「BtoBサイトのアクセス解析では何に注目したらいいの?」
「MAツールの解析機能との違いがよくわからない」
BtoBマーケティング担当者で、このようなお悩みをお持ちの方が多いようです。
アクセス解析を導入したものの、指標が多すぎて、どれが重要か判断できず、とりあえずデータは取っているものの放置している企業は少なくありません。集めたデータを分析・活用できれば、より多くのコンバージョンを得られるようになるはずです。
そこで本記事では、BtoBサイトのアクセスを解析する際に、押さえておきたいポイントを4つ紹介します。あわせて、MAツールの解析機能との違いや、使い分け方も解説しますので、参考にしてください。
目次
BtoBサイトとBtoCサイトの、解析時の大きな違い
BtoBはBtoCと比較して、「検討期間が長い」「購買に複数人が関与する」といった違いがあります。
このうち、両者のサイト解析に際し、大きな違いを生むのは、「検討期間が長い」という点です。検討期間が長くなると、「リピーター」の訪問割合が増える。また、検討中に、メールなどでトップページのURLが共有されることも多く、ランディングページのなかで、トップページが上位に入るといった、特長が現れます。
このような特長を踏まえ、次項で挙げるポイントを参考に、BtoBサイトのアクセス解析を実践しましょう。
※なお本記事では、代表的な解析ツールである「Googleアナリティクス」の指標を例に、話を進めます。
BtoB担当者が見るべき、アクセス解析時の4つの重要ポイント
BtoB担当者がアクセス解析する際に、必ず押さえておくべきポイントを4つ紹介します。
1.「新規」「リピーター」の訪問割合を把握する
まずは、新規顧客とリピーターの割合を確認しましょう。Googleアナリティクスでは、新規ユーザはNew Visitor、リピーターはReturning Visitorと表されます。
前述したとおり、BtoBでは、製品やサービス導入までの比較検討期間が長いため、その間に何度もサイトを訪問して情報を確認することから、リピーター数の割合が高いのが特長です。
逆に、BtoBサイトでリピーター訪問の割合が低い場合には、「コンテンツの品質が低い」「興味を持ってもらえていない」可能性が考えられるので、改善が必要です。リピーターがどのページにランディングしているのか、どのページに遷移しているのか、などを分析することも、リピーターにつながる新規顧客獲得のヒントになるでしょう。
2.流入経路を把握する
続けて、ユーザが、どのように自社サイトに訪問しているのか、流入経路(チャネル)の割合や行動の質を把握しましょう。
BtoBでの代表的な流入経路(チャネル)は、次のとおり。
- ・Organic Search(自然検索)
- ・Direct(直接訪問)
- ・Referral(他サイト)
- ・Paid Search(検索広告)
- ・Display(ディスプレイ広告)
- ・Email(メール)
- ・Social(SNS)
例えば、「流入経路(チャネル)」と「ランディングページ」を掛け合わせてみて、「セッション数」が多いものの、「直帰率」がほかに比べて高い場合、訪問してきたユーザは、「期待していた情報がなかった」と感じている可能性があります。閲覧のきっかけとなった「流入経路(チャネル)」での訴求内容と、「ランディングページ」の訴求内容に乖離がないか、ページの内容がわかりにくくないか、などをあらためて確認するといいでしょう。
3.デバイスを把握する
サイトを訪問した見込み客が、「パソコン」「モバイル」「タブレット」の、どのデバイスを使っているのかも重要なチェック項目です。
「うちはBtoBだから、パソコンが大半のはず」と思っていても、チェックしてみたら「モバイル」の割合が意外に高いことは決して珍しくありません。現状、モバイルのUIやUXを無視してサイトを構築している場合には、モバイルからの閲覧割合が、どれくらいあるのかは、必ず確認が必要です。
BtoBでは、パソコンでの閲覧の割合が高い傾向があることは事実です。しかし、これだけスマホが普及したなか、移動中などの外出先や、休憩中で、パソコンの前にいないときの「スマホ」を使用したアクセス(モバイルでのアクセス)は、今後ますます無視できなくなる可能性があります。
デバイスごとに、閲覧されているページや、ユーザの行動に、違う傾向が見られるかを把握すれば、コンテンツ制作時のUI設計や改善方針に活かすことが可能です。
4.コンバージョンへの貢献度を把握する
「検討期間が長い」BtoBにおいて、見込み客であるユーザは、コンバージョンに至るまでに複数回サイトを訪問するのが普通です。このような状況下では、コンバージョンに至る直前のクリックだけを評価するのはあまり意味を持ちません。
