単に数を稼ぐのではなく、「資料請求」のリードを伸ばしたい
採用管理システム「sonar ATS」を開発・販売するThinkings株式会社。「採用の『解像度』を上げる。真のマッチングを、実現する。」というキャッチコピーのとおり、採用における課題解決の支援と、採用担当者の業務効率化を実現するシステムとして、導入企業から高い評価を受けています。
しかし、評判の高さとは裏腹に、認知度が高くないことが悩みでした。一方、採用難の時代を迎えて採用管理システムを取り扱う企業は増加しています。競争の激しい市場の中で、リスティング広告の運用は苦戦していました。Marketing/Inside Sales&PR Div. Managerの加島 正幸 氏は次のように明かします。
「外部パートナー1名と契約し、担当社員との2名体制でインハウス運用をしていましたが、頭打ちの状況が続いていたのです。採用活動にお悩みの企業が急増している中で、弊社もHR Techカンパニーとして成長すべきフェーズになってきていますので、テコ入れをすることになりました」(加島氏)
Webマーケティングのプロフェッショナルに運用を任せたいと考えた同社は、最適なパートナーを選ぶため4社に提案を依頼しました。
「提案を依頼するにあたって、2つのお願いをしました。1つは、伸びしろがどこにあり、どのくらいの数字が達成できそうか、という予測。もう1つは、『資料請求』のリードを伸ばすための提案でした」(加島氏)
1つ目は、現状の的確な分析と、目標達成のための戦略立案能力を問うものといえるでしょう。そして2つ目は、MQL獲得数を増やすという明確な意志を示しています。
「当時は、それまでの運用が正しいのかどうか、今後どのくらい伸びしろがあるのかもわからない状態でしたので、その診断をプロにしてもらいたいという思いがありました。また、リード獲得数を増やすために、Facebook広告やホワイトペーパーを活用した施策が有効なことは理解してはいたものの、なかなか商談や受注にはつながらないという現実もあります。競争が激しい市場で、『資料請求』からリードを獲得するのは非常に困難ですが、だからこそ、そこを伸ばせる提案を期待しました」(加島氏)。
開始半年で、リード獲得数は125%増。予算増など経営層からの期待もアップ
加島氏の認識どおり、「資料請求」のリード獲得は決して簡単ではありません。提案コンペに参加した4社のうち、メディックス以外からは積極的な提案はありませんでした。
「予算も潤沢ではなかったので、ほか3社は現実的な提案をしてくださったのでしょう。でも、メディックスさんは、『リスティング広告で資料請求のリードを獲得する』というミッションに正面から向き合い、商談や受注に結びつけていくための道筋をしっかり示してくれました」(加島氏)
Thinkings社が設定しているKPIは、単なるリード数ではなく、MQLの数。達成するには、質をきっちりと担保していかなくてはなりません。
「メディックスさんの提案からは、有効なリードを獲得し続ける重要性を強く意識していることが伝わってきました。一緒に伸ばしていくパートナーとして頼りになると感じたのが、運用をお願いする最終的な決め手となりました」(加島氏)
実際に運用をスタートすると、成果はすぐに出ました。最初の半期で、獲得したリード数は前期比125%増。「即効性が非常に高かった」と加島氏は高く評価します。
「『お願いしてよかった』の一言に尽きます。総リード数も増加しましたが、際立つのは顕在系キーワードからのMQL数の多さですね。メディックスさんに入っていただく前と比べると、10倍以上になりました。キャンペーンの再構成、キーワードやクエリのこまめなチェック、入札戦略調整など、かなり細かくチューニングしていただいたおかげです」(加島氏)
とりわけキャンペーンは、指名・顕在・潜在とターゲットごとに細分化。それぞれに最適な機械学習を実施、きめ細かく運用調整を行い、高速でPDCAを回したことにより、より確度の高いユーザのリード数を伸ばすことができました。
「最初の半年で結果が出たこともあり、予算も途中で増やすことができました。KPI達成ペースで進捗していますし、MQL数が増えたことで商談数も増加しています」(加島氏)
密なフィードバックで、データドリブンなマーケティングが実現
メディックスが運用を担ったことは、マーケティング戦略そのものにも好影響をおよぼしました。Thinkings社の製品同様に、「マーケティングの解像度が上がった」と加島氏は手応えを明かします。
「『sonar ATS』の認知度が今ひとつ上がらなかった要因でもあるのですが、プロダクトの精度向上を優先していたため、相対的にマーケティング活動が不十分でした。メディックスさんの支援を受けて感じたのは、以前のリスティング広告でのインハウス運用はスキル不足で、取り組みのデータ分析もできていなかった、ということです。しかし、今は高速でPDCA を回しつつ、都度フィードバックをいただいているので、データに基づいて戦略を考えることができています」(加島氏)
専門的なスキルとノウハウが要求される広告運用をプロフェッショナルに任せたことで、マーケティング部門が本来注力すべき戦略立案にリソースを割けるようになった、というわけです。データドリブンな取り組みが可能になったことで、次のターゲットも見えてきました。
「データを細かく整理できるようになってわかったことですが、Web検索経由で入ってくる企業は、規模も業種も、わりと限定的だったのです。それまでリード獲得できていない業種に、どうアプローチしていくか、といった課題が可視化されたことも、メディックスさんに支援いただいた成果の1つだと思っています」(加島氏)
そうした課題が顕在化した背景には、密接に連携したコミュニケーションがあります。月1回の定例会に加え、必要な時には別途相談や報告のミーティングを実施し、密に連携することで実践的なノウハウが蓄積できたと加島氏は話します。
「目の前の運用を具体的に説明してもらえることで、『そういうやり方があったのか』『プロセスをきちんと踏まないと伸ばせないんだな』といった、気づきが社内に生まれています。MQLの獲得だけではなく、マーケティングチームとしての成長を支えてくださっている実感があり、そうしたサポートを今後も期待しています」(加島氏)
Webマーケティングは、Cookie規制の影響で今後大きく変わっていくことが予想されます。加島氏は、そうした過渡期を乗り切るため、日々の広告運用にとどまらない支援もメディックスに期待しているようです。