「なぜCV がとれているのか」がわからず、ノウハウが蓄積されない状態が続く…
リスモン・ビジネス・ポータル株式会社は、リスクモンスター株式会社のグループ企業として、組織のスムーズな運営や業務効率化に役立つクラウド型グループウェア「J-MOTTO(ジェイ・モット)」を運営し、約4,000 社・14 万ユーザと、ASP・クラウド型としてはトップレベルの導入実績があります。同社がこのように多くの支持を得ている理由について、営業部リーダーの杉田 尚子 氏は、次のように分析します。
「あえて自社でシステム開発を行わず、各サービスのトップシェア製品をSaaS 形式で提供しています。そのため、1 ユーザ月額150 円という低価格でご提供できるほか、サポートや運営に力を注ぐことができます」(杉田氏)。
可能な限り顧客に還元しようとする企業姿勢は、少数精鋭体制にも表れています。営業部は杉田氏を含め数名で、マーケティング業務には専属の人材を配置せず、営業部員が兼務しています。システム開発と同様、専門性の高い業務は外部パートナーと取り組むスタイルです。一方で、マーケティングに関しては、いくつかの課題を抱えていたと杉田氏は語ります。
「従来行っていたマーケティング施策は、外部メディアに記事を出稿し、資料請求いただいた後に、紙のパンフレットを郵送するというアナログな方法が中心でした。そのため、社内にはデジタルマーケティングの知見がほとんどありませんでした。そこで、リスティング広告とSEO 対策を外部パートナーに依頼したのですが、一定のCV 数は達成できているものの『なぜCVがとれているのか』がわからず、ノウハウが蓄積されない状態が続いてしまったのです」(杉田氏)
現状に疑問を感じながらも、そのような状況から脱却できなかった理由について、杉田氏はさらに次のように語ります。
「弊社側には、適切な判断や指摘ができるほどの知識がなく、その習熟のために活用できる時間も限られていました。そこで、解決のためにパートナーとの信頼関係の構築を試みましたが、担当者の交代が相次ぎ、難しい状況でした」(杉田氏)
“もやもや”を1つずつ紐解き、疑問をすべて解決
「成果は出ているが、その根拠が不明瞭で、次の施策につなげることができない…」という状況に陥ってしまった杉田氏は、定期的な見直しの一環としてコンペを実施しました。そこで目を止めたのがメディックスの提案でした。
「正直に申し上げると、コンペ開催前からパートナーを変更しようという明確な意図があったわけではありません。見直しを告げることで、従来のパートナーからより良い提案を引き出せるのではないか?という思いもありました。しかし、メディックスさんにいただいたご提案からは、弊社の課題を解決しようとする姿勢がにじみ出ていました。例えば、『BtoB取引は土日が休みであることが多いので、土日の配信は停止したほうがいい』など『なんとなくうまくいかない』と感じていた要素を1 つひとつ紐解いた上で、具体的な改善点を説明してくださったので、非常にわかりやすいと感じました。加えて、当時、私は前任から担当を引き継いだばかりで、マーケティング施策に関連する用語の意味を十分に理解できていなかったので、その都度、噛み砕いた説明をしていただくなど、弊社が理解できるレベルにきちんと落とし込んでくれたのが、ご依頼の決め手となりました」(杉田氏)
デジタルマーケティング全体の最適化で、CV後の成約が1.5ポイントも向上
もともと一定の成果を挙げていたパートナーからの切り替えですから、従来以上の“数字”も求められます。当然、杉田氏にもプレッシャーがかかります。
「そのあたりも率直にメディックスさんにご相談したところ、導線を見直して全体を最適化するとともに、Facebook広告の追加やディスプレイ広告の再開も提案いただきました。ディスプレイ広告に関しては、単価の高さから停止していましたが、長い目で見れば広くCVがとれる上に、CV率も高いことを教えていただきました」(杉田氏)
さらに、導線を見直す中で、LPやサイトなどの改修、ホワイトペーパー、バナーといったコンテンツ制作も行うなど、1年間かけて、デジタルマーケティングに関する部分を全体的にメンテナンスしていきました。
「結果としてCV 数が倍増した上、CV後に成約へ至る割合が1.5ポイントも向上しました。特に、ホワイトペーパーを活用して、自社メディアでの刈り取りができるようになったことは大きな成果だと感じています。従来は外部メディアで、自社メディアの5倍近いCV数を獲得していたのですが、現在ではその割合が逆転しています。実は、一部の外部メディアのCV数が急落したのですが、自社メディアのテコ入れをしたおかげで、そうした外部要因の影響を受けず、安定的にCV数を確保できる体制を確立することができました」(杉田氏)
ホワイトペーパーを活用した施策の副次的な効果について、さらに杉田氏は、次のように語ります。
「外部メディアへの記事出稿は、露出度が上がるため、一定の効果が期待できるのも確かです。一方、コントロールできない要因によってメディア自体の存在感が上下してしまうほか、出稿した記事を完全に自社の資産にすることができないケースや、場合によっては2次利用料などがかかるケースがあります。その点、ホワイトペーパーならば、外部メディア記事と同等のクオリティを維持しつつ、自社の資産としても活用できます。外部メディア出稿時のフォローコンテンツとして、リード獲得に利用できるのも大きなメリッ
トだと思います」(杉田氏)
また、杉田氏は「コロナ禍で、従来行っていた資料請求を中心としたマーケティングの効果が薄まっていることもあり、ウェブを受け皿とする仕組みを早めに構築できた点も満足しています」とした上で、社内からの評価を次のように話します。
「経営層からも高評価で、2年目の予算は10%増額となりました。明確な成果が見えにくい広告領域は、予算取りが難しいケースもありますが、メディックスさんは原因と結果がわかりやすい丁寧な報告をいただけるので、非常に助かっています」(杉田氏)
「マーケティングにおける伴走者」として、ゴールを見据えた戦略支援を
自社のマーケティングに取り組む上で、メディックスはどんな存在となってきているのか、改めて伺いました。
「毎月の定例会でいただく報告書に、『マーケティングにおける伴走者として』と書かれているのですが、まさにそのとおりだと感じています。弊社の最終ゴールを理解した上で、マーケティング施策全体を様々な角度から見て、的確な提案をしてくださっています」(杉田氏)
メディックスとの関係について、杉田氏は、さらに次のように語ります。
「広告会社やマーケティング会社は、強みを持っている領域がそれぞれ違うので、コンテンツの制作をご相談しても、ライターさんを紹介されるだけ、というケースもあります。その点、メディックスさんはウェブから紙媒体まで、すべての領域をカバーしているので、相談しやすいですね。また、外部メディアへの出稿に関して相談する場合、広告会社によっては、特定メディアとの関係性が強いところもありますが、そうしたしがらみがないので、そのタイミングで弊社にとって最適なところを教えてもらえます」(杉田氏)
最後に、今後メディックスに期待することを伺いました。
「これまで対応できていなかった、アップセルのアプローチに力を入れていこうと思っています。例えば、業種別、デバイス別のアプローチを検討するなど、セグメントを分けた深い取り組みでのご提案を期待しています。また、MAツールの導入に関する相談もしているところで、今後も弊社のマーケティングの伴走者として、ご支援いただくことを期待しています」(杉田氏)