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BtoBマーケティングとは?基礎から実践方法、成功事例まで、わかりやすく解説!

Aug 3, 2022 8:30:00 AM

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「BtoBマーケティングの基礎から実践方法まで、全体像を把握したい」
「BtoBマーケティングの成功ポイントを押さえて、自社の施策に取り入れたい」
このようにお考えではないでしょうか?

従来オフラインでの取引が中心だったBtoBビジネスも、近年は急速にデジタルシフトが進んでいます。それとともにBtoBマーケティングの手法も様変わりし、今や主戦場はインターネット上となりました。今のままでは市場競争で取り残されてしまうのでは、と不安に感じているBtoBマーケティング担当者も多いようです。

そこで今回は、BtoBマーケティングの基礎から具体的な施策、成功ポイントまで、メディックスでおこなったアンケート調査の結果を紹介しながら、わかりやすく解説します。BtoBマーケティングに役立つ、おすすめのツールや他社の成功事例も紹介しますので、ぜひ、貴社のマーケティング偏差値の向上にお役立てください。

※本記事で紹介しているアンケート調査の結果は、下記よりダウンロードできます。

資料のダウンロードはこちら

 

 

目次

 

BtoBマーケティングとは?

 

BtoBマーケティングのBtoBは、Business to Business、つまり、企業が企業に対しておこなうビジネスのことです。そして、BtoBマーケティングは、BtoBビジネスをおこなう企業が実施するマーケティング活動を意味します。

BtoBとよく対比されるのがBtoCです。BtoCは、Business to Consumerの略語で、企業が一般消費者を相手におこなうビジネスを指します。

また、BtoBはBtoCと比較して、次のような特長があります。

  1. 取引単価が高い
  2. 意思決定に複数人が関わる
  3. 顧客数が少ない(市場が狭い)
  4. 購入までの検討期間が長い
  5. 経済的合理性を判断基準にする
  6. ROIの改善や業務効率化をゴールとする

 

BtoBマーケティングは、これらBtoBビジネスの特性を理解した上で取り組むことが求められます。

 

 

BtoBマーケティングが重要視される3つの理由

 

従来のBtoBビジネスにおいては、営業が中心となり取引先の開拓をおこなうのが一般的でした。しかし、近年は営業だけでなく、マーケティングにも注力するBtoB企業が増えています。

BtoBビジネスにおいて、マーケティングが重要視されるようになった背景には、次のような理由があります。

1.オンラインでの情報収集の活発化

 

近年、高速通信やインターネット環境の整備が急速に進んだことにより、BtoBにおいても購買プロセスのデジタル化が進んでいます。

『ハーバード・ビジネス・レビュー』から発表された研究では、「営業の訪問前までに67%の購買プロセスが完了されている」といわれていました(※1)。また、メディックスがIT製品選定者と製造業製品選定者を対象として実施したアンケートでも、次のような結果が出ています(※2)(※3)。

 

■IT製品:「認知のきっかけ」フェーズにおける情報収集源(2019年度実施アンケートとの比較 / 複数回答)

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(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)

  1. IT製品の情報収集源としては、2019年度と変わらず、「検索エンジン」で情報収集をしている製品選定者が50%以上となり、Web上での情報収集のきっかけとしては、変わらず検索エンジンの活用がもっとも多い結果となった。
  2. 一方で、前回の調査よりも「ベンダ・メーカーのホームページ」という回答が増加しており、情報収集源がデジタルにシフトしている状況が、2019年度よりもより顕著になったと推察される。

 

■製造業製品:「認知のきっかけ」フェーズにおける情報収集源(2019年度実施アンケートとの比較 / 複数回答)

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(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)

 

  1. 「認知のきっかけ」フェーズにおける情報収集源として、「展示会、専門イベント」「ベンダ・メーカーが主催するイベントやセミナー」が2019年度と比較して減少した。
  2. 対して、「ベンダ・メーカーのホームページ」の割合は2019年度と比較して増加しており、製品選定者の情報収集源がデジタルにシフトしている。


オンライン上で入手できる情報量が増加し、顧客のニーズは多様化する一方です。その結果、顧客1人ひとりにあわせたOne to Oneマーケティングをおこなわなければ、関心を引き興味を持ってもらうことは困難になりました。特にBtoBにおいては、企業を1個人と見立てることでOne to One マーケティングを行う手法(アカウントベースドマーケティング)が有効です。

 

 

