BtoBのデジタルマーケティングにおいて、長年の課題になっているのが「費用対効果」の可視化です。リード獲得までのデータについては、広告配信プラットフォームおよびGoogle Analyticsにてトラッキングできていますが、それ以降の指標については、SFA・CRMやMAとの連携が必要になります。しかし、「データ連携」というと「大変そう、難しそう、コストがかかりそう」というイメージがあるかと思います。
今回は、主要なSFAツールである「Salesforce」およびMAツール「Account Engagement(旧Pardot)」を導入している場合に、簡易的ではありますが、簡単にBtoB広告のリード獲得以降の指標を可視化する方法を紹介します。
「Account Engagement(旧Pardot)」を導入していない場合には、下記記事にて、BtoBマーケティングにおける売上貢献などの「費用対効果」可視化の方法を解説していますので、こちらを読んでいただければと思います。
BtoBマーケティングにおける売上貢献などの「費用対効果」可視化の方法 ~Google AnalyticsとSFA・CRMの連携~
目次
今回の内容の全体像
今回の内容の全体像が下図1になります。
Account Engagementにおける「Google Analyticsコネクター」を活用することで、広告のリンク先URLなど付与されているGoogle AnalyticsのUTMパラメータの情報(流入チャネル情報)が、Account Engagementの各プロスペクトに記録されるようになります。
これにより、各プロスペクトがどの流入チャネルでサイト流入したかがわかるようになり、リード獲得以降の指標も可視化することができます。
図1:今回の内容の全体像
※UTMパラメータを追加する方法
https://support.google.com/analytics/answer/10917952?hl=ja#zippy=%2C%E3%81%93%E3%81%AE%E8%A8%98%E4%BA%8B%E3%81%AE%E5%86%85%E5%AE%B9
Google AnalyticsとAccount Engagement(旧Pardot)の連携手順
Google AnalyticsコネクターをAccount Engagementに設定する手順を紹介します。
まずは下図2のとおり、Account Engagementのメニュー画面の「管理」から「コネクター」を選択し、「コネクターを追加」をクリックします。(Lightningの場合は、「Account Engagement設定」から「コネクター」をクリックし、「コネクターを追加」から設定することができます。)
図2:Google AnalyticsとAccount Engagementの連携手順1
次に、下図3のとおり「Google Analytics」をクリックします。
図3:Google AnalyticsとAccount Engagementの連携手順2
そして、下図4のとおり貴社の使い方に合わせて、必要な設定を行い、「コネクターを作成」をクリックします。
図4:Google AnalyticsとAccount Engagementの連携手順3
- 最後に、下図5のように、Google Analyticsコネクターが正常に保存されたことを確認して完了です。
- 図5:Google AnalyticsとAccount Engagementの連携手順4
これで、下図6のとおり、各プロスペクトの「Google Analytics」の欄に流入チャネル情報が反映されるようになります。また、Account Engagementの情報をSalesforceと同期することで、Salesforceの各リードにも情報を反映することができます。
図6:Google AnalyticsとAccount Engagementの連携手順5
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活用にあたっての注意点
上記で紹介した内容で、簡易的にBtoB広告のリード獲得以降の指標を可視化することが可能ですが、いくつかの注意点があります。
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1.Google AnalyticsとAccount Engagement(旧Pardot)を直接連携するものではない
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この連携方法は、Google AnalyticsとAccount Engagement(旧Pardot)、Saleforceを直接連携するものではありません。あくまでも広告のリンク先URLなどに付与されたGoogle Analytics計測用のUTMパラメータの情報をAccount Engagementに記録するものになります。
2.計測できるのはUTMパラメータが付与された流入のみ -
UTMパラメータが付与できていないWebサイト流入チャネルの情報は、計測することができません。また、Account Engagementに記録できるUTMパラメータは、下記の5つになります。プロスペクトに表示される文言は下記のように対応しています。
<プロスペクトに表示される文言>
UTMパラメータ → プロスペクトに表示される文言
・utm_campaign → キャンペーン
・utm_source → ソース
・utm_medium → メディア
・utm_content → コンテンツ
・utm_term → 用語 -
3.プロスペクトに記録されるのは初回訪問時の流入情報 -
各プロスペクトに記録される上記の流入チャネル情報(UTMパラメータの情報)は、サイトへの初回訪問時の情報(Account Engagementのトラッキングコードと最初に接触した際の流入チャネル情報)になります。そのため、リード化した際の流入チャネル情報ではない点を注意する必要があります。
※この記事の掲載時点と仕様が変更される可能性がありますので、ご了承ください。
まとめ
今回は、「Account Engagement」を導入している場合に、簡易的ではありますが、簡単にBtoB広告のリード獲得以降の指標を可視化する方法を紹介しました。
ただし、上記のような注意点・制限があるため、本格的にBtoB広告のリード獲得以降の可視化(費用対効果の可視化)を行うう場合には、下記記事も読んでいただければと思います。
BtoBマーケティングにおける売上貢献などの「費用対効果」可視化の方法 ~Google AnalyticsとSFA・CRMの連携~
また、メディックスの「マーケティング施策の費用対効果可視化(営業・顧客データ連携)ソリューション」についての事例などの紹介はこちらをご覧ください。