「BtoBマーケティングでは、タッチポイントをどう活かせばいいの?」
「タッチポイントを、どう管理すればいいのか知りたい」
このようにお考えのBtoBマーケティング担当者が多いのではないでしょうか。
デジタル化が進んだ結果、BtoBにおいても、顧客とのタッチポイントが多様化しました。それにともない、BtoBマーケティング担当者には、タッチポイントの適切な管理と、それを元にした効率的なマーケティング活動が求められています。
そこで本記事では、タッチポイントの種類と役割、タッチポイントをマーケティングに活かすための整理の仕方や、管理を効率化する手法を解説します。
目次
タッチポイントとは?
タッチポイントとは言葉のとおり、「顧客」と「企業の情報やサービス」との接点を指します。
従来、BtoBにおけるタッチポイントは、営業担当者や展示会、業界紙など、ある程度決まったものしかありませんでした。
しかし、近年はインターネットが発達し、顧客の購買行動が変化したことにより、BtoBにおいても情報収集のデジタル化が進んでいます。その結果、顧客とのタッチポイントは多岐にわたるようになりました。
ここでは、タッチポイントの種類と役割について説明します。
タッチポイントの種類
タッチポイントは、「認知」「情報収集」「比較・検討」「購入」「購入後」といった購買フェーズのそれぞれに存在します。さらに、オンラインとオフラインで分けることができます。
購買フェーズごとのタッチポイントの例としては、次のようなものがあります。
◆「認知」「興味・関心」フェーズにおけるタッチポイントの例
- Web広告、SNS、オウンドメディアなど(オンライン)
- 広告、チラシ、展示会など(オフライン)
◆「比較・検討」「購入」フェーズにおけるタッチポイントの例
- 資料請求サイト・比較サイト、ウェビナー、ECサイトなど(オンライン)
- セミナー、営業担当者など(オフライン)
◆「購入後」フェーズにおけるタッチポイントの例
- Web上のカスタマーサポート、ユーザコミュニティなど(オンライン)
- 電話のカスタマーサポート、ダイレクトメールなど(オフライン)
BtoBにおいては近年、オンラインのタッチポイントの重要性が特に高まっています。それを示すのが、メディックスがIT製品選定者と製造業製品選定者を対象に実施した下記のアンケート結果です。
■IT製品:「認知のきっかけ」フェーズにおける情報収集源(2019年度実施アンケートとの比較 / 複数回答)
(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)
- IT製品の情報収集源としては、2019年度と変わらず、「検索エンジン」で情報収集をしている製品選定者が50%以上となり、Web上での情報収集のきっかけとしては、変わらず検索エンジンの活用がもっとも多い結果となった。
- 一方で、前回の調査よりも「ベンダ・メーカーのホームページ」という回答が増加しており、情報収集源がデジタルにシフトしている状況が、2019年度よりも、より顕著になったと推察される。
■製造業製品:「認知のきっかけ」フェーズにおける情報収集源(2019年度実施アンケートとの比較 / 複数回答)
(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)
- 「認知のきっかけ」フェーズにおける情報収集源として、「展示会、専門イベント」「ベンダ・メーカーが主催するイベントやセミナー」が2019年度と比較して減少した。
- 対して、「ベンダ・メーカーのホームページ」の割合は、2019年度と比較して増加しており、製品選定者の情報収集源がデジタルにシフトしている。
本調査では、「認知のきっかけ」のほかに、「一次選定」や「二次選定」「最終選定」における情報収集源についても調査を行いました。そこで、特に、「認知のきっかけ」フェーズでは、情報収集源がオンラインにシフトしていることが判明しました。
※本記事で紹介しているアンケート調査の結果は、それぞれ、下記よりダウンロードできます。
【2021年版】IT製品選定者アンケート調査結果
【2021年版】製造業製品選定者アンケート調査結果ら
タッチポイントの役割
マーケティングにおけるタッチポイントの役割は主に3つです。
1.認知
商品・サービスを購入してもらうためには、まずは認知してもらう必要があります。タッチポイントを増やすことは、認知度を高めるための第一歩です。
