「BtoBマーケティングには、顧客管理が必要?」
「BtoBでの顧客管理方法が知りたい」
BtoB企業のマーケティング担当者の中には、このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
企業が企業に対してモノやサービスを提供するBtoBでは、「企業」が顧客となりますが、企業を顧客にすると階層や種類が多くなるため、顧客管理は容易ではありません。
しかし、部門間で連携し、正しく顧客データを管理できれば、様々な業務の効率化につながり、会社の業績アップが期待できます。つまり、マーケティング担当者だけではなく、BtoB企業では部門を問わず、顧客管理が非常に重要な取り組みとなるのです。
本記事では、BtoBで重要とされる顧客管理の取り組み方や、取り組んだ際のメリット、効率化に役立つツールなどを紹介します。
目次
BtoBにおける顧客管理とは?
「Business to Business」の略称であるBtoBは、企業が企業に対してモノやサービスを提供するビジネスモデルです。そのため、BtoBにおける顧客とは、「企業」になります。
企業を顧客にしているBtoBの顧客管理は、BtoCよりも管理するべきデータが複雑です。
例えば、1つの企業でも、企業>支店>部署>担当者といった階層に分けて、管理を行う必要があります。階層に分けて管理を行わなければ、支店・部署ごとに契約がある場合、顧客情報の整理が困難になるためです。
そのため、BtoBでは一口に「顧客」といっても
・企業の業種や従業員規模、年商
・担当者の役職、部署、氏名
・キーパーソンは、誰なのか
・見込み客、新規顧客、既存顧客
など、多様なデータを管理しなければなりません。
このように、多様なデータを管理することで、「誰が顧客で、誰が管理の対象なのか」といった認識を、組織内で統一できます。組織内で情報を共有することで、部門間での連携や業務効率化が実現できます。
正しく顧客情報を管理することで、合理的な戦略を立てやすくなり、顧客のニーズに的確な対応をしやすくなります。
顧客管理は、マーケティングとも密接な関係にある
顧客管理は、マーケティングとも密接な関係にあります。マーケティング施策を成功させるために重要なのが、「膨大な顧客情報」です。この膨大な顧客情報は、正しい顧客管理により、扱いやすい形で蓄積できます。
顧客管理によってマーケティングの精度を向上させるためには、
・マーケティング
・営業
・顧客担当(サポート部門含む)
の部門間で、創出した案件の進捗を共有することが重要です。
進捗を共有することで、マーケティング部門は、企業の収益に大きく貢献している顧客の、リード創出チャネルを把握できます。重要なチャネルを把握し、リソースを集中して投資できるので、より高い成果を得られます。
顧客管理(CRM)システムとは
マーケティングとも密接な関係がある顧客管理ですが、顧客のデータを効率よく管理したいときに役立つのは「顧客管理(CRM)システム」です。
顧客管理システムとは、その名のとおり顧客の情報を管理できるシステムのことです。「顧客管理」は、英語で「Customer Relationship Management」ですので、略して「CRMシステム」とも呼ばれます。経理や営業、マーケティングなど、各部署が扱う顧客情報を一元的に扱える便利なツールです。
先述したように、BtoBでは顧客のデータが多様で、管理が難しいという特長があります。社内の誰もが顧客データにアクセスし、認識を共有できるようにしていなければ、効率的にビジネスを進めることは困難となるでしょう。
特に、組織が拡大すると顧客管理は難しくなる一方で、大きな機会損失が生まれる恐れがあります。BtoB企業は、顧客管理が行き詰まり、機会損失を生む前に、ツールを早めに導入して、システマティックな顧客管理を検討しなければなりません。
顧客管理システムの具体的な機能には、
・顧客の基本情報登録
・顧客との関係性登録
・顧客情報のデータ分析
・メールや電話の受付機能
・営業支援
・マーケティング支援
などが挙げられます。
これらの機能を活用すれば、企業とのあらゆる接点をデータベース化して分析し、顧客をセグメント化することで、顧客別のニーズやウォンツ、購買パターンを分析可能です。
また、システムを導入することで、顧客が求める商品やサービスをベストタイミングで提供できたり、情報を分析することで、商談の成立する確率を高められたりと、様々なメリットを得られます。
これらのメリットが得られる顧客管理システムは、「1人の顧客から得られる収益を最大化するためのツール」と言い換えられるでしょう。
顧客管理(CRM)システムを導入するメリット
顧客管理システム(以下、CRMシステム)を導入すると、具体的に、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
