BLOGBtoBマーケティングに関連したお役立ち情報を発信  

BtoBにオウンドメディアは有効?オウンドメディア運営の現状と成功させるためのポイントを解説

Oct 30, 2024 12:00:00 AM

shutterstock_1165873744

「オウンドメディアの立ち上げで知っておくべきポイントや注意点などを知りたい」
「オウンドメディアはBtoBでも有効なのか?」

BtoB企業のマーケティング担当者の中には、このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

デジタル化が進む現代では、オンラインでリード獲得や見込み顧客の育成を行うマーケティング手法が広がってきています。数あるデジタルマーケティング施策の中でも、特に、重要視したいのがオウンドメディア運営です。BtoBとオウンドメディアの相性は良く、オウンドメディアを上手く活用すれば、様々なメリットを得られます。

本記事では、BtoBとの相性が良いオウンドメディアの有効性や、オウンドメディア運営で把握しておきたい課題などを解説します。

 

目次

 

BtoBにオウンドメディアは有効!その理由3つ

 

結論から言うと、BtoBのビジネスとオウンドメディアの相性は抜群です。理由は大きく次の3つあります。

1.製品やサービス導入までの検討期間が長い
2.営業訪問前に多くの情報収集を終えている
3.オフラインのリード獲得が困難になっている

次で各項目について解説していきます。


1.製品やサービス導入までの検討期間が長い


BtoBには、「製品やサービス導入までの検討期間が長い」という特長があります。そのため、BtoBマーケティングでは、BtoCと比べ、見込み顧客を根気強く育成していかなければなりません。
オウンドメディアの役割は、見込み顧客が抱えている課題や知りたいと考えていることをコンテンツにすることで、見込み顧客の情報ニーズを満たし、さらに、商品やサービスに対する理解を促進することです。これにより、見込み顧客の態度変容を促すことが可能、つまり、見込み顧客の育成が可能になります。また、良質なコンテンツを提供することで、その企業に対しての認知強化も期待できるでしょう。


2.営業訪問前に多くの情報収集を終えている


これまで、企業が情報収集をする際、展示会やベンダ営業による情報提供などのオフラインを利用するのが一般的でした。しかし、近年はインターネットの普及とデジタル化の波により、検索やWebメディアによるオンラインメインの情報収集の時代へと変わってきています。営業が訪問のアポイントをとるフェーズではすでに、多くの情報収集はオンラインを通して終わっているとも言われる時代です。
そのため、オウンドメディアを運用することは、情報収集フェーズの見込み顧客にアプローチし、自社を検討の土台にあげてもらう効果もあるのです。


3.オンラインでのコミュニケーションや情報収集が普及し、オフラインのリード獲得が困難になっている


事業を継続するためには、リードの持続的な獲得は必須です。以前は展示会などのオフラインでリード獲得する手法も一般的でした。しかし、コロナ禍以降、オンラインでのコミュニケーションや情報収集が普及し、企業の担当者もオンラインでの情報収集を好む傾向が強まっています。

2024年現在では、情報収集はさらにオンライン化が進んでいます。検索エンジン、オンラインセミナー、ウェビナー、ホワイトペーパー、SNSなどを通して情報収集を行う企業が増加しています。
このような状況下において、持続的なリード獲得を実現するために、オウンドメディア運営は非常に有効な手段と言えるでしょう。

 

BtoBのオウンドメディア運営状況

 

オンライン化が進んでいる現代ですが、実際に世の中のBtoB企業は、Webマーケティング施策として、どのようなアクションを起こしているのでしょうか。
メディックスが2024年にBtoB企業のマーケティング業務関連者に対して行ったアンケート調査から、BtoB企業のマーケティング施策の実態をみていきましょう(下図参照)。

■現在、実施中しているWebマーケティング施策(N=258 複数回答)

ownedmedia_data
出典:BtoBマーケティング担当者 (非 SaaS)アンケート調査結果

※画像をクリックすると、大きな画像が表示されます

上記の調査結果から、BtoB企業が現在実施しているWebマーケティング施策としては、「Webサイトの拡充」が最も多いことがわかりました。従業員規模10,001名以上の企業では、35.3%が「Webサイトの拡充」に取り組んでいて、それ以外の企業でも、「Webサイトの拡充」は大きなウェイトを占める施策として実施されているようです。

この調査結果からも、オウンドメディアの有効性と、BtoB企業がオウンドメディアの制作(コンテンツ拡充など)に力を入れていることがわかります。
しかし、オウンドメディアの高い効果が期待されている一方で、コンテンツ制作においての課題も多く寄せられています(下図参照)。

ownedmedia_data_marketing

出典:BtoBマーケティング担当者 (非 SaaS)アンケート調査結果
※画像をクリックすると、大きな画像が表示されます


上記の調査結果から、マーケティング施策全体の課題において「コンテンツの企画・制作が難しい」という課題を感じている企業が多く存在することがわかりました。また「施策や作業が増える一方で、慢性的にリソース不足」「専門知識を持った担当がいない」なども課題と感じる企業が多いようです。


