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ROASを可視化するには?改善する方法や広告運用時の注意点も解説

Jul 27, 2021 5:00:00 PM

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「BtoBでも、ROASを確認する方法を知りたい」
「ROASの改善の仕方が、わからない」

BtoBマーケターのなかで、このような疑問を持つ人は少なくありません。広告を運用している以上、その成果を知った上で改善したいと思うのは当然です。しかし、BtoB商材でROASを算出するのは、実は簡単なことではありません。

本記事では、BtoBでROASを出すのが難しい理由を説明した上で、ROASを出すためにできること。そして、数値の改善方法まで、解説します。

目次

 

ROASとは

 

ROASとは、「Return On Advertising Spend」の頭文字を取った略語で、「ロアス」と読みます。広告投資額に対して売上が、どのくらい得られたのか?がわかる、投資額に対する回収率をパーセントであらわす指標です。

ROASは、次の計算式を用いて算出します。


ROAS=売上÷広告投資額×100%

 

例えば、広告費として50万円を投じ、200万円の売上があった場合、


ROAS=200万円÷50万円×100%=400%

 

となり、広告費に対して4倍の売上があった。つまり、広告費1円あたり、4円売り上げたことがわかります。

ROASは、数値が高いほど、費用対効果が高く、効果的な広告運用ができていると判断されます。ROASを算出して広告の効果を可視化すれば、広告費の優先度をつけたり、改善点を検証するのに役立ちます。

 

よく似た言葉で「ROI」や「CPA」がありますが、それぞれとの違いについても以下説明します。

 

ROASとROIとの違い

 

ROASは広告費に対する収益性を評価する指標である一方、ROIはあらゆる投資に対する収益性を評価する指標です。ROIは、以下のように計算されます。

ROI = (総収益 - 総費用) / 総費用

ROIは、マーケティング活動全体の収益性を測るための指標であり、広告だけでなく他のマーケティング関連の費用(商品開発費、販促費、人件費など)も考慮します。ROIが高いほど、マーケティング活動全体の収益が大きいことを示します。

簡単に言えば、ROASは広告に関する指標であり、ROIは広告を含む全体のマーケティング活動に関する指標です。ROASは特定の広告キャンペーンの効果を評価するために使われ、ROIはマーケティング戦略全体の収益性を評価するために使われます。

 

ROASとCPAとの違い

 

CPAは顧客獲得にかかる費用を評価する指標です。具体的には、特定のアクション(獲得)を達成するためにかかった広告費を、そのアクションを達成した数で割ることで算出します。CPAは、以下のように計算されます。

CPA = 広告費 / アクション数

CPAが低いほど、顧客獲得に対する費用が少なくて済むことを意味します。例えば、CPAが10ドルであれば、獲得には10ドルの広告費が必要、ということになります。

つまり、ROASは広告費に対する収益性を測るのに対し、CPAは特定のアクションを達成(獲得)するための広告費の効率性を測るもの、ということになります。

 

ROASのメリット・デメリット

 

ROAS(Return on Advertising Spend)は、広告費に対する収益性を評価する指標です。ROASは、広告から得られた収益を広告費で割ることで算出され、その値が大きいほど、広告費に対して高い収益を得ていることになります。

ROASには、以下のメリットがあります。


・広告キャンペーンの収益性の評価が可能
・広告費の最適化が可能
・キャンペーンの比較が容易


一方、ROASには、以下のデメリットもあります。

・単一の指標に依存する限定性
・時間的な要素の欠如
・適切な収益の測定が必要


ROASは広告の収益性を把握するための有用な指標ですが、単一の指標に依存することなく、総合的なマーケティングの評価を行うことが重要です。

具体的には、ROASのほかにも、ブランドの認知度向上、長期的な顧客関係の構築など、広告の目標を達成するためのさまざまな要素を考慮する必要があります。また、広告の長期的な効果を評価するためには、時間をかけてROASを測定する必要があります。

ROASを効果的に活用することで、広告の収益性を向上させ、マーケティング戦略を最適化することができます。

 

BtoB商材におけるROASの算出は難しい

 

前項でROASの計算式、メリットデメリットについて提示しましたが、実際にROASを算出するのは、それほど単純ではありません。特に、BtoB商材においては、売上に対する広告費の把握が非常に難しいのが現実です。それは、BtoB商材が「長期にわたり、複雑な経路をたどって商談に至る」という、特長があるためです。

例えば、BtoC商材であれば、リスティング広告からECサイトに入ってきた見込み客が、そのままCVに至るケースは少なくありません。いったんサイトを離れても、行動を追跡することで最終的なROASを算出することは可能です。

しかし、BtoBでは広告を見て商品やサービスを知った場合でも、その後に提供を受けたほかの情報もあわせて検討され、営業との商談を実施し、最終的に成約するといった経路をたどります。売り上がるまでに受注側・発注側双方で複数の人や部署が関わり、しかも長期におよぶため、データが途切れてしまい、成約に至った施策の評価ができないという問題が発生し、ROASを算出できなくなるのです。

 

ROASを可視化する方法

 