システムを導入することによって得られるメリットを、部署やポジションごとに解説します。
1.マーケティング
先述しましたが、マーケティングでCRMシステムを活用すれば、企業の売り上げに、さらに貢献できる施策を打てるようになります。
具体的なメリットの1つは、顧客との接点を統合的に管理することで、1人ひとりの顧客に対してパーソナライズした施策の提供ができる点です。また、顧客データを蓄積することで、引継ぎなどの不要な業務を減らし、担当者の負担も軽減できます。
さらに、顧客の統合的な管理と顧客データの蓄積により、データに基づいたメール配信やレポート作成が自動化できるのもメリットです。自動化により業務の効率化を実現でき、リソースをより重要な活動に充てられます。
ほかにも、CRMシステムを用いて情報を社内で共有することで、受注につながるチャネルに対してマーケティングリソースの集中ができるため、営業部門との連携の向上といった効果も期待できます。
2.営業マネージャー
顧客管理システムは、営業マネージャにもメリットがあります。代表的な2つのメリットは、
・マネジメント活動の効率化
・継続的な営業活動による受注の増加
です。下記で詳しく解説します。
まず、挙げられるメリットは、「マネジメント活動の効率化」です。
顧客情報を把握することで、1人ひとりが担当している案件や、活動履歴などを把握できます。そのため、適切なタイミングでのマネジメントや、無駄な営業会議の削減が可能です。
2つ目のメリットは、「継続的な営業活動による受注の増加」です。
提案後に失注してしまったケースは、1度で諦めるのではなく、継続的にコミュニケーションをとり、提案することが重要です。システムに状況を記録し、リマインドする仕組みを構築しておけば、営業の担当者が変わっても、機会を失うことなく、継続的な提案が可能となります。結果的に、受注の増加が期待できます。
3.営業担当者
CRMシステムを活用した場合の、営業担当者のメリットも確認しておきましょう。
まず、CRMシステムに登録されている過去のデータを遡れば、新人であっても売れるパターンに沿った営業活動をしやすくなります。
さらに、CRMシステムでは、「商談件数」や「見積書提出件数」などの評価指標の設定が可能です。各担当者が評価指標の目標値に到達できているか、数値を見ることで把握できます。結果が出ていない担当者は、数値を見れば把握できるので、適切なタイミングで正しいマネジメントを受けることが可能です。マネジメントを受けることで、失注リスクを低減できます。
カスタマーサポートが扱う場合は、製品・サービスに対する問い合わせ履歴の登録や、その履歴を共有することによって、各担当者における顧客フォローサービスの品質の一貫性を保てるのがメリットです。
マーケティングオートメーションでも顧客管理が可能
ここまでCRMシステムの特長やメリットについて解説しましたが、上記で述べてきたような顧客管理は、「マーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)」でも実現できます。
MAツールとは、獲得した見込み客の情報を一元管理し、マーケティングを自動化・可視化するシステムのことです。顧客管理(CRM)機能のほかに、Webサイト構築機能やトラッキング機能、スコアリング機能など、様々な機能が利用できます。
例えば、MAツールの中でも代表的な「HubSpot(ハブスポット)」には、無料の顧客管理(CRM)機能をはじめ、安価なプランからシステムの利用を開始できます。
HubSpotについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
「HubSpotとは何か?機能や使い方、導入方法を徹底解説!」
顧客管理(CRM)ツールを導入してマーケティング効率を高めたいのであれば、MAツールやSFAツールも連携して運用することが重要です。3つのツールを連携させることで、リード獲得から商談、顧客維持までを効率的に進められます。
HubSpotは、それを実現できる代表的なマーケティングツールの1つです。
まとめ
企業が顧客となるBtoBでは、扱う顧客情報が多様になり、各部門間での連携も必要不可欠となるので、顧客管理は特に注力したい活動です。
効率よく顧客管理を行いたいのであれば、様々な機能を持ち、容易にデータの管理ができる、顧客管理(CRM)システムの導入を検討してみましょう。
MAツールでも顧客管理は可能で、MAツールと顧客管理(CRM)ツールを連携させることで、マーケティング効率をより高められます。
メディックスでは、本記事で触れた「HubSpot」をはじめ、「Marketo」、「Pardot」の導入・運用支援を実施しています。
また、お客様の収集した顧客データを基に、ペルソナ設計やカスタマージャーニーマップ制作の支援も実施していますので、これらサービスに興味がある場合は、お気軽にご相談ください。