2.ブランディング
タッチポイントは、ブランドイメージの向上にも大きな役割を果たします。タッチポイントでの顧客体験を繰り返すことによってブランドイメージが醸成されていくため、どのようなタッチポイントを作り、顧客にどのような体験をしてもらうのかが重要です。
3.継続
近年はBtoBにおいても、商品やサービスを一度購入して終わりではなく、継続的に課金するサブスクリプション型のサービスが増えています。サブスクリプション型では、既存顧客をできるだけ維持してLTVを高めるために、「購入後」のタッチポイントが非常に重要です。顧客が困っていることはないか、定期的に確認するといった対応が必要になります。
多様化するBtoBのタッチポイントを整理する方法
前項で説明したように、近年ではBtoBにおいてもタッチポイントが多様化しています。そのため、営業やカスタマーサポートの顧客対応の能力だけでは、到底太刀打ちできません。BtoBマーケティング担当者には、リード(見込み顧客)ごとにタッチポイントを管理し、ニーズの顕在度合いを把握した上で、顧客が求めている情報を提供するなど、顧客体験の向上を図ることが求められるのです。
タッチポイントをマーケティングに活用するには、顧客とのタッチポイントを整理して、「ターゲットとなる顧客が」「どのようなタイミングで」「どういった情報に接触するのか」を、把握しておく必要があります。タッチポイントの整理には、カスタマージャーニーマップが役に立ちます。
カスタマージャーニーマップとは、見込み顧客が「認知→情報収集→比較・検討→購入」といった購買プロセスを進めるにあたり、自社との「タッチポイント」や「状況・行動」「マインド」「ニーズ」といった情報を整理したものです。
BtoBマーケティングを進めるにあたり、カスタマージャーニーマップを事前に定義しておくと、見込み顧客ごとに次のような内容を把握できるようになります。
- 現在、どのような状況にあるのか
- どんな課題を抱えているのか
- 購買プロセスを進めてもらうためには、どのタッチポイントでコンテンツを提供すれば良いのか
これらを整理しておくことで、効率的にマーケティング活動を行えるようになるのです。
カスタマージャーニーマップについて、詳しくは、「目的によって違う!?カスタマージャーニーマップの作り方」をご覧ください。
タッチポイントを管理することで、マーケティング活動を効率化
多様化するタッチポイントを効率的に管理するには、ツールを活用することをおすすめします。タッチポイントを管理できるツールには、「SFA」と「MA」があります。
SFAは、営業と見込み顧客のタッチポイントを整理するものです。「いつ」「誰が」「誰と」「どんな商談をしたのか」「受注・失注」といった情報を、見込み顧客ごとに管理できます。対してMAは、多様化するタッチポイントを見込み顧客ごとに管理し、ニーズの育成度合いを把握するのに役立ちます。
SFAと MAは、連携できるものが多いことが特長です。連携させると、営業が、受注した案件のマーケティングにおけるタッチポイントを把握した上で、リソースの投下すべきポイントを明らかにできるようになり、さらに効率性が高まります。
逆に、リード獲得数は多いのに、なかなか受注に至らない、受注金額が低いといったタッチポイントに対しては、施策の見直しや予算アロケーションを実施し、効果を最大化することも可能です。
※メディックスが提供するMA活用支援サービスについては、こちらをご覧ください。
まとめ
BtoBにおいても、顧客の購買行動が変化し、情報収集のデジタル化が進んだ結果、タッチポイントは多様化しています。そのような状況下では、リードごとにタッチポイントを管理し、ニーズの顕在度合いに応じたコンテンツを提供することがBtoBマーケティングには欠かせません。
そのためには、カスタマージャーニーマップを作成し、ツールを導入して管理するのが効果的です。しかし、リソースやノウハウが不足していて、どう取り組めばいいかわからない企業も多いのではないでしょうか。
メディックスでは、本記事で紹介したカスタマージャーニーマップの作成や、MAツールの導入・運用支援はもちろん、タッチポイントとなる広告運用からコンテンツの制作、施策を回した上での分析まで、ワンストップで提供しています。
BtoBマーケティングの改善に課題をお持ちでしたら、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。