BtoB商材の特長は、ROASを算出するのが難しいことですが、メディックスでは、広告効果測定ツール「アドエビス」と手を組むことで、BtoBにおける広告の費用対効果を可視化することを可能にしました。

どのようにしてROASを可視化するのか?を紹介します。

 

広告効果測定ツール「アドエビス」の使用

 

売上に対する広告効果の見えづらさを解消するためには、マーケティングからインサイドセールス、フィールドセールスを、一貫してつなぐデータを用意することがポイントです。

BtoB企業においては、成約までのプロセスに複数のチームが関わるため、データが途切れてしまい、成約に至った施策の評価ができない場合が多いことが問題であると解説しました。それは、裏を返せば、広告によって得られたリードの情報を、最後まで追える仕組みを作ればいいということを意味します。

そこでメディックスでは、Webマーケティングの分析に強い「アドエビス」が持つデータをSalesforceへつなぐことで、広告での流入から成約に至るまでの流れの可視化を実現しました。マーケティングチームとセールスチームそれぞれが管理していたデータはつながり、どの施策がMQL(Marketing Qualified Lead=マーケティングが創出した見込み度の高いリード)やSQL(Sales Qualified Lead=営業が創出した見込み度の高いリード)を創出していたのかなど、リードの獲得経路まで可視化できるようになったのです。

その結果、広告費用に対してアトリビューション(認知や育成など、CVに至るための「アシスト」)を加味した上で、どの広告から、商談金額がどのくらい生まれているのか?がわかり、ROASも確認できるようになりました。

詳しくは、下記記事をご覧ください


ロジックのないKPI設計から脱却!メディックス×アドエビスが進めるBtoB企業の広告効果可視化

 

ROASを改善する方法

 

ROASは、数値が高いほど、広告の費用対効果が高いとわかります。ROASを高めるためにできることを紹介します。

 

アトリビューション(間接効果)を考慮した広告効果の改善を意識する

 

広告運用するときには、どうしても刈り取り部分だけに目が行きがちです。しかし、CVに直接結びつき、結果が見えやすい刈り取り広告だけに注力すると、うまくいかないケースは少なくありません。

認知や育成などCVに至るための「アシスト」を、アトリビューション(間接効果)と呼びます。商談プロセスの長いBtoBでは、アトリビューション(間接効果)を視野にいれた広告運用を行うことで、ROASの最大化(改善)をめざすことが可能となります。 特に、オフラインでのマーケティング活動が難しくなっている今、認知や育成を目的とした広告運用に、もっと目を向けることが大切です。

認知や育成の広告は、効果が目に見えにくいので、投資をためらう理由になることが多いようですが、前項で説明したアドエビスとSalesforceをつなぎ、合わせた運用を行えば、どの広告が、どの程度の間接効果をもたらしたか、を把握することが可能になります。

 

クリエイティブは、常にテストする

 

広告のクリック率は、クリエイティブの質に大きく左右されます。そのため、クリエイティブは、常にテストを繰り返し、クリック率の向上を目指すことが大切です。

実際、画像を変えるだけで、クリック率だけではなく、購入率までも大きく改善することは少なくありません。特に、入札単価の低い広告でクリック率を上げられると、限られた予算内で多くのユーザの流入を見込めるので、運用型広告のメリットを最大限、享受できます。集客に比例して売上が上がり、ROASに貢献することも期待できるでしょう。

また、広告から流入させた顧客がCVに至るよう、遷移先ページのEFO(エントリーフォーム最適化=フォームの入力完了率を上げる施策)など、CVR(コンバージョンレート=成約率)を向上させる施策を行うことも、ROAS改善には重要です。どれほど広告のクリック率が向上して流入が増えても、実際に顧客へセールスを行うのはLPだからです。

広告文や画像、遷移先ページといったクリエイティブは、常にABテストを実施するなどして、PDCAを回しましょう。

BtoB企業のEFOについては、「BtoB企業のEFOは、どうやって進める?2つのポイントと手順を解説」もご覧ください。

 

広告運用媒体を見直す

 

広告の効果は、媒体との相性も影響します。広告運用を続けてみたものの効果を感じないようであれば、自社商品と媒体を訪問する顧客層が、マッチしていないのかもしれません。

同じクリエイティブであっても、媒体を変えただけでクリック率が向上し、最終的にROASが改善することもあります。クリエイティブをテストしても成果が出ない場合には、運用媒体を見直してみることも検討しましょう。

 

まとめ

 

本記事では、ROASとは何か。また、BtoBにおける可視化方法や改善方法を解説しました。 BtoB商材は、商談にいたるまでの期間が長く、複雑なこともあり、ROASに基づいた運用が難しい傾向にあります。ROASを出すのであれば、マーケティングからセールスに至るまでをデータ化し、経路が途中で途切れないよう一元管理する必要があります。

メディックスでは、本記事で紹介した、アドエビスとSalesforceを活用し、BtoBにおける広告効果の可視化サービスを実施しています。指標を立て、ROASで効果を確認しながら広告運用をしていきたい場合には、お気軽にお問い合わせください。

Tag: BtoBマーケティング


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メディックスBtoBマーケティング編集部

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