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ユニットエコノミクスとは?計算方法や目安、マーケティング担当者が把握する意味

Oct 30, 2024 12:00:00 AM
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「ユニットエコノミクスってマーケティングとどんな関係があるの?」
「ユニットエコノミクスの計算方法や改善方法を知りたい」
BtoBマーケティング担当者のなかには、このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。


ユニットエコノミクスは、特にサブスクリプション型ビジネスで用いられる、事業の健全性を測る指標ですが、実はマーケティングの予算を検討するときにも役立ちます。しかし、どのように計算するのか、その結果をどう判断・活用すればいいのかわからないマーケティング担当者も多いようです。

そこで本記事では、ユニットエコノミクスの概要や計算方法、適切な値の目安や改善方法などを解説します。マーケティング担当者が把握すべき理由も説明しますので、ぜひご参考にしてください。

目次

 

ユニットエコノミクスとは?計算方法を解説


ユニットエコノミクスとは、主にSaaSをはじめとするサブスクリプション型ビジネスモデルを採用している企業で使用される、事業の健全性を示す指標の1つです。その名のとおり、1ユニット(Unit=単位)あたりの経済性・採算性(Economics)を表します。

 

BtoBにおいては、1ユニット=1企業とするのが一般的ですが、提供するサービスによっては1アカウントや1顧客(ユーザ)とする場合もあります。

ユニットエコノミクスは、最適なマーケティングコストを検討するのにも役立つ指標なので、マーケティング担当者も内容を把握しておきましょう。

 

ユニットエコノミクスの計算方法

 

ユニットエコノミクスは、下記の計算式で求めます。

ユニットエコノミクス=LTV / CAC

LTV(Life Time Value)は顧客生涯価値、CAC(Customer Acquisition Cost)は顧客獲得単価を指します。

例えば、A社のLTVが360万円、CACが100万円の場合、360万円÷100万円と計算し、ユニットエコノミクスは3.6になります。

それでは、ユニットエコノミクスを算出するために必要なLTVとCACは、どのように計算されるのでしょうか。

 

LTVとは?LTVの計算方法


LTVとは、取引を開始した1人または1社の顧客から、生涯にわたって得られるトータルの利益のことです。LTVの計算方法は複数存在しますが、もっとも基本的なのは下記となります。

LTV=顧客の平均購入単価×収益率×平均購入頻度×平均継続期間

例えば、A社の顧客の平均購入単価が20万円、収益率50%、平均購入頻度が1ヵ月に1回(年12回)、平均継続期間が3年間の場合のLTVは、次のように計算します。

LTV=20万円×50%×12回×3年=360万円

 

CACとは?CACの計算方法


CACとは、新規の顧客を獲得するためにかかったコストを指します。CACには、マーケティングにかけた費用のほか、営業担当者の給与など、顧客獲得にかかったすべての費用を計上します。

CACを求める計算式は、次のとおりです。

CAC=顧客の獲得にかかったトータルの費用 / 獲得した顧客数

例えば、先ほどのA社が、ある年に顧客を獲得するために1,000万円を費やし、新規で10社を獲得した場合、CACは1,000万円÷10社=100万円と計算されます。


ユニットエコノミクスがSaaSビジネスで重要な理由

 

ユニットエコノミクスは、SaaSビジネスにおいて重要な概念です。
以下に、その理由を説明します。

 

収益予測と最適な価格設定ができる

 

ユニットエコノミクスは、SaaS企業が収益を予測し、適切な価格を設定するために重要です。SaaS企業は、ユーザー単位で料金を設定することが一般的です。ユニットエコノミクスを理解することで、企業は利益を最大化するための最適な価格を見つけることができます。

利益率の向上のヒントが得られる

 

ユニットエコノミクスの分析は、企業の利益率を向上させる上で重要です。SaaS企業は通常、初期投資や開発コストが高く、利益が徐々に積み上がる傾向があります。ユニットエコノミクスを適用することで、コストを最小化し、収益性を向上させるための戦略を見つけることができます。

 

顧客の獲得と維持のヒントが得られる

 

ユニットエコノミクスの分析は、顧客獲得と維持にも役立ちます。SaaS企業は、顧客の取得に関連する費用(マーケティング、営業など)と、顧客を維持するための費用(カスタマーサポート、アップデートなど)を考慮する必要があります。ユニットエコノミクスを適用することで、顧客を獲得し維持するための最適な戦略を見つけることができます。

 

スケーラビリティの評価ができる

 

ユニットエコノミクスは、SaaS企業のスケーラビリティを評価するためにも使用されます。スケーラビリティは、企業が顧客数やサービス規模を拡大する際に、コストや利益の増加率がどのように変化するかを示します。ユニットエコノミクスを理解することで、スケーラビリティの可能性や限界を把握し、成長戦略を策定することができます。

 

投資と資金調達の成功確率が高められる

 

ユニットエコノミクスの分析は、SaaS企業が投資や資金調達を行う際にも重要です。投資家や資金提供者は、企業の収益性や成長の見通しを評価します。ユニットエコノミクスを適用することで、企業のビジネスモデルの魅力や収益性を示すことができ、投資や資金調達の成功確率を高めることができます。

 

以上の理由から、ユニットエコノミクスはSaaS企業において重要な概念です。企業の収益最大化、利益率向上、顧客獲得と維持、スケーラビリティの評価、投資と資金調達の成功を実現するために、ユニットエコノミクスを活用することが推奨されます。

 

