「IPアドレスは、BtoBマーケティングに活用できるの?」
「IPアドレスでターゲティングしたいけれど、方法がわからない」
このような悩みを抱えるBtoBマーケティング担当者は少なくありません。
マーケティングにおいては、ターゲットを絞り込むことで効果的なアプローチが実現します。Cookieの規制が厳しくなりつつある今、IPアドレスは有力な代替案となり得ます。
本記事では、IPアドレスとは何なのか?を解説した上で、IPアドレスを活用してターゲティングを行うメリットやその方法を紹介します。
目次
IPアドレスとは
IPとは、Internet Protocol(インターネットプロトコル)の頭文字を取った言葉です。インターネットに接続する端末(パソコンやスマホ、タブレット)に個別に割り当てられる住所のような存在であることから、IPアドレスと呼ばれます。
IPアドレスには、「動的IPアドレス」と「固定IPアドレス」があります。IPアドレスは、接続するISP(インターネットサービスプロバイダ−)が割り当てますが、動的アドレスは、ISPが保持しているIPアドレスのうち、接続に利用されていないものが順次割り当てられるため、接続するたびに変わるのが特長です。そのため、誰が、どのIPアドレスを、つかっているのかはわかりません。
一方、固定IPアドレスは、回線を切断して再接続しても、常に同じIPアドレスが割り当てられるため、利用者の特定が可能になります。大手企業の場合には、セキュリティを強固にする目的で、固定IPアドレスを選択することが多いのが特長です。
つまり、BtoBマーケティング担当者は、IPアドレスベースでターゲティングを行えば、狙った企業に対して高い精度のマーケティング施策を打てる可能性が高いのです。
IPアドレスによるターゲティングのメリット
国内のIPアドレスは、一般財団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)と呼ばれる組織が管理し、都道府県ごと、さらに市区町村に割り振っているため、地域情報を取得できます。さらに、企業は固定IPを用いることが多いので、「企業」「地域」をベースにターゲティングが可能になり、特に、BtoBマーケティングにおいては有力な情報を得られることがメリットです。
BtoBマーケティングにおいては、ターゲットを絞り込まなければ、効率的な働きかけはできません。そのため、ターゲティングが可能になるIPアドレスは役に立ちます。メディックスでも、ADMATRIX DSPを使用し、IPアドレスをもとにして、国内の企業、業種によるターゲティングを行うことで、効果的な広告運用を実施しています。
Cookie によるターゲティング
ターゲティングといえば、Cookieをイメージする人も多いのではないでしょうか。しかし近年、AppleのブラウザSafariにおいて、3rd Party Cookieを制限するITPがどんどん厳しくなり、Googleも同じように自社ブラウザChromeにおいて、3rd Party Cookieの廃止を目指しています。
世界的に個人情報の取り扱いが厳しくなっていくことを考えると、Cookieを前提にしたマーケティングは、今後どんどん難しくなっていくと考えられます。
Cookieの代替案としては、近年CNAMEを使用するトラッキング方法などが考えられ、一部MAや広告効果測定ツールなどでは、3rd Party Cookieに代わり、CNAMEでトラッキング対応を行っているところもあります。
しかし、個人情報保護の流れのなかでは、こういった代替案も今後、制限がかかる可能性も十分あり得ます。マーケターは常に動向を注視しておく必要があるでしょう。
IPアドレスターゲティングを用いたBtoBマーケティング活用例
それでは、IPアドレスをターゲティングデータとして用いて、BtoBマーケティングに活用する具体的な方法を紹介します。
Googleアナリティクスで、訪問ユーザの地域を特定
Googleアナリティクスでは、IPアドレスの情報をもとに、自社サイトに訪問するユーザの地域(都道府県や国)を特定することが可能です。Googleアナリティクスヘルプによると、IPから導きだされた地域情報は様々な理由で100%正確ではない。とされていますが、マーケティングの参考とするには十分です。
例えば、特定の地域を対象にBtoBビジネスを実施している場合は、ターゲットとしているエリアに正しくリーチしているか?を見極める重要な情報になります。想定よりも対象地域からのアクセスが少なければ、広告配信の比重を見直し、強化するなど、検討して活用することが可能です。
MAにおけるIP解析
MAでIP解析を実施することも可能です。例えば、Marketoでは、「Marketo ABM」といったIPアドレスをもとに、ABMを実施していくための機能の提供が開始されています。ABMとは、Account Based Marketing(アカウントベースドマーケティング)のことで、自社にとって重要顧客となり得る企業(アカウント)をターゲットとしてアプローチするBtoBの手法です。
同様にPardotでも、「MAPlus アクティビティコネクター for Pardot」といったABMを実施するための外部提供サービスがあります。よりBtoBに即したマーケティング、ABMを実施していく上では、こういった新機能や、外部提供サービスなどにも注目するのがおすすめです。
ABMについて、詳しくは、「アカウントベースドマーケティング(ABM)基礎!取り組むべき企業と具体的ステップ」をご覧ください。
まとめ
IPアドレスを活用し、地域や企業を特定すれば、効率的かつ効果的なBtoBマーケティングを実施できます。本記事でもふれたように、Cookieの取り扱いが厳しくなってきていることを考えると、今後はIPアドレスによるターゲティング手法や、そのほかの代替手法に注目していく必要があるでしょう。
メディックスでは、IPアドレスをもとに、ターゲティングを実施する広告配信なども行っております。これらサービスにご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。