入する顧客に、予備インクの購入をおすすめする

アップセルとクロスセルのどちらも、LTV(Life Time Value=顧客が自社にもたらす総収益)を高めるために効果的な施策です。

本記事では、このうちアップセルについてを、特に、BtoBにおける重要性を解説します。


 

BtoBにおいて、アップセルが必要な理由

 

売上は次のように、「顧客数」と「顧客単価」とに因数分解できます。
売上 = 顧客数 × 顧客単価

このどちらか、または両方を上げると、売上は必然的に上昇します。

しかし現代では、どの業界においても自助努力で「顧客数」を増やすことは容易なことではありません。インターネットが普及し、顧客は自分の意思で、自由に商品やサービスを選ぶようになったためです。

特にBtoBビジネスの場合、BtoCと比べて、もともと顧客数が少なく、いわゆる「母数が少ない」状態です。顧客の奪い合いに参戦しようとレッドオーシャンに飛び込むと、体力勝負となって疲弊するばかりになりかねません。

そのため、BtoBにおいて売上を拡大するなら、「顧客単価」を増やすことが近道とされています。その手段の1つが、本記事で紹介する「アップセル」なのです。

 

アップセルを行うのに適したタイミング

 

アップセルは、「購入を決める直前」に実施すると、成功率が高くなります。このタイミングは、顧客が自社の製品・サービスにもっとも高い関心を示しているときであり、上位の製品やサービスにも興味を持ってもらえるためです。

例えば、スマートフォンを購入することを決めた顧客に、「こちらの機種は1万円お高くなりますが、3つのカメラがついているので、よりきれいな写真が撮れますよ」とおすすめすると、「1万円しか変わらないなら、せっかくだしそちらがいいかな」と思ってもらえる可能性が高くなります。

また、既存顧客に対しては、「契約の継続」のタイミングが、アップセルに適しています。契約を継続する顧客は、少なくとも製品やサービスに満足を覚えている。と考えられるためです。

例えば、契約の更新月に、「本を月5冊まで1,000円で読めるプラン」から、「月10冊まで1,500円で読めるプラン」に誘導すると、「500円追加するだけで倍読めるなら、その方が得だし、変更しよう」と思ってもらえる可能性は高いでしょう。

 

BtoBで使える!アップセルの成功ポイント

 

BtoBでアップセルする際に、知っておくと成功に近づくポイントを3つ紹介します。

 

1.グレードに応じて、3種類のプランを用意すると成功しやすい

 

グレードに応じた3種類のプランを提示されると、人は真ん中のプランを選択する傾向が高いといわれています。これは、「松竹梅理論」と呼ばれ、行動心理学でも証明された理論です。優れたビジネスやセールスパーソンは、採用することが多い手法です。

サービスに申し込むことは決めたものの、どのプランにしようか?迷っている顧客は、一番安いプランは「品質が劣るのでは?」と不安を感じます。かといって、もっとも高いプランだと「贅沢な気がする。失敗したら損をする」という心理が働きます。そのため、「安いプランよりは高品質が期待でき、高いプランよりはお得」な感じがする、真ん中のプランが選ばれやすくなるのです。

例えば、動画視聴サービスを提供するとしましょう。基本プランは、標準画質で同時視聴は1台のみの接続ですが、標準プランでは、高画質で2台まで同時に接続できます。家族がいる顧客なら、「せっかくなら画質が高いほうがいいな。家族で別々のものを見られると便利だし。」と考えそうです。しかし、さらにその上のプレミアムプランになると、4K対応で4台接続となり、プランベースが高くなるため、「そこまでは不要かな」と思う人が多いのではないでしょうか。結果的に、ファミリー層には標準プランが多く選ばれる、ということになるのです。

松竹梅理論では、主力としたい価格帯の商品やサービスを、真ん中に持ってくることがポイントです。そうすることで、低価格帯のプランを検討していた顧客に、主力の売りたいプランを選んでもらえる。つまり、アップセルを実現しやすくなります。

 

2.長期契約の料金を、値下げする

 

もし今、顧客に提供しているサービスが、月単位の契約や料金体系しかないのであれば、「6ヵ月契約」「12ヵ月契約」など、割安になる長期の契約・料金体系を提供するのも方法の1つです。

例えば、1ヵ月1,000円で提供しているサービスを、6ヵ月なら5,500円。12ヵ月なら1万円と、契約が長くなるほどお得になる料金プランを提供すると、長期契約してもらいやすくなります。

企業側にしてみれば、「1ヵ月1,000円で12ヵ月1万2,000円もらったほうが、売上が大きい」と考えてしまいます。しかし、毎月支払いがある場合、顧客に毎月解約を検討する機会を与えていることを忘れてはいけません。

確かに、毎月1,000円で12ヵ月継続してもらえれば、売上は大きくなりますが、8ヵ月で解約されてしまったら得られる売上は8,000円で打ち止めです。多少割り引いてでも、長期契約を結んでもらったほうが、結果的にLTVは大きくなるケースが多いのです。

BtoBのサブスクリプションモデルのSaaSを提供しているのであれば、初回に無料トライアルを用意するのも効果的です。そこで、顧客が満足できる体験を提供できれば、喜んで長期契約を結んでくれることが期待できるでしょう。

 

3.いつでも手軽に、アップセルできる環境を用意する

 

顧客にコンサルティングなどを提供しているなら、日々やりとりしているメールの署名欄に、上位プランの紹介をリンクとともに添えるなど、顧客にその存在を認識してもらえるようにしておくことも大切です。上位プランがあることを知らなければ、選択肢に入れてもらえません。

また、顧客から「上位プランに申し込みたいのですが、どうすればいいのでしょうか」という質問が寄せられるのを待つのではなく、気になったとき・思い立ったときに、手軽にアクションを起こせるような環境を用意しておくことも重要です。

BtoB向けSaaSであれば、管理画面で顧客自らアップセルの手続きを決済まで完了できるようにしておきましょう。プランを変更したいと思ったときに、「どこから申し込むのかな」と申し込み場所を探す必要があったり、営業を通さなければならないようなシステムだったりすると、「面倒くさい」「また今度にしよう」と思われて、機会損失につながります。

 

まとめ

 

ここまで、アップセルとは何か。また、その成功ポイントやタイミングについて紹介しました。アップセルに成功すれば、顧客数を増やす体力勝負に挑むことなく、自社の利益を着実に増やすことが可能です。自社サービスで検討の余地がある方は、ぜひ、取り組んでみてはいかがでしょうか。

メディックスでは、アップセルやクロスセルを実施する際の、マーケティング環境の分析やペルソナの設定、カスタマージャーニーマップの作成といったサービスを提供しています。アップセルやクロスセルに取り組んでみたいけれども、最初はサポートがあると安心と思われる方は、お気軽に相談してください。

Tag: BtoBマーケティング


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メディックスBtoBマーケティング編集部

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