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マーケティング4Pは現在のBtoBマーケティングに適している?代わる概念を紹介

Sep 28, 2021 5:00:00 PM
BMコラム_4P

「4PはBtoBマーケティングでも使えるの?」
「4Pに代わるものがあるなら知りたい」
このようにお悩みのBtoBマーケターは少なくないようです。

4Pは、マーケティング戦略プロセスで、具体的な施策を立てるときに検討すべき重要な要素です。しかし最近では、4PはBtoBには適していない、といった声も聞こえるようになりました。

本記事では、マーケティングの4Pとはどのようなものか、BtoBでも活用できるのか、ほかに代わるフレームワークはあるのか、について紹介します。


目次

 

マーケティングの4Pとは


マーケティングにおける4Pとは、マーケティング戦略を検討する際に行う、マーケティングミックスの手法の1つで、下記4つの構成要素の頭文字をとったものです。


  • ・Product(製品)
  • ・Price(価格)
  • ・Place(流通)
  • ・Promotion(プロモーション)

マーケティング戦略を検討するプロセスは、大きく次の3つのステップを踏みます。


  1. 1. 環境分析:PEST分析やSWOT分析などで、自社を取り巻く環境を分析する
  2. 2. 基本戦略:ターゲット設定やポジショニングを行う
  3. 3. 具体的施策:マーケティングミックスで、4P分析などを行う

企業は、このように環境分析をしたあと、基本戦略を定め、戦略に沿った具体的施策を立案して、実行します。マーケティングミックスは、この3ステップ目にあたる具体的施策にあたり、4つのPそれぞれに対する打ち手を組み合わせることで、マーケティング施策を具現化します。


具体的には、4Pそれぞれについて次のような内容を考え、施策を立てます。


Product(製品)

Productでは、企業としてどのような製品を提供するのかを、製品の機能や品質、デザイン、アフターサービスなども含めて検討します。


Price(価格)

Priceでは、利益を確保するために、価格体系や支払い条件、製品ライフサイクルなどを考慮して、製品やサービスの価格、経費を検討します。


Place(流通)

Placeでは、製品やサービスを顧客に届ける方法を、オンライン/オフライン、直販/代理店、販売チャネルなどを考慮して検討します。


Promotion(プロモーション)

Promotionでは、Webサイトやマス広告、広報、セミナーなど、顧客から認知を得る手段を検討します。

しかし、近年4Pは、「BtoBには適していない」との声も多く聞こえてくるようになりました。次章では、その理由を詳しく解説します。


4Pが現在のBtoBマーケティングに適していないと言われる理由


4Pが提唱されてから50年あまりが過ぎ、市場環境や顧客の購買プロセスは大きく変化しました。そのため、「4Pは現在のBtoBマーケティングには適さない」とも言われています。その具体的理由を解説します。


どの業界においても、競合が多い状況になった


4Pが提唱された当時は、いい商品やサービスを作り、それが顧客に評価されれば売れる時代でした。しかし、現在は、どの業界でも多くの競合が存在し、BtoBを含むほとんどの市場は飽和しています。つまり、市場の多くが圧倒的な「買い手市場」となっているのです。

市場での競争に勝ち抜くために、プロダクトを差別化しようと差別化戦略を図り、一時的に競合との差別化に成功することもあります。しかし、情報収集が容易にでき、技術力も高くなった今では、すぐに追従されてしまいます。その結果、どの市場も似たような製品やサービスがあふれてしまい、「Product」で、市場での優位性を保つのは難しくなりました。


価格競争には限界がある


「Product」で差別化することが困難になると、企業は価格の値下げを考えます。それは、「Price」で市場の優位性を保つ戦略です。似たような商品であれば、顧客は価格が安いものを選ぶ傾向にあるためです。

しかし、一社が価格を下げると、競合も遅れをとるまいと追従します。そうすると価格競争に陥り、体力勝負の消耗戦となるのです。その結果、もともと体力のあった企業だけが生き残ることになります。多数の敗者が生まれ、生き残った企業も体力が落ち、市場全体が疲弊してしまうのです。

また、BtoBにおいては、顧客は「安さ」よりも「投資対効果」を求める傾向にあります。「多少高価であっても成果が出るプロダクト」が求められるBtoB市場では、「Price」で市場の優位性を保つ戦略は、効果的ではないのです。


インターネットでの情報収集が、あたり前になった


それでは、「Place」と「Promotion」についてはどうでしょうか。

BtoBにおいては、ひと昔前までは、企業の営業担当者による訪問を受けたり、電話で情報収集したりして、購買を決断するのがほとんどでした。しかし、現在は、情報収集はインターネットを活用するのが当たり前になっています。

実際、メディックスが2020年版としてIT製品やサービスの導入関係者516名にとったアンケートでも、「認知のきっかけ」となった情報源として、もっとも多かったのは「検索エンジン」で、続いて「Webメディア」との結果が出ています。(調査期間:2019年11月07日~2019年11月10日)