オウンドメディアの運営を検討していても、社内の制作リソースが不足していたり、必要なコンテンツがわからなければ、うまく立ち行かなくなります。
では、どのようにしてこれらの課題を解決すればよいのでしょうか。

オウンドメディア運営を成功させるポイントを次項から解説します。

 

BtoBでオウンドメディアを成功させるポイント5つ

 

前項のアンケート調査では、BtoBのオウンドメディア運営状況において、社内のリソースや予算の不足などが課題として挙げられていました。オウンドメディア運営を成功させる場合、これらの課題を解決しなければなりません。
そこで本項では、これらの課題をクリアし、BtoBでオウンドメディアを成功させるためのポイントを3つ紹介します。

 

1.外注を活用した体制構築


社内の制作リソースが足りない場合の解決策として、最も有効な方法が外注を活用した体制構築です。一口に「コンテンツ制作」といっても、コンテンツ制作には、企画、構成、ライティング、校正など、様々な工程が必要になります。社内でコンテンツ制作を完結できる体制を整えるのは、容易でありません。特に、ゼロからオウンドメディアをスタートさせる場合は、外注を活用して効率的に立ち上げていくのがおすすめです。

外注を活用することで、「社内リソースの軽減」や「コンテンツの質の担保」といったメリットが得られます。

ただし、外注を活用すればメリットは多く得られますが、外注先は慎重に検討しなければなりません。特に、IT関連企業向けのコンテンツの場合、ライターのITリテラシーが重要になります。クラウドソーシングでもライターは集められますが、BtoB企業向けの専門的な記事を作成してくれるライターやディレクターを探すのは困難です。
外注を活用してオウンドメディア施策を成功させたいのであれば、ITリテラシーの高いテクニカルライターや、ITコンテンツ制作の経験豊富なディレクターをアサインできる制作会社を選ぶことが重要です。


2.経営陣の理解獲得


前項のアンケート調査では、マーケティング施策全体の課題において、多くの企業が「経営層や社内での理解が得られない」という課題を挙げていました。経営陣のオウンドメディアに対する理解がない場合、その効果に関して懐疑的な意見を持つことも少なくないでしょう。コンテンツ制作の予算を充実させるには、経営陣の理解獲得が必要不可欠です。また、経営陣が施策を前向きに捉えていないと、仮に施策を実行しても、成功する確率は低くなります。

経営陣の理解を得るには、「オウンドメディアを運営する目的や指標を明確にする」「オウンドメディアがもたらす成果を具体的に表す」などの工夫が必要です。
また、オウンドメディアが軌道にのるまでには時間がかかるので、その点も経営陣にあらかじめ理解してもらわなければなりません。


3.カスタージャーニーマップを活用したコンテンツの洗い出し


コンテンツ制作において、「必要なコンテンツがわからない」という課題を抱えているBtoB企業も多くあります。必要なコンテンツの洗い出しには、顧客が商品やサービスを知り、購買に至るまでのプロセスを地図のように可視化した「カスタマージャーニーマップ」の活用が有効です。

カスタマージャーニーマップを作成することで、「ターゲットが何を考えているのか」「どのような情報が求められているのか」などの情報が把握でき、「どの購買フェーズにいる顧客に、どのようなコンテンツを提供するのが有効なのか」が明確になります。

また、カスタマージャーニーマップを作成することで、社内で共通認識をつくれたり、施策の運用がスムーズになったりするメリットも得られます。カスタマージャーニーマップを作成するにはターゲットの設定から行動の仮説と検証、フレームワークの決定など様々なプロセスが必要ですが、オウンドメディア運用においては、手間をかけた分の効果が期待できるでしょう

 

カスタマージャーニーマップについては、以下コラムで詳しく解説しています。

カスタマージャーニーとは?基礎知識から必要性、事例、作り方までわかりやすく解説!

 

4.定期的にコンテンツの更新を行う


オウンドメディアは、一度作成したら終わりではありません。継続的にコンテンツを更新し、最新の情報や有益な情報を提供し続けることが重要です。
しかし、ただ更新するだけでは不十分です。せっかく良質なコンテンツを作成しても、ユーザの目に触れなければ意味がありません。

そこで重要になるのがSEO対策です。具体的なSEO対策としては、以下の点が挙げられます。

キーワード調査: ターゲット層がどのようなキーワードで検索しているのかを調査し、コンテンツに適切なキーワードを含める。

コンテンツの質向上: ユーザーにとって有益で、質の高いコンテンツを作成する。

サイト構造の最適化: 検索エンジンがサイトの内容を理解しやすくするために、サイト構造を整理する。

内部対策・外部対策: サイト内部のSEO対策(内部リンクなど)と、外部からの被リンク獲得などの対策を行う。

これらの対策を施すことで、検索エンジンのランキングで上位表示されやすくなり、より多くのユーザーにコンテンツを届けることができるようになります。
更新頻度を決め、定期的な配信を心がけましょう。

