リスティング広告により流入数は増えるがほとんどが離脱し、 CVにつながらない…
ビジネスエンジニアリング株式会社は、日本初となるSAP社のパートナーとしてSAP製品を取り扱っているほか、生産管理・販売管理・原価管理・経営管理を実現する製造業向けグローバルパッケージである「mcframe」の開発・販売などを行っています。そんな同社における新規顧客開拓の手段は、従来はオフラインでのセミナーや展示会が中心でした。一方で、オンラインについてはコーポレートサイトや製品サイトといったウェブサイトの運用に留まっていました。
そして、ある時期からウェブサイト経由での新規顧客の獲得件数が減少しはじめたと言います。そのためスポット的にリスティング広告を出稿したものの「期待したような成果は生まれなかった」と、新商品開発本部マーケティング企画本部マーケティング部部長の山下 武志 氏は振り返ります。
「リスティング広告を出稿すると一時的にウェブサイトへの流入数が急増しました。しかし、そのほとんどがすぐに離脱してしまうという状況で…。今振り返れば、リスティング広告のキーワードに合わせたランディングページを作らずに、既存のウェブページに遷移させていたことが原因だとわかりますが、何せ当時は、そのようなノウハウを持っていなかったんです」(山下氏)
リマーケティング広告での成果獲得により、再度リスティング広告の運用にチャレンジ
このような状況のなかで同社は、2016年にかねてから取引のあったメディックスにウェブ広告の運用に関する相談を持ちかけました。
「まずは、弊社が主催しているカンファレンスである『mcframe Day』の集客施策の一環としてリマーケティング広告の運用をお願いしました。カンファレンスの集客にウェブ広告を活用した経験は少なかったため、具体的な成果というよりは『広告を出稿して露出を増やすことができるだけでも、広告を運用する価値がある』といった程度に考えていました。しかし、蓋を開けてみると想定以上の成果を獲得することができたんです。『ウェブ広告もしっかりと設計し運用すれば成果につながるんだ』と痛感しましたね」(山
下氏)
リマーケティング広告の運用を通じてウェブ広告への手応えを感じた同社。その後、以前から課題感を持っていた製品サイト経由での問い合わせや資料請求といったコンバージョン獲得を増やすための方法の1つとして、リスティング広告の運用をメディックスに依頼することにしました。
「これまで、リスティング広告を出稿しても流入数が増えるだけでなかなか成果につながらないという経験がありました。それ以来、正直リスティング広告の効果には懐疑的だったんです。しかし、リマーケティング広告での成果獲得を踏まえて、キーワード選定や広告文制作といった面でメディックスさんのお力を借りて再度リスティング広告の運用にチャレンジすることを決めました」(山下氏)
メディックスに依頼する前から、同社内には、「リスティング広告から既存のウェブページへダイレクトに遷移させても効果が得られないのではないか?」「リスティング広告からの誘導を目的とした専用のランディングページを制作する必要があるのではないか?」といった意見がありました。そこで同社は、同じく2016年にCMS機能が利用できるMAツールを導入。まずは、仮説検証を目的として、リスティング広告用のランディングページを社内で内製し、そこに誘導するための広告をメディックスが運用。その結果、徐々に成果が改善していきました。
細部にもこだわったLP制作と継続的な改善で、CV獲得の成果を底上げ
当初、ランディングページはMAツールのテンプレートを利用して同社が内製していました。しかし、さらに成果を向上していくには、PDCAサイクルを回しながらクリエイティブを細かくチューニングしていく必要があります。そこで同社は、ランディングページ制作もメディックスに依頼することにしました。
実際にメディックスが制作したランディングページについて、新商品開発本部マーケティング企画本部マーケティング部の服部 剛士 氏は次のように評価します。
「私たちには、ランディングページ制作のノウハウがありませんでしたし、どうしても売り手目線に立ったプロダクトアウト的な内容に寄ってしまうという課題がありました。そのため、メディックスさんに制作を依頼したわけですが、全体構成はもちろん、言葉の言い回しや画像の使い方といった細部にもこだわった上で、買い手目線に立ったランディングページを制作してくれました。また、『一度制作して終わり』ではなく、その後も短いサイクルでウェブ広告のABテストを繰り返していただいたおかげで実際に成果が向上しました。『ランディングページは、細部へのこだわりが成果に大きく影響する』と感じましたね」(服部氏)
また、メディックスとの取り組みの過程では、これまで思いもつかなかったようなアイデアが生まれることもしばしばあると服部氏は付け加えます。
「メディックスさんからいただいたアイデアで特に印象に残っているのは、GDN配信ですかね。MAツールの導入後、私たちはウェブサイト上にコンバージョンポイントとして設置するeBookを複数本制作していました。メディックスさんからいただいた提案は、それらのeBookを『GDN のコンテンツとして配信してはどうか?』というものでした。また、『誘導用のランディングページを挟まず、ダイレクトにeBookダウンロードページへと遷移させた方が成果につながりやすい』というアドバイスもいただきました。そして、実際にご提案いただいた施策を実施したところ、多くの資料ダウンロードが発生したんです」(服部氏)
ウェブサイト経由でのCV数が大幅に増加し、部署間の業務理解・連携強化にも成功
取材時点(2019年10月)で、同社とメディックスとの取り組みはスタートしてから、すでに3年ほどが経過。この間、リスティング広告の運用をはじめ、MAツールのCMS機能を利用して、リスティング広告のキーワードや広告文と合致した内容のランディングページを制作するなど、様々な施策に取り組んできました。
そして、このような取り組みの結果、ウェブサイト経由での月次コンバージョン数(※)が従来と比べて約10倍に増加しました。
「今では、パートナーからの紹介を除いて純粋に自社で開拓した新規顧客のうち、半数程度はウェブサイト経由での問い合わせなどから生まれています。おかげさまで、営業が対応しきれないほどの顧客を創出できるようになりました」(山下氏)
さらに、その成果は、他部署のメンバーに「デジタルマーケティング」という仕事への理解を促し、部署間の業務理解と連携強化といった副次的効果にもつながっていると山下氏は語ります。
「成果が出ると、当然デジタルマーケティングに関する社内の印象も変わります。正直、当初はデジタルマーケティングに懐疑的な営業担当も多かったのですが、今では社内でもその意義が認められています」(山下氏)
※問い合わせや資料請求を目的とした入力フォーム送信数
デジタルマーケティングをともに推進する同志であり、真のプロフェッショナル
最後におふたりに、同社にとってメディックスがどのような存在なのかを伺いました。
「ウェブ広告の運用だけでなく、マーケティング全般の相談に乗っていただける頼もしい存在です。何か困ったことがあった時にも、ご相談をすればすぐに様々なご提案をいただけるのでとても助かっています。また、デジタルマーケティングの世界は潮流の移り変わりが激しいので、定例会の場で最新のトレンドを教えていただけるのはとてもありがたいです。GDNでのeBook配信の提案のように、そこから新たな施策のアイデアが生まれることもありますしね」(服部氏)
「一言で言えば、デジタルマーケティングの真のプロフェッショナルですね。私たちが思いつかないアイデアをもたらしてくれますし、定例会でのフィードバックは、デジタルマーケティングに関する私たちの新たなノウハウとして血肉となっていると実感しています。メディックスさんは、同志のような存在であり、デジタルマーケティングを進めていく上で欠かせないパートナーです」(山下氏)