(※1)出典:Harvard Business Review “The End of Solution Sales”(Harvard Business Publishing社)
(※2)出典:2021年版IT製品選定者アンケート調査結果(株式会社メディックス)
(※3)出典:2021年版製造業製品選定者アンケート調査結果(株式会社メディックス)

 

2.BtoBビジネスを取り巻く環境の変化

 

近年はBtoBにおいても、買い切り型からサブスクリプション型へとビジネスモデルの移行が進んでいます。

「時間をかけて慎重に検討した上で導入を決める」といった傾向にあるBtoBにおいては、従来は買い切り型で、一度導入してもらいさえすれば、長く継続してもらえるのが一般的でした。

しかし、「利用する期間」を購入するサブスクリプション型は、導入にかかるコストや負担を軽くするのと同時に、切り替えのハードルも下げました。サービス提供側は、新規顧客を獲得するのとあわせ、既存顧客をできるだけ維持してLTVを高めるための努力が一層求められるようになったのです。

 

 

3.コロナ禍におけるテレワークの浸透


コロナ禍の影響でテレワークが浸透したことにより、BtoBにおいてもデジタル化が進み、オンライン上での情報収集が一層加速しました。

これにともない、マーケティング予算でWebマーケティングが占める割合が増加した企業も増えています。実際に、メディックスがおこなったアンケートでも、「Webマーケティングの占める割合が50%以上である」という回答が、2019年度と比較して8.7%上昇しています(※1)(※2)。

■WEBマーケティングの占める割合(2019年度実施アンケートとの比較)

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(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)

 

コロナ禍により、マーケティング施策がオンラインへ移行していることは明らかです。特に、上記のアンケートではSaaS系商材のマーケティングにおいて、その傾向が顕著に見られました。

コロナが終息したあとも、テレワークが継続するとの見方が強くあるため、BtoBにおいても、今後の主戦場はオンラインであると認識した上での対策が求められます。

 

(※1)出典:2021年版SaaS BtoBマーケティング担当者アンケート調査結果(株式会社メディックス)
(※2)出典:2021年版非SaaS BtoBマーケティング担当者アンケート調査結果(株式会社メディックス)

 

BtoBマーケティングを成功させる5つのポイント

 

BtoBマーケティングの具体的な進め方や手法を紹介する前に、すべての施策に共通する成功ポイントについて説明します。

 

1.顧客の課題やニーズを正しく理解する


冒頭で説明したとおり、BtoBには「意思決定に複数人が関わる」「購入までの検討期間が長い」「経済的合理性を判断基準にする」といった傾向があります。つまり、BtoBでは購買フェーズごとに関与する相手が違うため、関与者ごと、購買フェーズごとに、個々の顧客が必要としている情報を、適切なタイミングで差し出すことが重要になります。

また、BtoCと比較して市場規模が小さく、顧客数も限られるため、ターゲットを取りこぼさないという意味でも、個々の顧客のニーズウォンツ、さらには顧客すらも気づいていない購買理由(顧客インサイト)などを正確に理解することが求められます。

 

 

2.複数の施策を網羅的に実行する


購買の意思決定に関与する担当者と、購買フェーズごとの顧客ニーズを把握したら、それらに適した施策を検討します。

施策についても、購買フェーズごとに担当者のリテラシーやニーズは異なります。そのため、単独の施策ですべての担当者のニーズを満たすのは難しく、複数の施策を組み合わせて網羅的に実行することが重要になります。

→BtoBデジタルマーケティングの代表的な手法については、下記の記事も、ぜひ、参考にしてみてください。
BtoBにデジタルマーケティングは必要か?KGIやKPI、代表的な手法を徹底解説!

 

3.マーケティングの目的を明確にする


BtoBマーケティングでは、広告運用やコンテンツマーケティングリード育成のためのメールマーケティングなど多くの業務をおこないます。そのために、各種ツールを活用して業務効率化を図るのが一般的です。

しかし、ツールを導入したことで満足しているケースも少なくありません。ツール導入に際しては、マーケティングの目的を明確にした上で、どのように活用・運用するのかまで考えておくことが重要です。

BtoBマーケティングで活用できるツールについては、本記事の後半で詳しく紹介します。

 

 

4.営業など他部門との連携を積極的に行う


マーケティング部門で創出したホットリード(確度の高い見込み顧客)は、営業部門に引き渡され、その後のアプローチは営業が行います。しかし、営業部門が設定しているホットリードの基準とあわず、せっかく創出したリードが放置されてしまうケースも珍しくありません。