SEO対策については以下コラムで詳しく解説しています。
BtoBのSEO対策の基本解説!成功するためのポイント・ステップ・ツールを紹介
BtoBマーケティングで成果を出すためのSEOコンテンツの作り方

5.他のマーケティング施策との連携


オウンドメディア単体で運用するのではなく、他のマーケティング施策と連携させることで、相乗効果を高めることができます。メールマーケティングやSNS、オンライン広告などを活用し、オウンドメディアへの導線を確保しましょう。イベントやセミナーなどでオウンドメディアを紹介することも効果的です。

 

それぞれの施策については、以下コラムで解説しています。
BtoB企業にメールマーケティングが必要な理由とは?取り組む手順も解説
ウェビナーとは?BtoBマーケティングで活用が進む4つの理由

 

MA活用によりオウンドメディア運用を効率化

 

ここまで、オウンドメディアの有用性や、制作時のポイントなどを解説してきました。しかし、オウンドメディアは、制作して終わりではありません。オウンドメディア運用の大きな目的はリードの獲得であり、リード獲得後は効率的にリードナーチャリングやリードクオリフィケーションにつなげる必要があります。

成果を最大化するためにも、オウンドメディアは、マーケティングオートメーション(MA)との運用をセットで考えましょう。オウンドメディアとMAツールの親和性は高く、ツールを活用すれば、より効率的にリード獲得や、リードナーチャリングなど施策の評価・改善が可能です。例えば、MAツールを利用することで、自社メディアの記事を3回読んでくれたユーザにメールを配信するなどの細かい施策も設定できます。MAを活用して、オウンドメディアによるリード獲得から育成、有効なリードの営業引き渡しまでを効率よく行ってみてはいかがでしょうか

 

BtoBオウンドメディア支援事例

 

この章では、メディックスが、これまでに支援した実際のオウンドメディア支援事例を通じて、成功要因と戦術の詳細を掘り下げ、BtoB市場での成果を最大化する方法を紹介します。


「問い合わせ数がリニューアル前の約3倍になりました」富士電機ITソリューション株式会社

富士電機ITソリューション株式会社は、民間企業や官公庁、学校などに向けて様々なITソリューションを提供しています。同社のパッケージソリューションの一つ「軽技Web」は、2004年にサービスサイト(オウンドメディアも含む)を開設し、多くのリード顧客を獲得してきました。しかし、ウェブマーケティング競争が激化する中で問い合わせ数が減少したため、メディックスにサイトリニューアルを依頼しました。

このリニューアルでは、サイト構成の見直しや問い合わせまでの導線設計、SEO対策など、幅広い改善を施しました。さらに、リニューアル後も定量・定性の両面から継続的に分析し、最適化を繰り返しました。その結果、早期に効果が現れ、2018年には問い合わせ数が3倍に増加しました。

事例詳細はこちら
https://btob.medix-inc.co.jp/bm_site_voice_fujielectric-it-solutions

サービスサイトの中には、「お役立ちコラム」というオウンドメディアもあり、提供サービス「軽業Web」の搭載されている、BIツールやRPAの機能に関して幅広く情報を発信しています。

軽技Web お役立ちコラム
https://www.karuwaza.com/column/

 

まとめ

 

BtoBとオウンドメディアの相性は抜群に良く、運用することによって、リード獲得や見込み顧客の育成、企業に対しての認知強化など、様々なメリットが得られます。これからオンライン化がより一層進んでいくと予想される現代において、高い効果が期待できるマーケティング施策の1つといえるでしょう。

メディックスでは、オウンドメディアに必要なコンテンツ制作からカスタマ―ジャーニー制作、マーケティングオートメーション(MA)の導入・運用支援までワンストップで提供可能です。1998年に企業向けIT製品情報サイト「キーマンズネット」の制作支援を開始して以来、IT系企業を中心に20年以上300社超えのデジタルマーケティング支援を行っており、実案件を通した経験とノウハウを組織的に保有しています。

オウンドメディア運営でお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。BtoB分野のデジタルマーケティングのプロとして、貴社を支援いたします。

Tag: BtoBマーケティング


logo_pc

メディックスBtoBマーケティング編集部

デジタルマーケティングの基本的な考え方や最新情報、実践的なノウハウを探している、BtoBマーケティング担当者向けに、日々のマーケティング業務のプラスになるお役立ち情報を厳選して発信しています。

ブログ購読お問い合わせ会社概要


一覧に戻る