「BtoBマーケティングのトレンドを把握したい」
「トレンドを押さえて戦略を立てたい」
このようにお考えのBtoBマーケティング担当者はいないでしょうか?
近年のコロナ禍や加速するDX、それにともなうビジネスモデルの変革など、BtoBを取り巻く環境は大きく変化しています。従来の営業手法が通じなくなり、BtoBマーケティングが注目されるようになりました。BtoBマーケティング担当者として責任の重さを感じ、より良い方法を模索している人もいるのではないでしょうか。
本記事では、BtoBマーケティング担当者として押さえておくべき、近年のBtoBマーケティングのトレンドを紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
BtoBマーケティングでは購買プロセスのオンライン化が進む
近年インターネット環境が急速に整備され、約90%もの人がスマホを所有する時代となったことから、人々の購買プロセスは大きく変化しました(※)。「モノを買うときにはインターネットで検索する」との考えが浸透し、今となっては購買までもがオンライン上で完結します。
対面営業が主流であったBtoBマーケティングにおいても、同様の流れができつつありました。そして、2020年に世界中を巻き込んだ新型コロナウイルスの流行は、この流れを一層加速させます。多くの企業がリモートワークの導入を余儀なくされ、従来の手法では商品やサービスの販売ができなくなりました。そのため、これまでとは異なる視点から、顧客へアプローチする方法を検討せざるを得なくなったのです。
この社会の変化は、BtoB企業のマーケティング戦術にどのような影響を与えたのでしょうか。次章では、現時点でのBtoBマーケティングのトレンドを紹介します。
また、アフターコロナ・withコロナ時代のBtoBマーケティング戦略については、下記の記事も、ぜひ、参考にしてみてください。
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(※)出典:NTTドコモ モバイル社会研究所ホームページ
【2022年3月時点】BtoBマーケティングのトレンド
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、有益で価値あるコンテンツをオンライン上で提供し、興味・関心のある顧客を引きつけ、継続的にコミュニケーションを取ることでニーズを育成していくマーケティング手法です。
BtoBは導入までの検討期間が長く、購買に至るまでに複数人が関与することから、これまでもコンテンツを活用して顧客と良好な関係を構築していくコンテンツマーケティングは有効な手法とされていました。しかし、コロナ禍により非接触が推奨され、従来の展示会や訪問営業、それにつなげるためのテレアポ、そして郵送DMなどのオフライン施策が困難になった今、失われたリード獲得機会を補うための手段として、コンテンツマーケティングはより重要視されています。
また近年はテクノロジーの進化により、商品やサービス自体での差別化も困難になりました。そのため、購買プロセスのできるだけ初期のフェーズで顧客にアプローチして取り込む必要があり、その手段の1つとしてもコンテンツマーケティングの注目度は高まっています。
メールマーケティング
コロナ禍によって在宅勤務が当たり前になり、オフィスに出社する人が少なくなったことから、DMやテレアポで顧客にアプローチするのは難しくなりました。そのため、メールマーケティングに切り替えて、接触を試みる企業が増えています。
社内ではチャットを使う企業も多くなりましたが、対外的なコンタクトには今でもメールを用いるのが主流であるため、メールマーケティングは有効です。
メールマーケティングは、リードの獲得だけではなく、接点を持った見込み客との関係維持にも効果的です。メルマガやステップメール、ターゲティング・リターゲティングメールなど、手法が多彩なのもメールマーケティングの利点です。見込み客の状況に応じて適切なメールを配信すれば、ニーズの顕在度を上げていくリードナーチャリングにも役立ちます。
SNSマーケティング
SNSを情報収集に活用する人が増えた近年、BtoB企業においてもTwitterやFacebookといったSNSを活用する流れがあります。
BtoBでのSNSマーケティングは、潜在顧客の認知獲得やブランディングに効果があります。コンテンツマーケティングの一環として、顧客にとって有用な情報を発信し続けると「信頼性のある企業」と認識されやすくなるのがメリットです。企業アカウントではなく、「企業内個人」として発信すると「人のブランディング」が可能になり、より親近感を持ってもらいやすくなります。
BtoBでは、企業内でプロダクトの需要が発生すると、担当者がまず情報収集を始めます。その際、担当者に「いつも情報を参考にしている〇〇さんのA社は候補に入れておこう」と想起してもらえるかは重要です。SNSを通じて、日ごろから自社の世界観や価値観を共有していれば、より共感度の高いリードの獲得にもつながります。
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カスタマーサクセス
BtoB業界においても、ビジネスモデルは「買い切り型」から、SaaSをはじめとした「サブスクリプション型(継続課金)」への移行が進んでいます。
サブスクリプション型のビジネスモデルでは、いかに顧客の解約率を下げて、LTV(Life Time Value=顧客生涯価値)を向上させられるかが成功の鍵となります。解約を防ぐには顧客にプロダクトの価値を感じてもらう必要があります。そのため、顧客の成功に向けて伴走する概念・取り組みであるカスタマーサクセスが注目されるようになりました。