このようなことがないように、マーケティング部門で創出したホットリードが、営業部門やほかの部門にとって扱いやすいものになっているかどうかを常に確認し、必要に応じて見直しを行いましょう。

マーケティングを成功させるためには、営業をはじめとした他部門との連携を強め、共通の目標を持つチームとして、認識を共有しておくことが重要です。

 

5.定期的に施策を見直す


施策にはKGIやKPIを立てて実行し、結果を分析して改善・PDCAを繰り返すことが重要です。その上で、定期的に施策全体を見直し、新たな手を打てないかを検討しましょう。

特にIT分野においては、新しい技術やサービスが次々開発されています。業態や顧客のニーズは多様化が進む一方であることを考えると、常に市場動向を観察してマーケティングトレンドを追い、状況に応じて臨機応変に施策を立てる柔軟性と、スピード・対応力などが必要です。

近年のBtoBマーケティングのトレンドについては、下記の記事も、ぜひ、参考にしてみてください。
→「2022年版!BtoBマーケティングのトレンドは?担当者が行うべき準備とは

 

BtoBマーケティングを進める6つのステップ

 

BtoBマーケティングでは、次の3つのステップを踏むのが一般的です。

  1. リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)
  2. リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
  3. リードクオリフィケーション(見込み顧客の選別)


ここでは、これら3つのステップを効果的に進めるために必要な前後のステップを含め、BtoBマーケティングの進め方を説明します。

 

1.戦略策定

 

BtoBマーケティングにおけるリードジェネレーションリードナーチャリングリードクオリフィケーションの3ステップは連動しています(3つのステップをまとめて、デマンドジェネレーションと呼びます)。そのため、事前の戦略策定、つまりコミュニケーション設計が不十分だと、アポが取れない、問い合わせが増えない、など十分な成果が得られません。

コミュニケーション設計で失敗しないためには、4P分析STP分析などにより、自社のターゲットとなるセグメントやペルソナを明確にすることが重要です。また、カスタマージャーニーマップを作成することで、ペルソナごとにタッチポイントを最適化し、マーケティングファネルの各フェーズにおいて効果的な施策を検討することができます。

 

 

2.リードジェネレーション

 

リードジェネレーションとは、見込み顧客(リード)を創出(ジェネレーション)する活動のことです。つまり、自社の顧客になる可能性のある見込み顧客を集めるプロセスを指します。このプロセスでは、様々な手法で顧客のメールアドレスや電話番号などの連絡先の獲得を目指します。

BtoBマーケティングの最終ステップは、営業にホットリード(確度の高い見込み顧客)を引き渡すことです。そのために、まずはあらゆる手法で見込み顧客を獲得しなければ始まりません。BtoCと比較して顧客数が限られるBtoBにおいては、リードジェネレーションでどれだけ多くのリードを獲得するかが、勝敗を分ける可能性があるのです。

リードジェネレーションについて詳しくは、下記の記事をご覧ください。
→「リードジェネレーションの役割は?具体的な方法と、KPIの設定例について解説

 

 

3.リードナーチャリング


リードナーチャリングは、リードジェネレーションで獲得した見込み顧客(リード)を育成(ナーチャリング)することです。具体的には、自社の製品やサービスへの購入意欲を高めてもらうことを意味します。

リードジェネレーションで創出した見込み顧客(リード)は、まだ自社の製品やサービスへの関心がさほど高まっていない可能性があります。そのため、そのまま放置していると、他社に流れてしまうかもしれません。そこで、リードナーチャリングが必要になります。

特に、BtoBは検討期間が長いため、適切なタイミングで必要・有益な情報を提供し、中長期的に関係を築いていくことが重要です。

リードナーチャリングについて詳しくは、下記の記事をご覧ください。
→「リードナーチャリングとは?具体的なステップと手軽にできる3つの施策を紹介

4.リードクオリフィケーション


リードクオリフィケーションは、育成(ナーチャリング)した見込み顧客(リード)のなかから、条件を満たした(クオリフィケーション)顧客を選別することです。ここでいう条件とは、「購入の可能性が十分に高まった、ホットリードとなった状態」を指します。

リードクオリフィケーションでは、見込み顧客(リード)をスコアリングするなどして、ホットリードとなった顧客を選別していきます。そうすることで、営業は購入意欲の高い顧客だけにアプローチし、効率的な営業活動をおこなえるようになるのです。