詳しくは、「IT製品・サービスの選定に至るまでの情報収集源とは?【BtoBマーケティング調査報告】」もご覧ください。

このように、BtoBにおける、企業と顧客のタッチポイント(接点)は大きく変化していることがうかがえます。

従来の展示会や直接営業の手法も、まだ活用されてはいるものの、コロナ禍の影響もあり、非対面での顧客との接触方法を考えるのは、もはやBtoB企業にとって緊急の課題となっています。このような変化の中で市場の優位性を保つには、「Place」で販売経路を考えることよりも、まずは、インターネットという局地戦で勝利することが求められます。

そして、「Promotion」においても、選択の主導権が顧客に移った以上、「どう広告・宣伝するか」よりも、どうすれば顧客に「選んでもらえるか」「継続利用してもらえるか」に視点を移して考えることが必要になったのです。


企業視点から顧客視点での、施策立案が必要になった


このように、消費者行動の多様化や購買行動が変化したことで、4Pでマーケティング施策を立てるのは難しくなりました。

「企業視点」で施策を立てるためのフレームワークであることが、買い手市場へと移り変わったBtoBマーケティングに適さなくなった大きな理由の1つです。

これからマーケティング戦略を検討するのであれば、「自社の製品やサービスが顧客となる企業の課題を、どのように解決できるのか?」という、「顧客視点」でのマーケティングミックスを考えることが重要です。


BtoBマーケティングに適した概念「SAVE」とは?


マーケティングミックスを企業視点の4Pで考えるのが難しくなった今、BtoBにおいて注目されているのが「SAVE」です。

「SAVE」は、4Pに代わる新しいフレームワークで、下記の頭文字を取ったものです。


  • ・Solution(解決策)
  • ・Access(接点)
  • ・Value(価値)
  • ・Education(啓蒙)

それぞれ、どのようなものかを見ていきましょう。


Solution(解決策)


Solution(解決策)では、Product(製品)の機能に注目するのではなく、顧客のどんな課題を解決するのか、に注目します。

市場が飽和している今、商品やサービスの品質の良さは、もはや「あたり前」です。顧客に選んでもらうには、顧客が求める機能の先にあるもの、つまり、潜在的ニーズを見極めた上で、それを自社の商品やサービスでどう解決できるか、を考える必要があります。


Access(接点)


Access(接点)では、Place(流通)に注目するのではなく、見込み客との接点をいかに創出するかに注目します。

BtoBにおいても、顧客の購買行動の中心がインターネットに移った今、今後は商品やサービスをどう流通させるか、を考える以前に、まず、どのように接点を持つか、を考えなければなりません。インターネット上での代表的な接点としては、オウンドメディアやWeb広告、SNSなどが挙げられます。

顧客との接点をどのように持つか、を考えるには、顧客の認知から購入、そして購入後までの各プロセスを、時系列で表すカスタマージャーニーマップが役立ちます。


Value(価値)


Value(価値)では、Price(安さ)に注目するのではなく、顧客にとって投資対効果の良い価値を提供することを考えます。

特に、「その製品やサービスを利用することが、自社の利益に貢献するか?」を重視するBtoB企業においては、価格にこだわらない傾向があります。競合と似たような品質の製品であっても、価格の安さをアピールするより、顧客の売上に、いかに貢献するか、を明確に示してアプローチするのが効果的です。


Education(啓蒙)


Education(啓蒙)では、Promotion(広告宣伝)ばかりではなく、自社のメッセージをオウンドメディアやSNS、メールコンテンツなどを通して啓蒙することを重視します。

ひと昔前は、宣伝・広告することで購入に結びついていましたが、今は、こういったプッシュ型のアプローチは顧客には好まれません。Access(接点)を増やし、顧客に「見つけてもらう」コンテンツマーケティングといったプル型のアプローチを行うのが主流です。

ただし、BtoBにおいては、接点を持ってもらっただけでは、なかなか購入には至りません。顧客に対して、自社プロダクトの価値を継続的に伝えるなどして啓蒙し、購買行動プロセスを加速化させることが大切です。


まとめ


市場を取り巻く環境や顧客の購買行動の変化から、従来の「企業視点」の「4P」でマーケティングミックスを考えるのは難しくなりました。今後は、顧客が得られる価値を「顧客視点」で考える「SAVE」のようなフレームワークを使って、具体的な施策を考える必要があります。

顧客の抱える課題に対する「解決策」として、自社プロダクトを購入してもらうべく、顧客との様々な「接点」を持ち、自社が保有する投資対効果の高い「価値」を、効果的に伝え、自社サービスを「啓蒙」していこうと考えた時、BtoBにおいても、クオリティの高いコンテンツを作成することが重要になります。

ただそのためには、ライティングする際に専門的な知識が必要になることも多く、アウトソースが難しいと悩み・考える方も多いようです。

メディックスでは、専門のテクニカルライターを保有しており、オウンドメディアに必要なコンテンツ制作からカスタマ―ジャーニーマップの制作、マーケティングオートメーション(MA)の導入・運用支援まで、ワンストップで提供しています。

また、コンテンツを制作して終わりではなく、Web広告などの集客施策と組み合わせた活用提案も行っています。

BtoBマーケティングでお困りの際は、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

Tag: BtoBマーケティング


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メディックスBtoBマーケティング編集部

デジタルマーケティングの基本的な考え方や最新情報、実践的なノウハウを探している、BtoBマーケティング担当者向けに、日々のマーケティング業務のプラスになるお役立ち情報を厳選して発信しています。

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