コンバージョンへの貢献度を比較するには、ゴールに関与した「直接効果」だけではなく、それをアシストした「間接効果」を知ることも重要になります。この考え方は、「アトリビューション」と呼ばれます。
解析ツールでは、広告以外の流入経路(チャネル)についても、間接効果を計測できます。アトリビューションの観点から、アシストコンバージョンやモデル比較ツールなどを活用し、間接的に貢献しているランディングページやチャネルについても把握し、改善施策に活用することが大切です。
なお、広告の効果測定に特化し、広告効果を可視化するツールとしては、広告効果測定ツールもあります。広告効果測定ツールとアナリティクスなどの解析ツールでは、間接効果のカウント方法や、計測している仕組み、タイミングなどが異なります。そのため、数値が必ずしも一致しないことには注意が必要です。どちらを正とするかは、自社の現状に合わせて判断しましょう。
MAツールの解析機能について
BtoB企業のマーケティング担当者は、「有望な見込み客の創出」を目的として、アクセス解析を実施している人も多いのではないでしょうか。
BtoBは「検討期間が長い」「購買に複数人が関与する」といった特長があることから、フォーム送信などをコンバージョンとし、獲得した見込み客に対して様々な形でコミュニケーションを図っていく必要があります。
コミュニケーションを行う上で、見込み客が、どのようなニーズを持ってサイトに訪問しているのか。といった「1ユーザ単位の行動」を把握したい時は、MAツールの解析機能がおすすめです。
MAツールの解析機能は、解析ツールと同様、基本的には計測したいページにタグを設置することで機能します。解析の対象となるのは、フォーム送信したユーザや、メルマガなどのメール内リンクをクリックしたユーザです。
メールに対するアクション情報はもちろん、サイトの閲覧行動をリード情報に紐づけることで、興味関心の度合いが高いと思われる特定のユーザの行動に焦点をあてて把握できるようになります。
MAツールの解析機能とアクセス解析ツール、どちらを使えば良いのか?
MAツールの解析機能と、アクセス解析ツールの両方が導入されているのであれば、どちらかを選ぶというよりは、使い分けて活用するのがおすすめです。
MAツールの解析機能は、1ユーザ単位で行動を分析できる点が、アクセス解析ツールと異なります。フォーム送信などにより、すでになんらかのアクションを起こした特定の顧客に対し、興味関心や検討度合いを把握するのに役立ちます。
対してアクセス解析は、その名のとおり、サイトのアクセス情報を基にしているので、リード情報の取得有無に関わらず、サイト全体の傾向や現状を把握するのに有効です。
このように、MAツールとアクセス解析ツールでは、扱うデータの質が異なります。両方をうまく活用することで、BtoB特有の「検討期間が長い」顧客に対して、より良いアプローチができるようになるのです。
BtoBは、アクセス解析だけではROASの可視化が難しい
BtoBの場合、「コンバージョン=売り上げではない」「検討期間が長い」ため、Googleアナリティクスをはじめとする一般的なアクセス解析ツールを用いるだけでは、ROAS(広告の費用対効果)を可視化するのは困難です。
メディックスでは、SFA(SalesCloud)と広告効果測定ツール(AD EbiS)をMAに連携させることによって、BtoBでは追うのが難しいとされているROASの可視化を実現しています。
詳しくは、下記の記事をご覧ください
「ROASを可視化するには?改善する方法や広告運用時の注意点も解説」
まとめ
検討期間の長いBtoBでは、顧客が何度もサイトを訪問して情報収集する傾向があるのが特長です。どの経路をたどり、どのようにコンバージョンに関与したのかは、アトリビューションの観点から把握することが大切です。
しかし、解析ツールを利用して得られる定量データは、デジタル化が進むとともに膨大になっていきます。この膨大なデータから有益な気づきを得るために、データの可視化に苦慮し、どのデータを、何に活用したらよいのか。と悩んでいるマーケターの方も少なくないようです。
メディックスでは、長年のBtoBクライアントの支援実績から、前述したROASの可視化への取り組みをはじめ、デジタルマーケティングの効果を最大化するための独自のサイト解析を実施しています。また、MAツール「Marketo」「Pardot」「HubSpot」の導入・活用支援や、獲得したリードのニーズを育成していくのに欠かせない、コンテンツ制作サービスも提供しています。
BtoBマーケティングでお困りの際は、お気軽にメディックスまでお問い合わせください。