リードクオリフィケーションについて詳しくは、下記の記事をご覧ください。
→「リードクオリフィケーションとは?その重要性と方法についてご紹介

5.提案・訪問


マーケティング部門からパスされたホットリード(確度の高い見込み顧客)は、営業部門による訪問を受け、アップセルクロスセルなどの提案を経てクロージングへと進みます。

近年はコロナ禍の影響もあり、顧客との対面営業が難しくなったため、オンライン商談がおこなわれるのが一般的になりました。そのため、最終的には訪問営業をする場合でも、まずはITとデジタルデータを駆使したデジタル戦を制する必要があります。

このステップでは、マーケティング部門は営業部門と連携を取り、できるだけ多くのデータとともにホットリードをパスすることが求められます。

 

 

6.アフターフォロー


BtoCと比較してターゲットの母数が少ない傾向にあるBtoBにおいては、パイの奪いあいが生じるため、新規顧客獲得の難易度は増すばかりです。そのため、契約に至った顧客の解約を防ぎ、継続してもらう取り組みも重要です。

特にSaaSを中心とするサブスクリプション型ビジネスをおこなっている企業は、BtoBであっても常に解約の危険にさらされています。そのため、顧客に常に優良なCX(顧客体験)を提供する、顧客の目的達成を目指して成功を伴走支援するカスタマーサクセスなどに取り組むことも必要です。

 

 

BtoBマーケティングの主な手法と、おすすめのツール

 

ここからは、マーケティングの基本3ステップのうち、リードジェネレーションリードナーチャリングでおこなわれる主な手法とおすすめのツールを紹介します。

 

リードジェネレーションの主な手法9つ


まずは、見込み顧客を獲得するリードジェネレーションの主な手法を9つ紹介します。

 

1.検索エンジン(オウンドメディア)


オンラインを主戦場とするのであれば、自社を知ってもらうためのコーポレートサイトやホームページ、ブログ、SNSなどの各種オウンドメディアの開設は欠かせません。

さらに、顧客が検索エンジンで検索した際、自社のコンテンツが検索結果の上位に表示されるための取り組みも必要です。具体的には、優良なSEOコンテンツを作成するコンテンツマーケティングや、Googleに評価されるコンテンツ設計を考えるSEO対策などが重要になってきます。

一方で、質の高いコンテンツを制作するには、高い専門性とスキルが必要になります。自社で内製できない場合には、外注とうまく連携してコンテンツ制作を進めるのも有効な手段です。

外注と内製、それぞれのメリットやデメリット、BtoB企業のコンテンツ制作を外注する際のポイントについては、下記の記事も、ぜひ、参考にしてください。
→「BtoB企業のコンテンツは外注?内製?メリット・デメリットから、コンテンツ制作のポイントまで解説

 

 

2.業界メディアへの掲載


自社が属する業界のメディアへ記事や広告を出稿するのも、リードジェネレーションに適しています。

メディックスがIT製品選定者と製造業製品選定者を対象として実施したアンケートでは、「認知のきっかけ」フェーズによく利用するWebメディアとして、次のようなメディアが挙げられています(※1)(※2)。

■IT製品:「認知のきっかけ」フェーズでよく利用するIT系Webメディア(複数回答)

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(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)

  1. 「特にない」を除くとITmediaが最も高く、日経xTECH/日経xTECH Activeと続く。

 

■製造業製品:「認知のきっかけ」フェーズでよく利用する製造業系Webメディア(複数回答)

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(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)

  1. 「特にない」を除くと、イプロス製造業が最も高く、ものづくり.com、製品ナビ、スマートジャパンと続く。

 

業界メディアは、その業界に属している、あるいは関心が高い層が閲覧していると想定されます。そのため、記事や広告を出稿することで自社の専門性をアピールできれば、比較的確度の高い優良な見込み顧客の獲得につながる可能性があります。

(※1)出典:2021年版IT製品選定者アンケート調査結果(株式会社メディックス)
(※2)出典:2021年版製造業製品選定者アンケート調査結果(株式会社メディックス)

 

 

3.資料請求サイトへの掲載


リードジェネレーションの目的は、顧客のメールアドレスや電話番号といった情報を獲得することです。すでにe-Bookホワイトペーパーなどの資料をオウンドメディアに掲載している場合には、資料請求サイトにもあわせて掲載することで効率的に顧客の情報を獲得することができます。