特にBtoBは市場規模が小さく、そもそもの母数が少ないのが特長です。新規顧客の獲得は、既存顧客の維持の5倍コストがかかるといわれていることを考えても、既存顧客の維持に注力するのは重要です。カスタマーサクセスに成功すると、解約率が下がるだけではなく、アップセル・クロスセルが期待できるため、自社の利益に大きく貢献します。
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オフライン広告
最近はBtoB業界でも、テレビCMを活用する企業が増えてきました。また、タクシー広告の活用も広まっています。企業を顧客とするBtoB企業がオフライン広告を活用するのには、商品・サービスでの差別化が困難になったことが理由として挙げられます。
似たような商品・サービスのなかから自社を選んでもらうためには、需要が発生したときに想起してもらわなければなりません。CMの影響は大きく、知名度を上げるには効果的です。多くの人の印象に強く残ることに成功すれば、第一想起を獲得して、市場を一気に取りに行くことも可能です。CMを打つことでブランド力が向上すると信頼性も高まり、比較検討の段階で選ばれやすくなる効果も得られます。
Cookie規制
デジタル上の個人情報であるCookieが、世界的に規制される流れになっています。Appleは、独自のWebブラウザSafariにおいて、すでに3rd Party Cookieの発行を規制しており、Googleも2023年までの間に段階的にChromeでの使用に制限をかけると発表しています。Cookieから得られる情報はWeb広告のターゲティング精度を左右するため、マーケティングに活用していた企業には痛手です。
その一方、GoogleではCookieの代替案としてTopicsを提案するなど、新しい技術の開発も進められています。BtoBマーケティングにおいても、今後の「ポストCookie」の時代に備えて新しい技術開発の動向を注視していく必要があるでしょう。
CooKieの代替案の1つとして注目されている、IPアドレスターゲティングについては、下記の記事をご覧ください。
ウェビナーやオンライン展示会
コロナ禍の影響で、展示会やセミナーといったリアルの場に多くの人を集めて行う営業手法は困難になりました。これを代替する手法として、ウェビナーやオンライン展示会が普及してきています。
ウェビナーやオンライン展覧会では、見込み客に直接商品やサービスを使ってもらい、魅力をアピールすることはできません。しかし、今まで会場に足を運べてもらえなかった多くの見込み客に参加してもらえることや、リアルでの開催よりもコストを抑えられるなど、ウェビナーやオンライン展覧会ならではのメリットがあります。また、オンライン上の見込み客の行動や参加者の滞在時間、重点的に見ていたページなど、マーケティングに役立つ質の高いデータの収集も可能です。
ウェビナーやオンライン展示会は参加者にも開催企業にもメリットがあるので、今後このまま定着する可能性が高いといわれています。
オンライン商談
対面の商談が困難になったため、オンライン商談も普及しました。
オンライン商談は対面よりも短く簡潔に進められることが多く、相手企業に出向く移動時間も不要であるため、対面よりも商談数を増やせます。場所の制約もないので、取り扱っている商材によっては商圏を全国へと広げ、多くの相手にアプローチできるようになるのもメリットです。
一方で、顧客側は多くの企業と気軽に商談を設けやすい状況になりました。また、直接会うことがないため信頼関係を築きにくく、商品やサービスの選定においては、これまで以上に比較・検討がシビアに行われるようになっています。見込み客に選ばれるためには、より説得力のある資料作りを心掛ける必要があるでしょう。
BtoBマーケティング担当者はトレンドに敏感に
このわずか数年の間に、BtoBを取り巻く環境は大きく様変わりしました。オンライン化の流れを読まず、あるいは先送りしてオフライン中心でマーケティングに取り組んできた企業のなかには、コロナ禍以後オンラインにうまく移行できずに苦戦しているところも少なくありません。
これと同じようなことは、いつでも起こり得ます。今後、BtoBマーケティングの環境を大きく変える可能性のあるトピックスには敏感になっておかないと、トレンドが大きく変わった際に競合他社より大きく出遅れてしまう恐れがあります。
BtoBマーケティング担当者は、コロナ禍による今後の影響や個人情報保護の流れなど、BtoBマーケティングの環境に大きく影響を与える可能性があるトピックスは常に注視し、トレンドの変化に迅速に対応できる準備をしておく必要があるでしょう。
まとめ
ビジネスモデルの変革が強く求められるなかで、BtoBマーケティングのトレンドも日々変わっています。今後インターネットを活用したBtoB領域のデジタルマーケティングはますます重要視され、顧客のニーズを理解した上での打ち手を考えていく必要があります。
そのためには、良質なコンテンツを開発し続けることは、もはや必須といえるでしょう。毎日インターネット上に量産され続けるコンテンツのなかで、他企業との差別化を図ることも重要です。
メディックスでは、長年にわたりBtoBに特化した支援を行ってきたことから、BtoBマーケティングのノウハウを保有しています。本記事で紹介した最新トレンドに合わせたコンテンツ制作支援はもちろん、 Web広告などの集客施策からマーケティングオートメーションの導入・運用まで、ワンストップで提供が可能です。
BtoBマーケティングでお困りの際には、ぜひお気軽にお問い合わせください。