「BtoBで顧客ニーズを把握する重要性は?」
「顧客ニーズの調査方法や、そのあとのステップを知りたい」
BtoB企業のマーケティング担当者の中には、このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
「顧客ニーズ」とは、顧客が解決したいと考えている課題や需要のことを指しますが、BtoBにおいても、マーケティング施策を正しく検討するために顧客ニーズは非常に重要です。
しかし、顧客ニーズは、正しい調査方法や活用方法を理解しなければ、誤ったマーケティング施策を実施してしまう恐れがあります。
マーケティング施策を正しく打つためにも、顧客ニーズの調査や活用は正しく行わなければなりません。
本記事では、BtoBにおける顧客ニーズの必要性や、調査方法などを紹介します。
目次
BtoBにおいて顧客ニーズを把握する必要性
顧客ニーズとは、顧客が解決したいと考えている課題・需要のことです。製品やサービスを購買するときの「必要性」や「目的」とも言い換えられます。
顧客ニーズは、「顧客が欲しがっている製品やサービスのこと」だと考えがちですが、厳密には、その製品やサービスが欲しい理由こそが顧客ニーズです。
営業支援ツールを導入したい企業であれば、「営業支援ツールの導入をしたい」はニーズではなく、営業支援ツールを導入することによって「営業を効率化したい」がニーズになります。
「営業支援ツールを導入したい」はウォンツに分類され、「手段」を意味します。目的であるニーズとは違いますので、ニーズとウォンツを混同しないように注意しましょう。
マーケティングの基本は顧客分析です。顧客分析とは、簡単にいうと顧客の真のニーズをとらえることです。顧客ニーズを正しく把握することで、自社の現状把握や施策評価が可能になり、業績アップを目指せます。
現在、BtoBでは購買プロセスのオンライン化が進んでいます。
そのため、
・オフラインでの顧客ニーズ調査の困難化
・オンラインに焦点をあてたマーケティング施策の検討
などの課題が出ている企業も少なくありません。
これらの課題をクリアするためにも、これまでとは違った顧客ニーズの調査方法で、オンラインにおける新しい顧客ニーズを把握する必要性が出てきています。
BtoBの顧客ニーズ調査の方法
正しく把握できればマーケティングの精度を高められる顧客ニーズですが、どのように調査すればよいのでしょうか。
顧客ニーズの調査方法には、
・アンケートリサーチ
・インタビュー
の2つがあります。
1.アンケートリサーチ
「アンケートリサーチ」は、設問に対してあらかじめ容易された答えを回答していく定量調査です。
アンケート調査は、Webで行えば短時間で実施でき、すぐに回収することができるので、顧客ニーズをリアルタイムで把握できます。
アンケート調査の注意点ですが、アンケートを作成する前にアンケートの目的を明確にし、ターゲットを絞るようにしましょう。目的とターゲットを明確にすることで、回答者が回答しやすくなり、こちらが聞きたい層からの有効な回答を得やすくなります。
また、アンケート調査で有効な回答を得るためには、回答者を安心させ、質問に答えやすい雰囲気をつくることも重要です。
例えば、
・アンケートの目的を可能な限り伝える
・回答は、アンケートの目的以外に使用しない旨を記載
・回答者を飽きさせないように、質問はシンプルにする
などを意識するだけでも、回答者の意見には差が出てきます。
ただし、アンケート調査には、顧客インサイトが現れないというデメリットがあるので、その点は注意しましょう。
顧客インサイトとは、「顧客すらも気づいていない購買理由」のことを指します。顧客インサイトを把握すれば、より顧客の課題解決につながる提案が可能です。
表面化している顧客のニーズは、競合他社が調査すれば同じ結果に辿り着くので、ライバルは必然的に増えていきます。顧客の内面を理解し、競合他社と差別化を図るためにも、顧客インサイトの調査は欠かせません。
2.インタビュー
顧客のニーズを把握するとき、顧客インサイトまで確認したい場合は、「インタビュー」が有効です。
インタビューは、定量調査のアンケートとは違い、発言や行動など数量や割合では表現できないデータが得られる定性調査です。新しい理解やヒントにつながる質的情報を得られます。