資料請求サイトとは、顧客が必要な資料を一括でダウンロードできるよう、企業が提供している各種ダウンロード資料を集めたサイトです。このようなサイトを活用することで、自社だけではリーチできない顧客層にもアプローチでき、効率よくマーケティングを行えるようになります。

BtoB企業の資料ダウンロード数を増やす方法については、下記の記事も、ぜひ、参考にしてみてください。
→「BtoB企業の資料ダウンロード数を増やす方法は?資料制作のポイントも解説

 

4.Web広告(リスティング広告)


コンテンツマーケティングSEO対策で成果を出すためには時間がかかるため、これらは中長期的に取り組む必要があります。そのため、Web広告(リスティング広告)など、広告出稿後すぐに検索結果の上部(場合によっては、下部など)に表示される施策と組み合わせることで、早期に顧客の流入が見込めます。

広告には、リスティング広告のほかにDSP広告や記事広告など様々な種類があります。いずれの広告も、やみくもに出稿するのではなく、自社のターゲットを明確にした上で、クリックを誘う効果的なバナーの作成や遷移先のランディングページの作り込みをおこなうことが重要です。

ただし、そのためには一定の知識とノウハウが必要になります。そのため、広告を出稿するのであれば、専門業者の利用も検討するとよいでしょう。

インハウスでの広告運用の注意点や成果を出すためのヒントについては、下記の記事も、ぜひ、参考にしてみてください。
→「インハウスでの広告運用は難しい?よくある失敗例と成功のポイント

 

5.SNS広告


BtoCのイメージが強いSNSですが、近年はBtoBにおいても、SNS広告を利用してリード獲得を目指す企業が増えてきました。

SNS広告の最大のメリットは、年齢や性別、肩書きなど、ユーザの登録情報に基づく精度の高いターゲティングが行えることです。ターゲットを絞り込んで配信することで、費用対効果の高いリードジェネレーションが期待できます。

また、コロナ禍では、FacebookやTwitterをはじめとしたSNSで自社のウェビナー情報を発信し、リード獲得につなげているケースも見受けられます。ユーザが日常的に利用しているSNSは、自社の認知を高め、潜在層のニーズを顕在化させる手段としても有効です。

 

 

6.展示会、専門イベント


コロナ禍の影響で開催が減った展示会や専門イベントですが、徐々に復活の動きもあります。展示会やイベントに足を運ぶ企業担当者は、その業界に興味・関心が高いことが多いため、展示会などに出展することで、優良な見込み顧客を獲得できる可能性があります。

また、顧客のニーズを直接聞き取るチャンスでもあるため、出展に工数やコストはかかるものの、機会があるなら積極的に活用するのもよいでしょう。

7.セミナー、ウェビナー


同業他社が多数参加する展示会や専門イベントと異なり、セミナーでは自社の製品やサービスに関心がある層にだけアプローチできます。

近年は、ライブ映像や動画を通してオンラインで開催するウェビナーが主流となり、参加へのハードルも下がりました。有益な情報を提供できるセミナーやウェビナーを開催することで、確度の高い見込み顧客の獲得にもつながるでしょう。

 

8.ニュースリリース(プレスリリース)


新しい製品やサービスを開発した、提供を始める、といったときには、ニュースリリース(プレスリリース)も積極的に活用しましょう。ニュースリリースとは、企業がマスコミ向けに情報を発表することです。

ニュースリリースをおこなうと、業界に関心の高い層に自社がおこなっている取り組みを広く知ってもらえます。これまで接点のなかった潜在層にアプローチできるのも、ニュースリリースのメリットです。

 

 

9.テレアポ


自社の製品やサービスに関心がありそうな企業に直接電話をかけてアプローチするテレアポでも、リードの獲得は可能です。

テレアポは、昔からおこなわれてきたアウトバウンドマーケティングの手法の1つとして、現在でもおこなわれています。ただし、テレワークの浸透や、BtoBにおいても情報収集がオンライン上でおこなわれるようになったことなどを背景に、これからの時代、テレアポは衰退していく傾向にあると考えられています。

 

 

リードナーチャリングの主な手法7つ


続いてリードジェネレーションで獲得した見込み顧客を育成する、リードナーチャリングの手法を7つ紹介します。

 

