対面式イベントが顧客との重要な接点だったため、コロナ禍で窮地に
2006年の創立以来、先進のIT製品・サービスを全国のパートナー企業に提供している株式会社イグアス。とりわけIBM製品に関しては、国内に4社しかいないVAD(バリュー・アディッド・ディストリビューター)として、多数の販売店やISV(独立系ソフトウェアベンダ)の営業支援・技術支援・マーケティング支援をしてきました。
そんな同社の特長の1つが、対面式のセミナーやイベントの開催支援です。全国8ヵ所に営業拠点を展開している強みを活かし、クライアントに対して緻密な支援を行ってきました。しかし、30年以上にわたって開催されてきたIBM iユーザ研究会主催の一大イベント「NEXT(旧・iSUC)」が中止となったことで、同社にも大きな変化が生じます。上級執行役員 ソリューション事業部 事業部長の伊藤 瑞穂氏は、次のように振り返ります。
「IBM iは、IBM Power®の統合オペレーティング環境(旧AS/400)で、多くの企業の基幹システムを支える存在です。『NEXT(旧・iSUC)』は、その最新情報を発信するとともに、ユーザ企業様とイグアスのパートナー様である販売店やISVとの交流の場でもありました。それが中止となったことで、IBM iのマーケット全体が冷え込んでしまうことが懸念されました」(伊藤氏)。
そこでイグアスは、iSUC/NEXTの思いを引き継ぐ形での大規模イベント「iEVOLUTION(以下、iEVO)」の立ち上げに踏み切りました。ところが、準備を進めていた矢先に新型コロナウイルスの感染が拡大。開催を支援するパートナーのセミナーが、次々に中止へ追い込まれる中で、イグアスは大きな決断を迫られます。
「大人数が集まることのできる会場も確保していたので、判断にはギリギリまで迷いましたが、安全を優先しました。最終的に、対面式での開催は断念しました。しかし、イベント自体を中止してしまうと、それこそマーケットの衰退化を招いてしまいます。なんとか状況を打開したいという想いから、デジタルイベントでの開催に切り替える決断をしました」(伊藤氏)。