「インハウスマーケティングには、どんなメリットやデメリットがあるの?」
「導入を成功させるコツを知っておきたい」
このようにお考えではないでしょうか。
マーケティング業務をアウトソーシングしている場合、全体像が見えずに施策を深掘りして進められないと感じることがあります。社員が育っていかないことにも、不安を覚える方もいるでしょう。
そのようなときに、インハウスマーケティングを検討する方が多いようです。しかし、マーケティングをインハウス化するのには、メリットもあればデメリットもあるので、両者を比較した上で判断することが大切です。
そこで本記事では、インハウスマーケティングのメリット・デメリットについて、成功させるコツとあわせて紹介します。本記事を最後まで読んでいただければ、自社で、どのようにインハウスマーケティングを進めていくか、道筋をつけられるようになるでしょう。
目次
インハウスマーケティングとは
インハウスマーケティングとは、自社のマーケティング業務の一部、またはすべてを、外部の代理店や制作会社などへ委託せずに、内製することを意味します。インハウス(in-house)は、ビジネス用語としては「自社」「組織内」などを意味する言葉で、アウトソース(外注)と対比させ、インソース(内製化)と呼ばれることもあります。
インハウスマーケティングには、メリット・デメリットの両方があるため、自社にとって何が最適かを見極めて検討することが大切です。次章から、インハウスマーケティングのメリット・デメリットを紹介します。
インハウスマーケティングのメリット
インハウスマーケティングを行うことには、次の3つのメリットがあります。
- 1.ノウハウを社内に蓄積できる
- 2.コスト削減につなげられる
- 3.代理店や制作会社などとのコミュニケーションコストを削減できる
順番に、解説します。
1.ノウハウを社内に蓄積できる
インハウスマーケティングを行うと、自社に各業務のノウハウが蓄積されていくことがメリットです。
例えば、Web広告の運用を代理店に外注し、任せっきりにした場合、何が上手くいって、何が上手くいかなかったか、といったノウハウが社内に蓄積されません。万が一、委託している代理店とトラブルになり、契約が解消されると、新たに契約した代理店が、ほぼゼロから学習していく必要があります。
一方、マーケティング業務をインハウス化すると、失敗も成功も含め、データやノウハウが自社に蓄積していきます。初期の体制構築は大変であるものの、インハウスマーケティングが軌道に乗れば、安定した事業運営が可能になるのです。
2.コスト削減につなげられる
インハウスマーケティングを実践すれば、コスト削減につながることもメリットです。
例えば、広告代理店にWeb広告の運用をアウトソーシングすると、運用額の●%といった形で手数料が上乗せされて請求されます。手数料が20%であれば、月予算100万円で広告を出向する場合、さらに20万円が必要になる計算です。
その点、広告運用をインハウスで行えば、手数料分のコストを削減できます。削減できたコスト分だけ許容CPAを大きくし、露出を増やすことも可能です。
3.代理店や制作会社などとのコミュニケーションコストを削減できる
代理店や制作会社などとのコミュニケーションコストを減らせることも、インハウスマーケティングを導入するメリットです。
代理店にマーケティングを委託する場合、初めに自社のビジネスを理解してもらい、その後も目標のすり合わせや、進捗・結果の共有といったコミュニケーションコストが発生します。Web広告の運用は広告代理店に、クリエイティブの制作はデザイン会社に、SEO記事の制作はコンテンツ制作会社にと、それぞれ別々に委託する場合には、3社とそれぞれやり取しなければなりません。
マーケティングをインハウスで行えば、そのようなコミュニケーションにかけるコストは不要になり、スピード感が大事な施策もすぐに実行できます。PDCAを高速で回せるようになれば、早く結果が出ることも期待できるでしょう。
インハウスマーケティングのデメリット
自社でノウハウを蓄積できる、コスト削減につながるなどのメリットがあるインハウスマーケティングですが、次のようなデメリットもあります。
- 1.専門性の高い人材が必要になる
- 2.ノウハウが属人化してしまう危険性がある
- 3.豊富な情報が入ってこなくなる
順番に、解説します。
1.専門性の高い人材が必要になる
インハウスマーケティングを行うには、自社に専門性の高い人材をそろえる必要があります。
Webマーケティング業務は、SEO対策やWeb広告運用、メールマーケティング、MAやCRMといったツール活用など、業務範囲が幅広いことが特長です。代理店や制作会社に委託すれば、各分野のプロフェッショナルが対応してくれるため、自社に、それらを運用できる人材がいなくても、問題なくマーケティング施策を実行できます。
しかし、インハウスで行う場合には、それぞれに精通した人材が社内に必要です。適任者がいない場合には、時間とコストをかけて、採用・育成していかなければなりません。専門性の高い人材を新たに採用するのであれば、代理店などに支払う手数料よりも人件費が高くつく可能性もあるでしょう。
2.ノウハウが属人化してしまう危険性がある
人材が育ち、インハウスマーケティングがうまくいったとしても、ノウハウが属人化してしまう危険性があるのもデメリットです。