1.メールマーケティング


検討期間が長いBtoBにおいては、適切なタイミングでメールを送信するメールマーケティングも有効です。メールというと古典的な手法であるように思われますが、企業では対外的な連絡手段として、メールを利用しているところも多いため、まだまだ活用の機会はあります。

メールマーケティングには、すべての顧客に同じメールを配信するメルマガや、顧客の行動に応じてあらかじめ設定したタイミングでメールを送るステップメール、特定のセグメントやユーザにのみメールを配信するターゲティングメールなど、多くの種類があるのも特長です。

 

 

2.オウンドメディアの拡充


オウンドメディアは、獲得したリードが興味を持ちそうなコンテンツを拡充することで、リードナーチャリングにも利用できます。

購買フェーズに応じて、必要になりそうなコンテンツを掲載することで、見込み顧客が繰り返し訪問してくれるオウンドメディアを目指しましょう。ニーズが顕在化してきた見込み顧客に向けてわかりやすい動画コンテンツを用意したり、メールマーケティングと組み合わせてホワイトペーパーebookで有益な情報を提供したりするのもおすすめです。

 

 

3.Web広告(リターゲティング広告)


自社サイトを訪問したユーザに対し、リターゲティング広告を配信するのもリードナーチャリングに有効な手法の1つです。リターゲティング広告とは、自社サイトへの訪問履歴のある顧客に対し、外部のWebサイト閲覧中に、広告を表示する手法を指します。

自社サイトへの訪問履歴がある見込み顧客は、自社の製品やサービスに一定の関心があると考えられることから、継続的に広告を表示することでニーズを高められる可能性があります。

 

4.IPアドレスターゲティング


インターネットに接続する端末に対し、個別に割り当てられるIPアドレスはリードナーチャリングにも活用できます。

国内のIPアドレスは、JPNICと呼ばれる組織が管理し、都道府県・市町村ごとに割り振っています。さらに、企業は固定IPを有していることが多いため、自社サイトを訪問したIPアドレスから企業や地域を特定し、ターゲット企業に対してマーケティング施策を打つことができます。

Cookieの規制が厳しくなりつつある今、IPアドレスターゲティングは有効な手段となり得ます。


5.SNS運用


見込み顧客と直接コミュニケーションを取るタッチポイントが少ないBtoBにおいては、SNSマーケティングもおすすめです。近年では、エンゲージメントマーケティングの一環として、SNS運用に取り組むBtoB企業も増えています。

ただし、いわゆる「中の人」が個性豊かに消費者とコミュニケーションを取るBtoCとは異なり、BtoBでは顧客に役立つ情報を提供することで信頼性を高めることが重要です。そのため、顔が見えない中の人ではなく、企業で実在する人物として、実名と顔を出して発信するのが効果的とされています。

また、SNSでのフォロワーが多い、業界内で知名度の高い人物を、インフルエンサーマーケティングに活用するのも有効な手段の1つです。

 

 

6.セミナー、ウェビナー


セミナーやウェビナーは、リードジェネレーションだけではなく、リードナーチャリングにも有効です。

セミナーやウェビナーは、リアルタイムで配信されるのが一般的ですが、見込み顧客のなかには興味や関心があっても参加できないことがあります。このような見込み顧客に対しては、セミナーやウェビナーを録画した動画をオンデマンド配信することで、時間や場所を選ばずに視聴してもらえます。

 

7.インサイドセールス


見込み顧客に対し、メールや電話、オンライン会議システムなどで営業をおこなうインサイドセールスも、リードナーチャリングの手法に含まれます。インサイドセールスの目的は、獲得したリードと電話などで継続的にコミュニケーションを取り、ニーズを顕在化させることです。

リードナーチャリングが目的ではあるものの、顧客との信頼関係が築けると、提案にまで進めるのがインサイドセールスのメリットです。また、検討期間の長いBtoBにおいて、多くなりがちな休眠顧客へのアプローチにも、インサイドセールスは有効です。

 

おすすめのツール8選


BtoBマーケティングは、ツールを利用してデータドリブンな設計にすることで効率的に進められるようになります。ここでは、BtoBマーケティングで利用される主なツールを、8種類紹介します。

 

1.マーケティングオートメーション(以下MA)ツール


MAツールは、従来、人がおこなっていたメール配信やイベント管理、リードスコアリングなどのマーケティング業務を自動化し、MQL(Marketing Qualified Lead)を創出するのに役立つツールです。