ユニットエコノミクスの目安


ユニットエコノミクスは、次の2つの条件を満たしていれば健全と判断されます。

1.ユニットエコノミクス(LTV / CAC)>3
2.CACの回収期間:12ヵ月以内

つまり、算出したユニットエコノミクスが3以上であり、かつ費やしたCACが12ヵ月以内に回収されれば、事業経営の状態は良いといえます。

例えば前章で例に挙げたA社は、LTV=360万円、CAC=100万円でした。

ユニットエコノミクスは、360万円÷100万円=3.6なので3を超えています。一方、CACの回収期間についても、顧客の平均購入単価が20万円、収益率50%なので、1ヵ月の収益は10万円。CACの100万円は10か月で回収できると分かります。「1.」「2.」の条件を両方とも満たすため、A社の事業経営の状態は健全であると判断できるのです。

もし、計算の結果、ユニットエコノミクスが3を下回る、あるいはCACの回収に1年以上かかっている場合は、改善を検討する必要があるでしょう。

 

市場シェアを取るフェーズでは顧客獲得投資を重視


ユニットエコノミクスは事業の経済性を判断するのに有用な指標ですが、スタートアップ企業など事業を立ち上げたばかりで、市場シェアを取る段階では、数値を気にしすぎるのは良くありません。

このような初期のフェーズでは、まずは市場シェアを獲得することが非常に重要です。そのため、CACが高くなりユニットエコノミクスが3を下回ったとしても、顧客獲得を優先して資金を投じる必要があります。

ユニットエコノミクスは3が目安ではあるものの、自社の事業フェーズがどの段階に位置しているのかを見極めた上で、改善に取り組むことが重要なのです。事業を立ち上げたばかりのフェーズでは、市場シェアを取れた段階になってから、数値が健全な状況となるような事業計画を練ると良いでしょう。

 

ユニットエコノミクスを改善する施策


ユニットエコノミクスはLTV / CACで算出されるため、改善する施策としては大きく次の2つがあります。

 

  1. LTVを向上させる
  2. CACを下げる

 

それぞれどのような施策があるか紹介します。

LTVを向上させる施策

 

LTVが「顧客の平均購入単価×収益率×平均購入頻度×平均継続期間」で算出されることを考えると、LTVを向上させるには計算要素のいずれか、あるいは複数の数値を改善すると良いとわかります。

そのために有効な施策の1つが、カスタマーサクセスの導入です。カスタマーサクセスとは、契約した顧客の成功を伴走支援する取り組みで、次のような効果があります。

 

  1. オンボーディングを支援し、価値を感じてもらうことで導入時期の解約を防ぐ
  2. 顧客との信頼関係を築き、アップセル/クロスセルにつなげる
  3. 解約の芽を未然に摘み取り、チャーンレート(解約率)を抑える

 

いずれも購入単価や購入頻度、継続期間を増大させることにつながるため、LTVを伸ばすのに貢献するのです。

 

カスタマーサクセスについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

カスタマーサクセスとは?重要視されている理由と、KPI設定・取り組む方法を紹介

 

CACを下げる施策


ユニットエコノミクスは、CACを下げることでも数値を改善できます。

具体的には効果の良い・悪い施策を見極める、予算をアロケーションするといった、マーケティングコスト全般の見直しが必要になるでしょう。ブランドを育成し、顧客の購買意欲を底上げすることも、営業コスト削減につながります。

ただし、先に述べたように、事業フェーズによってはCACを下げるのは得策ではありません。市場シェア拡大を狙う段階では、ユニットエコノミクスが多少悪化しても、マーケティングにコストを費やす必要があることは念頭においておきましょう。

 

ユニットエコノミクスをマーケティング担当者が把握する意味

 

ここまで見てきたとおり、ユニットエコノミクスはCACと深く関係しています。そのためマーケティング担当者は、ユニットエコノミクスを把握して、マーケティング予算が適切かどうかを考えることが大切です。

例えば、ユニットエコノミクスが5となっている場合は、CACに対して5倍もの利益を生み出していることになります。その場合は、もっとマーケティングに資金を投じ、さらに顧客を獲得するという判断もできるでしょう。

反対にCACが3を大きく下回り、マーケティング予算を削る必要性に迫られた場合には、「予算を落としながらも、いかに効果を落とさずに済ませられるか」を考えましょう。限られたリソースのなかで、最大限の効果が得られるようにするのがマーケターの役割です。そうすることが、自社のマーケティング力の向上にもつながります。

競合の動向やニーズの変化などにより、ユニットエコノミクスは常に変動します。ユニットエコノミクスは一度把握したら終わりではなく、定期的にチェックして、適切なマーケティング予算の管理に役立てることが大切です。
 

まとめ

 

ユニットエコノミクスは3以上が適正とされていますが、大きければ大きいほど良いわけではなく、事業のフェーズによっては3を下回っていてもさらにマーケティングに投資すべき場合もあります。

マーケティングの予算の適正性を意識するためにも、マーケティング担当者はユニットエコノミクスを把握するよう努めましょう。

なお、メディックスでは、長年にわたってBtoBに特化した支援を行ってきたことから、実案件を通した経験とノウハウを組織的に保有しています。

広告効果の可視化にも注力しており、Web広告などの集客施策はもちろん、中長期的な潜在顧客の獲得を目的としたコンテンツの制作やカスタマージャーニーマップの制作など、クライアントの成長フェーズに応じて適切なソリューションを提供できます。

BtoBマーケティングでお困りの際は、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

 

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Tag: SaaS マーケティング


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メディックスBtoBマーケティング編集部

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