Webマーケティングに必要なSEOや広告運用の知識は、専門性が高いので、内製化したからといって誰にでもできるものではありません。そのため、実践する担当者が固定化され、業務が属人化していく傾向があります。
業務の属人化が進むと、その担当者しかできない・わからないことが増えていき、知識やノウハウがブラックボックス化していきます。そして、その担当者が退職すると、ノウハウが失われてしまい、またゼロから始めることになる可能性があるのです。
3.豊富な情報が入ってこなくなる
アウトソーシングしていたマーケティング業務をインハウス化すると、代理店などから得ていた情報が入ってこなくなることもデメリットです。
代理店や制作会社は、多くのクライアントを抱えているため、様々なノウハウや事例を蓄積しています。特に、同じ業界の事例を豊富に扱っている場合には、代理店などを通して業界の最新情報を入手できる可能性があるでしょう。
また、専門業者である以上、継続的に新しい情報や技術を知識としてアップデートしているため、最新の手法での運用が期待できます。
しかし、インハウスマーケティングを行うために代理店や制作会社との契約を打ち切ってしまうと、そういった情報は入ってこなくなります。最前線で戦うには、自社で情報収集に努めなければならなくなるのがデメリットです。
インハウスマーケティングを成功させるコツ
これからインハウスマーケティングに取り組むときには、下記のコツを押さえておくと成功しやすくなります。
- ・徐々にインハウス化を進める
- ・インハウス化しないほうがいい業務を見極める
- ・代理店や制作会社との関係性を見直す
- ・社内でノウハウ共有の場を設ける
どのような内容かを解説します。
徐々にインハウス化を進める
アウトソーシングしていたマーケティング業務をインハウス化するときには、すべてをいきなり内製化するのではなく、徐々に進めることが成功のポイントです。
「外注費がもったいない」「どうせなら、全部インハウス化したい」と考え、いきなりアウトソーシングしていたマーケティング業務をすべて内製化しようとしても、人材が育っていなければ成果は望めません。ダメージが大きくなり、取り戻すのに長い時間がかかる可能性もあります。
また、経験者を採用すればすぐにインハウスマーケティングを始められると考えがちですが、インハウス運用するには、担当者の自社や自社プロダクトへの深い理解と知見が必要になります。
そのため、インハウスマーケティングを始めるときには、人材が採用・育成できた業務から少しずつ進めるのがおすすめです。そうすれば、採用や育成に慌てることなく内製化していけます。
インハウス化しないほうがいい業務を見極める
どんな業務でもインハウス化したほうが良いとは限りません。インハウス化するよりも、外部委託したほうが、費用対効果が良かったり、社員満足度が上がったりする業務もあります。
例えば、マーケティング戦略の立案といった上流工程は自社で行い、オペレーションだけ外部に委託すれば、コストを抑えることは可能です。マーケティング施策自体は、社内でコントロールできるため、社員の満足度が下がることはなく、ノウハウも蓄積していけます。
インハウス化に際しては、内製化する業務と外部委託する業務を、このような観点から見極めることも重要です。
代理店や制作会社との関係性を見直す
インハウス化を進めるにしても、代理店や制作会社との関係を一切解消してしまうのは、得策ではありません。代理店や制作会社は、業界の最新情報や最新技術の知識・ノウハウを常にアップデートしていることから、有益な情報源となるためです。
そのため、業務自体はインハウス化するとしても、引き続き定期的なコンサルティングを依頼するなど、ノウハウや情報提供の場を設けてもらうことを検討するのがおすすめです。
社内でノウハウ共有の場を設ける
インハウスマーケティングを行うときには、業務の属人化が課題になります。業務が特定の社員に属人化・ブラックボックス化するのを防ぐためには、定期的に担当者各々のノウハウを、全体に向けて共有する場を設けるのがおすすめです。
何が上手くいき、何が上手くいかなかったのか、といった事例を全体で共有し、できればそれを後から見返せるように動画に残す、社内QAサイトを構築するなどしておきましょう。誰でも必要な情報にアクセスできるようにしておき、担当者が急病で現場から長期離脱したり、退社したりしたときでも、スムーズに継続運用できる体制を整えておくことが大切です。
まとめ
様々な技術の進歩によりデジタル化が進み、顧客との接点は多様化しています。それと比例するように、マーケティング担当者の業務範囲も拡大する一方です。展示会やセミナーの企画だけではなく、オウンドメディアやWeb広告の運用管理など、日々の業務に追われている方も多いのではないでしょうか。
そのような状況で、変化の早いマーケティングトレンドにキャッチアップしながら、施策を実施していくためには、インハウスとアウトソーシングを上手く使い分けていくことが大切です。
なお、メディックスでは、長年にわたってBtoBに特化した支援を行ってきたことから、BtoBマーケティングのノウハウを保有しています。広告運用はもちろん、コンテンツ制作やマーケティングオートメーションの導入・運用まで、ワンストップで提供が可能です。
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