MAツールを用いると、獲得したリードに対してあらかじめ設定したシナリオに基づいて、パーソナライズされた施策を自動で実行できます。HubSpotAccount Engagement(旧Pardot)Marketoなどが代表的なMAツールです。

 

 

2.セールスフォースオートメーション(以下SFA)ツール


SFAツールとは、営業活動の効率化を支援するツールです。

SFAツールを活用することで、顧客ごとに営業活動の履歴を残し、可視化できるようになります。また、MAツールと連携することで、マーケティングから営業までの一連の施策の効果が把握できるので、マーケティング活動の効率化にもつながります。

 

 

3.顧客管理(以下CRM)システム


CRMシステムとは、顧客の情報を管理するシステムのことです。

BtoBにおける顧客は企業となりますが、購買フェーズごとに担当者が異なり、複数人が関与することから、顧客情報が複雑になる傾向があります。効率的にビジネスを進めるためには、社内の誰もが同じ顧客データにアクセスし、認識を共有できる環境が欠かせません。

CRMを導入することで、顧客の基本情報やこれまでの取引履歴などを一元管理できるようになり、個々の顧客の状況に応じたアプローチや提案ができるようになります。

 

 

4.広告運用自動化ツール


広告運用自動化ツールとは、Web広告運用にかかる負担を軽減し、運用精度を高めるのに役立つツールです。

オンライン上でのマーケティング活動にはWeb広告の運用が欠かせませんが、手動で管理するには手間と時間がかかります。

広告運用自動化ツールを導入すると、予算の調整や適切なキーワードなどをツールが提案してくれます。さらに、複数のプラットフォームにおける広告の運用状況や成果を横断して、一元管理の把握ができるようになるため、個別に管理する必要がなくなるのもメリットです。

 

 

5.アトリビューション分析ツール


アトリビューション分析ツールとは、資料請求や商品購入などのCVについて、初回接触や間接効果などまでをふまえて分析・改善するためのツールです。

CV率を改善するには、CVに直接至ったアクションだけではなく、どのようなメディアに接触し、どういった経路をたどってきたのかまでを把握・評価する必要があります。アトリビューション分析ツールを利用することで、仮説検証の精度を上げ、これまで困難だったCVに至る勝ちパターンやROASの可視化を実現することができます。

また、各施策の貢献度を測るアトリビューション分析は、パイプラインマーケティングを効率的に進めるためにも欠かせません。

 

 

6.アクセス解析ツール


アクセス解析ツールは、自社サイトを訪問した顧客数や滞在時間、ページ間の遷移状況、リンクのクリック数などを把握するためのツールです。ツールによっては、訪問者の性別や年齢、遷移元など細かな行動を把握できるものもあります。

アクセス解析ツールを導入し、顧客がどこから自社サイトを訪問し、どのような行動をとり、どこで離脱しているのかなどを把握することで、適切なマーケティング施策を立てられるようになります。

また、最終的なCVの母数が少ないBtoBにおいては、中間コンバージョン(マイクロコンバージョン)を設定すると、課題が発見しやすくなります。

 

 

7.ビジネスインテリジェンス(以下BI)ツール


BIツールは、企業に蓄積された大量のデジタルデータを分析し、意思決定に役立てるためのツールです。

インターネットとIT技術の発達により、BtoBにおいても顧客の購買行動の情報がデジタルデータ化されるようになりました。各部門に散らばるあらゆる情報をBIツールで一元化すると、効果的・効率的な分析が可能になります。

特にMAツールSFAツールと連携すると、効率のよいマーケティング活動を実現できるのでおすすめです。

 

 

8.チャットボットツール


チャットボットは、チャット形式で質問に自動応答するツールを指します。BtoB企業がチャットボットを導入すると、見込み顧客が知りたい情報に素早くアクセスできるようになり直帰率が下がる、24時間365日の顧客対応を実現できるなどのメリットが得られます。

チャットボットには、搭載されたAIが学習することで回答精度が上がるAI型と、一問一答形式を得意とするAI非搭載のシナリオ型があります。自社の導入目的に応じたタイプを選ぶとよいでしょう。

 

 

BtoBマーケティングの成功事例3選

 

最後に、BtoBマーケティングの成功事例として、メディックスで支援を行った企業の中から、3社の成功事例を紹介します。

 

1.株式会社ユニリタ様


株式会社ユニリタは、ヘルプデスク機能を中心とした、企業のDXを支援するサービスを提供している企業です。株式会社ユニリタでは、2000年代からWeb広告やSEO対策といったオンラインでのリードジェネレーションの施策を積極的におこなってきました。