自然な会話の中からこぼれだす「顧客の本音」を見逃さず、BtoBマ-ケティングに役立てましょう。
ちなみに、インタビューを実施するときは、「なんとなくな回答」や「ほかと同じ既存の回答」といった顧客インサイトが把握できないデータを集めてしまわないように、注意が必要です。
インタビューから顧客インサイトを把握するためには、「〇〇が売れないのは、価格のせいではないか」といった仮説を立てることが重要です。
顧客ニーズは、ペルソナの設定により具体化しよう
顧客ニーズのデータを集めただけでは、マーケティングに活用できません。
顧客ニーズの調査を終えたあとは、購買パターンを分析してペルソナを設定しましょう。ペルソナを設定すれば顧客ニーズがより具体化し、コンセプトが一貫したマーケティング施策を打ち出せます。
ほかにも、
・関係者同士が共通のイメージを持てる
・顧客視点で製品やサービスの検討が可能
・情報共有の時間や費用の節約
などのメリットを得られるのがペルソナ設定です。
BtoBでは、ペルソナ個人の課題ではなく、法人や事業ベースを重視してペルソナを設定するのがポイントです。
カスタマージャーニーマップによって、適切なタイミングで情報提供を
ペルソナを設定したあとは、マーケティングをさらなる成功へと導くために、カスタマージャーニーマップを作成しましょう。
カスタマージャーニーマップとは、簡単にいうと「見込み客が製品やサービスを利用するまでの購買プロセスを可視化したもの」です。
見込み客の購買プロセスを「課題認知前フェーズ」や「比較検討フェーズ」などに分け、それぞれのフェーズでの見込み客のニーズや思考を、一目でわかるようにします。
カスタマージャーニーマップを作成するときは、はじめに、顧客が課題を認知する前から導入するまでの「購買プロセス」を把握しなければなりません。
その顧客の購買プロセスをメディックスでは、
・課題認知前
・課題認知
・情報収集
・比較検討
・評価選定
・導入/利用
の6つに分けて定義しています。
カスタマージャーニーマップでは、顧客の購買プロセスをこれら6つのフェーズごとに分けて、各フェーズのニーズや感情、思考を可視化していきます。
一口に「ペルソナ」と言っても、見込み客のタイミング(フェーズ)により、提供すべき情報(コンテンツ)は異なります。しかし、フェーズごとに顧客のニーズや思考を可視化したカスタマージャーニーマップがあれば、見込み客のタイミング(フェーズ)に合わせて、提供すべき情報(コンテンツ)の判断が容易になるのです。
ほかにもカスタマージャーニーマップでは、
・複雑化する購買行動に対応
・全体的な認識の共有
・一貫性のあるサービスを実現
などのメリットが得られます。
カスタマージャーニーマップの基本について詳しく知りたい方は、次の記事をお読みください。
「カスタマージャーニーマップとは?まずは、基本を理解しよう!」
BtoBマーケティングでは、フェーズごとに新規コンテンツの開発や、既存コンテンツの見直しを行い、見込み客に対して「必要なタイミングで必要な情報を提供できているか」を常に意識しなければなりません。つまり、分析から改善までのPDCAサイクルを回し続ける必要があるのです。
このPDCAサイクルは、地道な作業になりますが、これが結果として見込み客のニーズの育成(リードナーチャリング)につながり、自社の売上拡大へとつながります。
まとめ
顧客ニーズの把握は、BtoBにおいてもマーケティングの精度を高めるために重要なプロセスです。
初期工程で顧客ニーズが正しく分析できなければ、マーケティング施策を実施しても、思っているような結果は得られません。
アンケート調査やインタビューなどを駆使して正しい顧客ニーズを把握し、効率よくペルソナ作成からカスタマージャーニーマップの作成までを終わらせましょう。
メディックスでは、独自の分析シートで顧客のニーズ・課題を洗い出し、ペルソナ設計からカスタマージャーニーマップの作成支援までを行っています。
また、その際に必要となるコンテンツの制作や、マーケティングオートメーション(MA)ツールを扱っている企業であれば、カスタマージャーニーマップを基にしたMAのシナリオ設計もサービスとして実施しています。
マーケティングでお困りの際は、お気軽にご相談ください。