メディックスでも2006年から同社の支援を開始し、コミュニケーション戦略やプロモーション戦略といった上流部分の設計から、各施策の実行。そして、リードジェネレーションをさらに推進するための分析・改善提案に至るまで、同社のマーケティングを一貫して支援しています。

こうした中で、2015年ごろ同社内でのマーケティング部門の役割がデマンドジェネレーションに変化したことを受け、メディックスではアトリビューション分析ツールの導入をご提案。すでに導入されていたSFAと連携する形で、運用を開始。対商談・対売上で各広告施策のROIやROASを可視化し、より戦略的な施策展開を実現しました。

具体的な取り組みについては、こちらから資料をダウンロードしていただけます。
→「10年来の頼れるパートナーと、多岐にわたる施策を展開しました|株式会社ユニリタ様

2.株式会社イグアス様


株式会社イグアスは、先進のIT製品やサービスを、全国のパートナー企業に提供している会社です。とりわけIBM 製品に関しては、国内に4 社しかいないVAD(バリュー・アディッド・ディストリビューター)として、対面式のセミナーやイベントの開催支援を積極的におこなってきました。

30 年以上にわたって開催されてきたIBMi ユーザ研究会主催の一大イベントの中止を受け、株式会社イグアスは新たな大規模イベントの立ち上げに踏み切りました。ところが、新型コロナウイルスの感染が拡大し、同社はオンラインイベントでの開催を決意。

メディックスでは、プラットフォーム選びをはじめ、オンラインイベント集客に効果的な外部メディアの活用方法まで幅広くご提案。わずか3カ月という短期間で、963 名の参加者を集めることに成功しました。さらに、イベント後のリード獲得施策も提案し、効果を発揮しています。

具体的な取り組みについては、こちらから資料をダウンロードしていただけます。
→「コロナ禍で新たにデジタルイベントへの転換を試み、成功しました|株式会イグアス様

3.オープンワーク株式会社様


オープンワーク株式会社は、就職・転職のためのジョブマーケット・プラットフォームを運営する企業です。オープンワーク株式会社では、漠然と転職を考えている潜在層をターゲットとしたリクルーティングサービスを展開。SEO対策を中心に、口コミによる顧客獲得を目指してきました。

しかし、競争激化により、ほかのマーケティング施策を検討することになり、メディックスにサポートを依頼いただきました。メディックスでは、すでに導入されていたMAツールやSFAツールを効果的に活用することによる広告運用をご提案。

さらに、訴求軸や切り口を分けて複数のバナーやホワイトペーパーを制作し、その成果を検証。しっかりとPDCAを回していくことでリード獲得につながる“勝ち筋”を見つけ、効率的なリード獲得を実現しました。

具体的な取り組みについては、こちらから資料をダウンロードしていただけます。
→「コスト約2倍に対し商談数が5倍強、受注数が6倍強と、施策実施前よりも効率的に受注につなげられました|オープンワーク株式会様

 

まとめ

 

コロナ禍を経て、BtoBビジネスは急速にデジタル化が進行しました。それとともに、BtoBマーケティングもデジタルシフトが進み、もはやデジタルデータを活用できるかどうかが市場競争での勝敗を分けるほどとなっています。

BtoCに比べてターゲットの母数が少ない傾向にあるBtoB市場においては、購買フェーズのできるだけ早い段階で見込み顧客を獲得することが大切です。そのような意味でもマーケティング部門は重要な役割を果たします。

しかし、自社に適した施策が何なのか、何から取り組めばいいのか、わからない企業も多いのではないでしょうか。

メディックスでは20年以上、400社を超える豊富なBtoB企業の支援実績から得た知見により、クライアントのビジネスにあわせた支援が可能です。また、2022年にはSaaS専門営業部隊が誕生し、SaaSビジネスに特化したソリューションの提供を開始しました。

集客から制作、解析、MAなどデジタルマーケティング全般をサポートしますので、まずは、お気軽にお問い合わせください。

 

Tag: BtoBマーケティング


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メディックスBtoBマーケティング編集部

デジタルマーケティングの基本的な考え方や最新情報、実践的なノウハウを探している、BtoBマーケティング担当者向けに、日々のマーケティング業務のプラスになるお役立ち情報を厳選して発信しています。

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